NHKクローズアップ現代「“薬漬け”になりたくない ~向精神薬をのむ子ども~」をめぐる精神科医のコメント
- hashimoto_tokyo
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一方のストラテラはカプセルで、外して中身を調整することはできるが、子供には非常に飲みにくい。ストラテラが合わない場合の第三の選択肢がいまのところないのが現状でもある。他にも抗てんかん薬で比較的最近発売されたものの中には、錠剤1規格しかなく、子供への投与は錠剤粉砕になるが
2012-06-14 07:55:29粉砕調剤が非常にやりにくいだけでなく、苦みが強烈で子供にはとても飲みにくい。海外では同じ薬の細粒が発売されているが日本にはまだ入ってきていない。他にも割線がなく半錠、4/1錠に調整しづらい薬はいくらもある。なぜ規格が少ないのか。それはコストの問題でもある。
2012-06-14 07:57:37向精神薬も新しい薬は価格が高めに設定されている。細粒など他の規格品を作らないのはコスト高になるからでもある。経費を抑えて収益を上げるには、薬の世界では規格を一番処方が多いものに絞るのが手っ取り早い。処方が少ないものはそれだけ割高になるので、できるだけ1規格で使って欲しいというのが
2012-06-14 08:01:00作る側の本音でもある。ならばなぜ割線入りにして半分にできるようにしないのか。それはひとつは薬が出回る前の治験のやり方の問題でもある。向精神薬に限らず、血圧の薬なども半錠など調整されることが多いが、投与量を段階的に上げて適量を探る初期の実験は少数の健常者が対象。
2012-06-14 08:04:13実際に臨床で患者さんへ新薬を服用してもらう時にはすでに量が決まっているので、その量で効果があるなしの判定しかされないので、もっと少ない量でも効果が出る可能性のある人が含まれていない。向精神薬に限らず薬の適量は変わってしかるべきなのだが、そのちょっとの差が考慮されていないのだ。
2012-06-14 08:05:58中には向精神薬の副作用の強さを体験し、二度とごめんだと思っている人も多いが、本来向精神薬のような薬は、0.1mg(子供の場合は0.01mg)あるいは錠剤なら1/4単位からの調整が必要な、とてもさじ加減の難しいもの。処方する側がどの程度それを分かっているかによるところが大きい。
2012-06-14 08:08:41また、同じ薬でも合う合わないがはっきりしているので、合わない薬を漫然と使い続けるのが一番良くない。効果のある薬は短期間でも違いが出ることが多いので、一定期間飲んでも変わらないように感じるならそれ以上使う意味はない。
2012-06-14 08:11:10薬がころころ変わるのも問題だが、薬を変えても効果がないというのならそれは診断自体を見直すべきかもしれない、ということでもある。本人の状態を最も適切に表す診断、あるいは治療法というのを探っていくしかないが、そこにまだ他の問題が出てくる。
2012-06-14 08:14:33【参考】昨日のクローズアップ現代で取り上げられた、「精神科早期介入の問題を考える会」のホームページ。 子供さんへの早期薬剤投与に反対する立場。 http://t.co/e2IXQUST #発達障害
2012-06-14 07:25:28