NHK・ドキュメンタリーウェーブ「シェールオイルを掘りおこせ~新たな石油鉱床の衝撃~」書き起こし・ほぼ完全版

5月19日にNHK-BSで放送されたものを文字起こししています。 シェールオイルの現状、工法、問題点など
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とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 新たな資源層の可能性は、以前から指摘されていました。これは1999年、コロラドの地質学者が書いたリポート。ここにシェール、日本語で頁岩(けつがん)の存在が記されています。バッケンには2つの黒いシェール層が広がっている。

2012-05-21 00:21:59
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> これまでと違う石油の可能性があり、世界でも最も豊富な埋蔵量が見込まれる。 30年以上にもわたってバッケンの地質を調査してきた、ベテランの地質学者がいます。

2012-05-21 00:26:16
とし @toshihiro36_sub

キャサリーン・ネセット:これがバッケンのシェールです。この黒く硬い岩石の中に石油は閉じ込められています。容易には取り出すことができません。これはシェール層の真下にある、第二の地層です。主に石灰岩と砂岩で成り立っています。

2012-05-21 09:39:35
とし @toshihiro36_sub

ネセット:さらにその下には、第一の層と同じ黒いもうひとつのシェール層があります。ちょうどクリームビスケットのような三層構造になっています。

2012-05-21 09:42:13
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 肉眼では見ることができませんが、シェールには小さい穴が無数にあり、それぞれに石油が閉じ込められています。硬い岩盤の中に、少量の石油が広範囲に点在しているのです。

2012-05-21 09:45:25
とし @toshihiro36_sub

ネセット:シェール層に石油があることは以前からわかっていました。ただ取り出すテクノロジーがなかったのです。

2012-05-21 09:48:57
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション>バッケン油田でシェールオイル開発が始まったのは2006年のことでした。テキサス出身のオイルマン、ラッセル・ランキン39歳。シェールオイル開発の先駆者の一人です。これまで200か所でシェールオイルを掘り当ててきました。年間4億ドルの調査費をランキンは任されています。

2012-05-21 09:53:51
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 2006年当時、上がり続けていた原油価格は石油業界に多額のオイルマネーをもたらし、潤沢な開発資金が新たな資源探索へと向かわせたのです。

2012-05-21 10:04:33
とし @toshihiro36_sub

ランキン;本当に出るかどうか、大きな賭けだったのです。周りからは「石油の墓場で何やってるんだ。ここは枯渇しつつあるんだぞ、何も出やしないよ」と陰口をたたかれたものでした。

2012-05-21 10:06:53
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> これまでの石油の掘削はひたすら垂直に掘り進み、鉱脈にさえ当たれば抽出できるというシンプルなものでした。しかし地底3000mにあるシェール層の石油は硬い岩盤の中に封じ込められており、しかも広範囲に点在しているため、

2012-05-21 10:13:25
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> これまでの掘削方法では汲み上げるのは不可能とされてきました。それを可能にしたのは、ある画期的な掘削技術の開発でした。まず、ドリルは3000mまで垂直に掘り進みます。そしてシェール層に近づくと、今度はカーブして地層に水平に3000m掘り進めてゆきます。

2012-05-21 10:18:00
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> これによって広範囲にわたって点在する石油をカバーすることが可能になるのです。

2012-05-21 10:29:34
とし @toshihiro36_sub

ランキン:垂直に掘る方法ではシェール層に到達してもドリルの周辺部数m四方の石油にしか届きません。でもこの技術を使えば、シェール層に沿って3000mも掘ることができます。石油へのアクセスが飛躍的に増えることになります。3000mもの距離に何本もの掘削タワーが並ぶことを想像して下さい

2012-05-21 10:34:36
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> ここは掘削現場に隣接したトレーラーハウス。掘削作業はここからの指示で行われます。掘削のコースや進行過程は、すべてコンピュータで管理されています。 バッケン油田のシェール層はクリームビスケットのような3層構造になっています。

2012-05-21 10:51:47
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 石油を含む層と層の間に、石灰岩と砂岩でできたもうひとつの層があるのです。掘削は石油を含むシェール層を破壊しないように、この真ん中の層だけを掘り進まねばなりません。

2012-05-21 11:00:57
とし @toshihiro36_sub

ランキン:この辺りは丘陵地帯でゆるやかな起伏が続いています。当然ながらそれは地下も同じで、フラットではありません。そうした起伏のある地層に沿って、外れることなく正確に堀り進むのは容易なことではありません。見えない地底でデータをもとに修正を繰り返す作業なのです。

2012-05-21 11:07:35
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 掘削が地底3000mの鉱脈にたどり着いたあと、次に硬いシェール岩盤からどうやって石油を取り出すのか。ここで第二の革新的技術が用いられます。特殊な薬品の混合液を大量に注入し、その圧力で岩盤を砕き石油を抽出する「フラッキング」と呼ばれる技術です。

2012-05-21 11:11:23
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 掘削が最終地点に達するとドリルは引き抜かれ、地底にはパイプだけが残ります。最新のハイテク技術でパイプと地層の間に穴をあけ、そこに地上から大量の混合液を高圧力で送り込むのです。その圧力でシェール層を砕き、広域な亀裂を作りだします。

2012-05-21 11:22:53
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> この亀裂が岩盤に封じ込められた石油の通り道になるのです。3000mにも達したパイプに流れ始めた石油は、ポンプで地上に吸い上げられます。垂直の掘削から水平の掘削へ、そして岩盤を砕き石油の通り道を作るフラッキング。

2012-05-21 11:27:49
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> それは地底3000mの地層に無数の穴をあけることで、石油を取り出す技術なのです。

2012-05-21 11:30:41
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