武田邦彦、近藤誠 トンデモ系専門家の読み方

原発事故のおかげでブレークした怪しげな連中を多く見かける昨今ですが。 中でもタチが悪いのは、大学教授や、経歴的に専門家に分類される連中でしょう。 そういう連中がどの様にしてトンデモを書いているのか、書く心理にまで踏み込んで考察してみました。 要は、肩書きがあるから、頭が良いわけでも高度な知識を持っているわけでもなく(僻んでるわけじゃないよw)、普通の人として扱えば良いよということです。 続きを読む
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cladegifan @cladegifan

ついでにこれも書いとくね。トンデモの例として挙げようと思っていたんだけど。近藤の本を読んだ当時、考えたアイデア?。題して「患者よ、AIDSと闘うな」(爆)。正確には、「厚労省よ、HIVと闘うな」なんだけど、ベストセラーを狙って近藤本に合わせた(核爆)。

2012-05-19 12:33:03
cladegifan @cladegifan

タイトルからして衝撃的なわけだけど、内容はこう。厚労省の現在のHIV対策が実は非常に危険なものであり、本来行うべき政策の真逆を行っていることを、心ある医師が医学界&厚労省を告発するという設定で書いたものw。実際は、アウトライン作った段階で止めたけどね。

2012-05-19 12:36:30
cladegifan @cladegifan

話はこうだ。淘汰説というものがある。進化論の中核に位置する考え方なのだが、「よりたくさんの子孫を残せる遺伝子が勝ち残る。結果、その種族全体を眺めた場合、あたかも学習して遺伝子を獲得した様に見えること」。専門家からはクレームあるかもしれないが、大まかにこんな感じ。

2012-05-19 12:46:39
cladegifan @cladegifan

例えば、スケベな男はたくさん子孫を残す→スケベな遺伝子が勝ち残る→男はスケベという特性を学習する。ま、こんな感じですw。ちなみに、こういう視点で、人間を生物として観察すると色々面白い。お勧め。

2012-05-19 12:48:49
cladegifan @cladegifan

も一つ。数理生物学って分野の一部に、スケジュールを選ぶ動的最適化問題として定式化されるものがある。こういう形に定式化してやると、制御工学の手法(最大原理、動的計画法)を利用することで解析することが可能になる。Sasaki and Iwasaが1991に書いた論文でこんなのがある。

2012-05-19 12:52:49
cladegifan @cladegifan

病気によって、潜伏期間が違うのはご存じだと思う。通常は、病原体の力が免疫系の力を上回った時点で発病すると考えられている。これを、「病原体が、自身の増殖にとって最も都合の良い潜伏期間を選択している」と捉え直す。すると、死ぬまでにその患者から他個体に感染する数の期待値は、

2012-05-19 12:59:53
cladegifan @cladegifan

寿命や感染速度の関数として表される。それを、前述の方法で解くと、期待値を最大にする増殖率(時間の関数)を求めることが出来るわけ。面倒臭い話になったが、重要なのは、潜伏期間を病原体が自身で戦略的に選択している点。それと、感染様式によって関数の形が変わる点。

2012-05-19 13:05:47
cladegifan @cladegifan

つまりだ、上述の解釈によれば、HIVは非常に感染力が弱く、その弱点をカバーするため、長い潜伏期を選択したということになるわけ。つまり、これはこれで安定した状態なわけだ。ところが、ここに厚労省がいらぬことをすると状況が変わる。いわゆる、HIV予防の呼びかけ。

2012-05-19 13:08:39
cladegifan @cladegifan

現在のHIVは、直接接触することによってしか感染出来ない。従って、コンドーム等の装着が徹底されれば、感染することは不可能になる。結構なことだと思うかもしれないが、そうではない。HIVは通常のウィルスより非常に速いスピードで高頻度に変異体を生み出していることで知られる。

2012-05-19 13:12:15
cladegifan @cladegifan

その中には、劇症型や空気感染するタイプが存在する可能性があり、実際、ラットの実験ではどちらも確認されていたりする。それが流行しないのは、現状の感染様式、潜伏期間の組み合わせで充分に子孫?を残せるからという解釈が可能だ。もうお解りと思うが、接触感染を断つことは、HIVに根本的な

2012-05-19 13:15:55
cladegifan @cladegifan

戦略の変更を迫ることになる。淘汰説と最適化問題の考えを適用すれば、接触感染による感染経路を断たれたHIVは、空気感染等のより質の悪い感染方法を選択したり、潜伏期間を短く→劇症化 するという新たな戦略で対応してくる可能性があるというわけです。

2012-05-19 13:21:55
cladegifan @cladegifan

要は、厚労省が下手に手を出すと、HIV自体が悪性化する可能性があるから、放っておけという主張ですね。あ、これでは弱いので、本では、`悪性化する`と言い切ります(笑)。仮説を既定の理論とすり替えるのは、トンデモのお約束なのでw。

2012-05-19 13:24:09
cladegifan @cladegifan

まあ、この説の根本的な嘘は、マクロをとってミクロを捨てるという点なんですね。つまり、実際にこういうことが起こりえるとしても、そのために、HIVに感染する個人を捨てることは出来ないことですから。もちろん、実際の書籍では、その辺り上手く誤魔化しますけど(笑)。

2012-05-19 13:27:03
cladegifan @cladegifan

トンデモを実際に作ることで、おかしさを別の視点から見てもらったわけですけど。この説のややこしい所は、仮説として間違っていない点。近藤説と違い、現代医学の常識と真っ向から対立してはいないということです。早い話、厚労省が念頭に置いておくべき`一つの指摘、可能性`としては正しい。

2012-05-19 13:31:48
cladegifan @cladegifan

あるいは、これから自分が研究を進めていく上での作業仮説としては正しい。逆に言うと、作業仮説を確立された理論の様に使って自説を展開する、お約束をやっているわけです。まあ、今回のエントリーは難しい点が多いと思いますけど、専門家がトンデモを書く心理や手口?を理解する一助になれば幸い。

2012-05-19 13:34:30