Ib小話まとめ

@aetyelrab

(ギャリ&メア)手を引かれて、駅、って所にきた。今日はギャリーと、隣の隣の町へお出かけ。電車って、知ってはいたけど、本物を見るにしたって遠目、しかも一瞬だから、何だか新鮮。乗るのは初めて。「きゃ…！」待合室で座ってると、電車が、ごうごうって通っていって、びっくり。初めてだらけ。

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(偽ャリギャリ)いつもはベラベラとうるさい奴が、今回は現れた途端から一言も喋らない。アタシの声は聞こえてるみたいだけど、どうやら声が出ないみたいね。「いい気味だわ」笑ってやれば、じろりと睨まれる。偽物の癖に、生意気。「そのままずっと黙ってなさいよ」そうしたら、アタシは清々するわ。

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(ギャリイヴ)その人は、綺麗な顔を真っ赤にさせて、それでいて真っ直ぐに私を見ているの。ええとね、イヴ、ってわたわたしながら、やがて意を決したように唇をキリっと結う。「アタシと…ずっと一緒にいてください」…今更だよ。そう笑いながら、はい、と迷わず答えた。初恋は実らないなんて、嘘。

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(ギャリメア)気づいていたわ。アンタの目的とか願いとか。こんな海の底のような所にずっと居て、寂しくないわけがないものね。「わたし、青はもっと好きなの！」…好きだから、交換？それだけじゃないでしょ？でも、いいわ。くれてやるわ。アタシからアンタへのプレゼント。最初で最後のおくりもの。

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(イヴギャリ)おしゃれな喫茶店の中。テーブルに座って、向かい側のギャリーとお喋り。上げられたり下げられたりするギャリーの口の端にちょこんとクリームがついている。だから、立って、近づいて、ぺろりと舐めてとってあげた。慌てる様子がかわいい。この顔が見たかった、だけ！

@aetyelrab

(REC)元々幽霊だとか何だとかって話は苦手だった。存在なんてしないわって自分に言い聞かせても、あの美術館でのこともあるし…やっぱり怖い。シャワーを浴びてる最中、背後での視線。いやいや、気のせいよ。大丈夫…ほうら、振り向いてやれ。メアリー「【REC】」気のせいじゃなかったわ！！

@aetyelrab

(天野さんの箱庭イメージ)メアリーが何処かへ行ってしまった後。茫然とした思いを抱えながら、来た道を戻る。ギャリーは其処にいる。壁にもたれて、眠っている。「ギャリー」嘘も本当も言いたくない。そう呟いたあなたが、嘘をつくことを選んだのなら、そのまま、このまま、私をどうか騙していてね。

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(イヴギャリ)玄関のドアが開かれて、ただいま、と愛しい声がした。足早にお出迎えをして、おかえりなさい、ご飯にする？お風呂にする？なんてお馴染みなことを聞いてみる。「それとも…一緒に支部みる？」「…え？ しぶ？」「うん。今ちょうどね、ギャリ受け検索してたの」「!?」

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(心壊中ギャリーさん)青白い肌をした、それはそれはかわいい女の子。なんでも話せちゃうお友達。あなたといると、とても楽しいわ。いやなこと、全部忘れられそう。「あはは、そうよね！ わかるわ」でも、何故かしら、忘れちゃいけないことも、あったような気がするの。それはなんだったかしら。

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(ギャリイヴ)さらさら、さらさら、指の間をすり抜けていくイヴの髪。きれいで真っ直ぐで、うらやましいくらい。アタシとは正反対だもの。「ギャリーって髪いじるの好きだよね」ふいに呟かれた言葉に、そうね、なんて答えながら、心の中でこっそり付け足した。イヴのお髪だから、触れていたいの、と。

@aetyelrab

(メアギャリ)身動き一つ出来ないその人の長い前髪を手の甲で退けてみる。隠されていた左目が露になって、それはイヴの薔薇みたいに赤い色をしていて。ああ、今すぐその目玉をくりぬいて棄ててしまいたい。それほどの、この苛立ちは、一体何なのだろう？

@aetyelrab

悪い夢をみて飛び起きた。乱れた呼吸を整えている最中に、ふいに携帯が鳴る。それに出てみると、おはよ、ギャリー、遊びにいっていい？ と明るい声。数年前よりも大人びたそれに安堵して息をつく。ええ、いらっしゃい、待ってるわ。電話を切る頃には、悪夢のことなど遥か彼方に消えていた。