振津かつみ先生 講演会「福島の被曝とどう向き合うか」

振津かつみ先生 内科医。ベラルーシなどでチェルノブイリ支援活動などを通じて、放射線が人に及ぼす影響を20年余りみてこられました。ふりつさんの経験を通して、福島のいまはどう見えるのでしょうか。 5月31日 避難者向けの講演会に参加してきました。とても有意義なお話会だったと思います。私は講演、質疑応答の午前の部のみ参加。午後は相談会。 2012/11/15 parasite2006さん、ontheroadxさんによる今中先生の資料にある5段階の基準解説を加えました。ありがとうございます。
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Susanna Yukari Oseki @niigatamama

振津かつみ先生(内科医。ベラルーシで被爆者支援)避難者向け講演会に参加してきました。一般向けは本日より3日まで県内各地で(要申し込み)。

2012-06-01 03:59:56
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

①まずチェルノブイリ事故の詳しい説明から。30km圏の10万人が一週間で避難。4/26に事故、5月初めには子どもたちを100km以上離れた所へ一時避難。ソ連政府の避難の初動はよかったが、それでも最初の1~2週間の間に防御ができなかった。除染にあたったのは軍隊の化学物質処理班。

2012-06-01 04:03:55
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

②避難した人も9月には戻ってきて汚染地域で暮らすようになった。ソ連の当時の基準値、1年目100mSv、2年目30mSv、3年目25mSv。一生涯に350mSvまで大丈夫とした。汚染地域での子どもたちの防御:通学服と校内服を分ける。10時間以上校内にいるようにする。

2012-06-01 04:07:23
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

③森の汚染は深刻。25年経った今でも数μSv/hを超える所がざらに。ペチカで燃やす薪も汚染されており数千Bq/kg。灰は数万Bqになる。「家に原子炉がある」状態。食べ物の制限:日本500Bq/kg→100Bq/kgもっと下げることも可。ソ連3700Bq/kgの基準が1993年まで

2012-06-01 04:13:50
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

④1991年(チェルノ事故5年後)キエフでホームステイし生活した。数週間でWBCの値が3300Bq(Cs137)にもなった。内部被ばくも外部被ばくも両方注意しなければならない。福島の子どもは平均でWBCは250Bq以下。チェルノの10分の1以下に抑えられている。

2012-06-01 04:17:06
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑤チェルノブイリは避難権利区域でも避難できなかった人が多く、汚染地域で600万人が暮らしている。事故直後は数μ~50μSvだったところ。今、25分の1以下だがまだまだ高い。そういった地域で暮らさざるをえないから、基本的な防御を子どもたちに教えた。また年に数回、一時保養に行く。

2012-06-01 04:20:04
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑥ソ連の子供たちは、もともと集団キャンプをよくしていたので、そういったシステムは作り易かった。日本では自主避難が多くなった。指定避難ともに当たり前のことができなくなるストレスがある。被曝によってなる病気はがんだけではない。全身の健診を定期的にうけて病気を早く見つけて治療すること。

2012-06-01 04:24:16
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑦甲状腺の被曝量でみると、ベラルーシは福島の20倍。年2回検査することになっている。甲状腺がんは5年後に統計学的に有意な数になった。14歳以下は95年に90人。チェルノブイリ周辺では福島以上に汚染されたものを食べる量が多い。

2012-06-01 04:26:54
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑧「チェルノブイリハート」ベラルーシで25%の赤ちゃんに精神障害などの異常というのはウソ。現地の医師が「15~20%が健常児」と答えているが、ベラルーシの健常児の基準は5段階に分かれていて、その一番上のレベルが20%。父母も健康で酒タバコをのまないというのが条件。

2012-06-01 04:30:24
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑨たくさんある情報の中で何が正しいのかを理解してほしい。3年前、ナバホ族のウラン採掘跡に行った。18.3μSv/h。原発の燃料はそういった所からきている。見えない深刻な汚染。

2012-06-01 04:32:42
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑩ここから会場からの質問に回答:甲状腺検査について。先行調査で超音波エコーで30%にしこりやのう胞が見つかっている。今までどうだったかについて子どもたちのデータは無いので、医者としては正確な答えがでない。でも大人のデータはある。病気ではないのう胞やしこりは20~30%は普通にある

2012-06-01 04:35:29
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑪恐らく30%はベースライン。自分も関西で診察しているが2mmくらいののう胞がある人はいる。悪性と言う診断はしていない。がんは小さくても明らかで数ミリでもみえるから。今度どうするかについて。所見が出たら半年後に再度診る。半年たってあまり変わらなければ1年後。所見がなかったら年1回

2012-06-01 04:38:22
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑫福島県の健康調査だと所見があっても2年後。また、結果用紙が不親切だと思う。しこりやのう胞の詳しい数や部位が書かれていない。通常健診では画像をみせて詳しい説明をするものだ。できれば改善してほしいと思う。

2012-06-01 04:41:03
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑬甲状腺の血液検査は機能をみる。腫瘍を見つけるなら超音波エコー。サイログロブリンはがんの経過をみるもので早期診断には役に立たない。原爆の被ばく者は病気になる頻度が高くなる可能性。年1回血液検査をしているし、被爆者手帳があれば年2回健診が受けられる。福島もそのようにしてほしい。

2012-06-01 04:43:23
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑭被ばくによる急性障害と晩発性障害を区別して考えること。急性障害は数十mSv~100mSvを短時間で被曝した場合に起きる。その時の鼻血は高線量により骨髄の中で血液が作れなくなるもの。骨髄が回復するまで1週間以上ずっと出続ける。鼻血が出やすくなったというのは被曝によるものではない。

2012-06-01 04:47:04
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑮また、1mSv/hを浴びると1万人のうち一人ががんや白血病になる可能性があるが、2~3人に1人はがんになる時代なので、被曝によるものかどうかは言えない。

2012-06-01 04:48:42
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑯「自主避難しているが帰ってもいいだろうか?」→自分だったら家の中が0.1μSv/hくらいだったら帰れる。ただ周りには線量が高い所があるので防護をしっかりする。年1回保養に行くなどする。「プールは入れるか」→プールサイド、水の検査をする。実際に測って皆で納得しながら解決していく。

2012-06-01 04:52:10
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑰「子供を産みたいが」→100人のうち何らかの先天的障がいは平均で5~10人くらいは日本でももともとある。先ほどのチェルノブイリハートとベラルーシの実際の話をしたが、確率的には変わらないと思う。

2012-06-01 04:55:57
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

⑱Csの生物学的半減期。子どもは1か月で半分に。大人でも3か月で半分。以上、「赤ちゃん一時避難プロジェクト」HP http://t.co/kbTa5Smx にも後程記録がアップされるそうです。

2012-06-01 04:58:27
nao @parasite2006

@shanghai_ii 横からすみません。このこどもの健康状態の5段階の分類基準が具体的にはどんなものかはチェルノブイリ事故の影響を考える上で非常に重要なポイントで、ぜひとも詳細情報がほしいところhttp://t.co/g1oLhEbm http://t.co/R8yfc3rr

2012-11-14 01:12:26
nao @parasite2006

@shanghai_ii 今中先生の講演書き起こしファイルからの引用http://t.co/R8yfc3rr(もとファイルhttp://t.co/vpgzx7Rs のp.30)の次のページ(p.31)にこの5段階分類を使ったベラルーシのこどもの健康状態調査結果のグラフがあり(続)

2012-11-14 02:29:28
nao @parasite2006

@shanghai_ii (続き)そのグラフ(1996年のWHOによる調査結果)の説明によれば第1度は「すべての条件にてらし健康上問題ない子供」、第2度は「機能上の問題が認められ、慢性病にかかりやすい子供」、残る第3度〜第5度が「慢性病が認められる子供」なのだそうです。

2012-11-14 02:38:19
nao @parasite2006

@shanghai_ii 今中先生の講演書き起こし(http://t.co/vpgzx7Rs p.31)に出ている1996年のベラルーシの子供の健康状態(旧ソ連の5段階の健康状態分類をさらに第1度、第2度、第3〜5度の3つにまとめて表示http://t.co/z8jnta12

2012-11-14 02:47:20
nao @parasite2006

@shanghai_ii (第1度=健康、第2度=慢性病にかかりやすい、第3〜5度=慢性病にかかっているの順、いずれも目分量)重度汚染地域では12-3%、52-53%、35%;経度汚染地域では17-8%、62-63%、20%;非汚染地域では55%、39-40%、5-6%。

2012-11-14 02:58:22
nao @parasite2006

@shanghai_ii 結局このデータは、第1度(=健康)と第3〜5度(=慢性病にかかっている)の中間状態である第2度(「機能上の問題が認められ、慢性病にかかりやすい」)をどちらにくっつけて説明するか(「健康/健康でない」あるいは「慢性病あり/なし」)で印象ががらりと変わる

2012-11-14 03:05:04