不時ッコさんによる食品偽装の歴史
- futaba_AFB
- 23239
- 9
- 33
- 44
(承前)蒸留した際に残った穀物の熱い潰れた滓を食べていた。1854年までには、1万3千頭の牛が残滓を食べ、ぞっとするほど悲惨な暮らしをし、毎年何千人もの子供が死ぬ原因とされた乳を出していた。「汚水牛乳」は田舎の牛乳よりも薄くて水っぽかったが、脂肪分があまりにも少なかったので、
2012-05-24 16:01:48(承前)バターもチーズも造れなかった。1850年まで、ニューヨークの牛乳の大半はそうやって造られたのである。1870年から1900年まで、アメリカにおける死者の3人に1人は5歳以下の子供だった。幼児の死亡者の38%~51%が感染症だった。
2012-05-24 16:04:33そのうちの半分は下痢の感染症で、粗悪な牛乳を飲んだことに、とりわけ関連していた。下痢による死亡者の数は、牛乳(すでに汚染されている場合が多かったが)の中のバクテリアが急速に増えた7月と8月にピークに達した。
2012-05-24 16:08:011858年の『フランク・レズリー絵入り新聞』の漫画。ニューヨーク市の残滓牛乳のスキャンダルを暴いている。http://t.co/KzA265s1 http://t.co/glCWs7S7
2012-05-24 16:10:01アプトン・シンクレアの小説『ジャングル』は、「自由人」に、そして金持ちになるために家族と一緒にアメリカに来たユルギスというリトアニア人の物語である。しかし彼は、シカゴの家畜一時置場で、精肉工場の従業員として、身の毛もよだつような、低賃金の奴隷同様の暮らしをすることになる。
2012-05-24 16:13:09「ソーセージ用に何を切り刻むのかについては、まったく注意が払われなかった。廃棄された古いソーセージがヨーロッパから持ち込まれた。それは黴臭くて白く、硼酸とグリセリンを添加したあと漏斗状装置に投げ入れられ、国内消費用に作り直された。肉が床に溢れ出して泥と鋸屑に混じった。
2012-05-24 16:15:52労働者は床を踏み歩き、何十億という無数の結核菌を唾と一緒にそこに吐き出した。肉は各部屋に大量に積んであった。屋根から漏れる水がその上に滴り落ちた。何千匹もの鼠がその周辺を走り回った。暗過ぎて貯蔵所の中はよく見えなかったが、積んである肉を片手で撫でると、
2012-05-24 16:18:20(承前)乾いた鼠の糞をいくつも握って落とすことができた。鼠は厄介で、精肉業者は毒を塗ったパンを鼠にやった。鼠が死ぬと、鼠とパンと肉は一緒に漏斗状装置に入れた。これは作り話でも、冗談でもない。肉はシャベルで運搬車に積まれたが、シャベルを使っている男は、
2012-05-24 16:20:23(承前)たとえ鼠がいるのを目にしても取り除こうとはしなかった―そうしたものがソーセージになっていったのだが、それに比べると、毒殺された鼠は珍味だった。」この光景を忘れがたいものにしているのは、それが作り話ではないという事実だった。
2012-05-24 16:23:04労働者が大桶に落ちても、誰も救い出そうとはしなかったため、「彼らの骨以外のものは“ダラムの純正リーフラード”として世に出た。」食肉検査官は傷んだ肉を見て見ぬふりをしていた。「ぞっとするほど蒼白い」老婆の作業員たちは、「ソーセージをひねって輪状に繋げながら死と競争をしていた。」
2012-05-24 16:28:50現代での食品偽装
《現代の食品偽装》バングラデシュは、東南アジアで、したがっておそらく世界で混ぜ物工作を施した食べ物が一番多い国だという羨ましからざる評判がある。2004年3月にネパールのカトマンズで開かれたある会議でアジア諸国の混ぜ物工作の比率を調べた。二つのNGOによって行われた研究によれば、
2012-05-24 19:15:28(承前)インドは10%、ネパールは15~18%、スリランカは20~30%、バングラデシュは45~50%だった。2002年、市販されている食品を分析するバングラデシュの公衆衛生研究所は、426個の砂糖菓子のサンプルのうち423個が、33のギーのサンプルのうち28が、
2012-05-24 19:18:07(承前)バター・オイルの19のサンプルのうち19が、コンデンスミルクの8つのサンプルのうち8つが混ぜ物入りだということを発見した。この結果から判断すると、バングラデシュの食品の45~50%が混ぜ物入りだという推定は、かなり低いように思われる。
2012-05-24 19:20:16チリ・パウダーに入っている煉瓦の粉、米に使われる違法な肥料、汚染された水で薄められたヨーグルト、新鮮だと偽って売られる腐ったココナツ、焼いた潤滑剤で作られたパン、織物の染料用の有毒な着色剤で作られた砂糖菓子と、バングラデシュでは混ぜ物工作は至る所で行われている。
2012-05-24 19:29:11セオドア・ルーズベルトは米西戦争で、陸軍士官として小さな連隊を率いて戦った。兵士の一人が支給された肉を投げ捨てるのを見たとき、おまえは赤ん坊だと、いかにも男っぽくぶっきらぼうに咎め、「そいつを食って大人になれ」と怒鳴った。しかし兵士は、ルーズベルトの命令に従うと吐いてしまった。
2012-05-24 21:10:49そしてルーズベルト自身、その肉を食べてみようとしたが、「食べられないのがわかった・・・ぬるぬるし、筋っぽく、粗悪だった・・・繊維の塊のようだった」。
2012-05-24 21:11:59最後に書籍紹介
@futaba_AFB これで主な部分の紹介が終わりました。どうぞまとめてくださって結構です。この話のソースはhttp://t.co/ATCmVlEq 食品偽装の歴史
2012-05-24 16:32:27