『新撰21』読書会(9)「髙柳克弘+五島高資」

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@_ot

一句好きなのは「枯原の蛇口ひねれば生きてをり」です。再生の象徴としての生物としての蛇と、水生まれ出づる無機物としての蛇口が、生きていた原の、死んでしまったその場所で、今まさに一つの手によって観察される(量子論的に)。その手は何者の手なのかなぁと思う。 #shinsen21

2010-06-26 23:20:13
@micropopster

クールというのは、「桜貝たくさん落ちてゐて要らず」などの打ち消しの言葉とか、「若草にきれいに坐るつまらなし」のつまらなしとか、そういう言葉が印象的だったりするからかな。世界や言葉を懐疑的にみているスタンスとかも感じる。 #shinsen21

2010-06-26 23:21:19
@a8ca

『未踏』の最後の方、「三音名詞+かな」がかたまってるんですけど、意図があるのかな。(「大和かな」「金魚かな」「夜寒かな」「屏風かな」すぐ消ゆるが入って「小春かな」) #shinsen21

2010-06-26 23:22:16
@ogawashunkyu

一句の中での対象との距離感がこの作者の特徴かもしれない。あえて距離感を曖昧にしたりする方法もあると思いますが、そういうことはこの作者にはない。句の中での立ち位置みたいなものがはっきりしている。 @_ot: 「なじむ」も対象との距離感?。 #shinsen21

2010-06-26 23:23:08
@a8ca

(と思ったけど、「かな」のときは「三音名詞+かな」が100%でした。100句中18句。) #shinsen21

2010-06-26 23:26:35
@_ot

この新撰21ではフォーマルと言ったらいいのか、貴公子的ですよね。でも週間俳句などで他の句を拝見して、泥臭いのもあるじゃん!と逆に喜んだり。 RT @ogawashunkyu 一句の中での対象との距離感がこの作者の特徴かもしれない。 #shinsen21

2010-06-26 23:30:38
@_ot

評論より:読めば読むほど、何度も何度も何度も何度も深化しなければならない作者の運命なのだなぁと思うのですが、それも全部ご自身の中で昇華されているのだろうなぁと。霧の来ることを知っている睫、なんて句で締めておられるところからも。 #shinsen21

2010-06-26 23:34:33
@a8ca

「踊る輪の中を歩いてゐる子かな」(2004年)なんかは、『新撰21』に入ってないってので、よさに気付いた。 #shinsen21

2010-06-26 23:38:04
@umemina

現代の若者、というと雑であれですが、「欲しがらない若者」、みたいな感覚や精神性を感じました。ちょっと世界に対してあきらめ入ってる。でも信じてる。何を?何かを。みたいな。世界をあきらめても自分の世界だけは信じてる。 #shinsen21

2010-06-26 23:39:46
@a8ca

私も好きです。でも作者は、この家族の一員ではなさそう。 RT @ogawashunkyu: 〈文旦が家族のだれからも見ゆる〉この句、好きです。こういう句、書きたいなぁ。 #shinsen21

2010-06-26 23:39:48
@umemina

一句目の「ことごとく未踏なりけり冬の星」には、そういう、踏み込み切れていない世界への絶望感と、まだ見ぬ何か、自分はまだ何かできるんだという希望の、どちらも含まれているように思いました。 #shinsen21

2010-06-26 23:43:15
@ogawashunkyu

『未踏』のバリエーションの豊かさはさすがに100句では出ないんですかね? そのかわりこの100句の安定感はすごいと思いますが。 @a8ca: 「踊る輪の中を歩いてゐる子かな」(2004年)なんかは、『新撰21』に入ってないってので、よさに気付いた。 #shinsen21

2010-06-26 23:43:45
@_ot

あぁなんか急に親近感。 RT @a8ca 「雛飾るくるぶしわれのおもひびと」(あま〜い系)かな。 #shinsen21

2010-06-26 23:44:39
@micropopster

希望と絶望の交錯が、一般的な青春性に回収されることなく、現代を生きる若者としての等身大の彼を描き出していると思う。「ことごとく未踏なりけり冬の星」 #shinsen21

2010-06-26 23:45:01
@yasnakam

#shinsen21 遅れて申し訳ありません。印象的なのはやや酷薄と感じるほどの冷静さ。「つまみたる夏蝶トランプの厚さ」「人形の頭のうしろ螺子寒し」「魚を見るごとく人みて桜守」「蛆」の句も。

2010-06-26 23:48:21
@umemina

小論の最後に「現代俳句の未来」という言葉が出てきますが、俳句への視線だけでなく、彼はもっと広い目を持ちながら(この世界の未来、のようなもの)俳句という形式を使い、表現をしているのだと感じました。 #shinsen21

2010-06-26 23:49:15
@a8ca

期待に応えることを望まれる立ち位置にいるとよくわかった上で、自身ブログであえて「きかんぼう」であることを表明したり、おちゃめな発言したりしてる作者、その部分をもっと表に出したら面白いのに〜、と、ファンは思ってます。  #shinsen21

2010-06-26 23:49:39
@yasnakam

#shinsen21 「ことごとく」は「未踏」の「未」にこめられた意志がまぶしいですね。未だ踏まれず、ということはいつか踏んでやる、という決意だから。

2010-06-26 23:52:04
@_ot

かなかなかなかな消ゆるかな と自由律ぽく RT @ogawashunkyu 何か意図があるような感じもしますね。 全体でもそんなに「かな」が多いというわけでもなさそうなので。 @a8ca: 『未踏』の最後の方、「三音名詞+かな」がかたまってるんですけど、 #shinsen21

2010-06-26 23:52:34
@umemina

「木犀や同棲二年目の畳」はちょっと貧しいけど希望、なのかなあと思ったが、「畳」から溢れ出るなんか絶望感。 #shinsen21

2010-06-26 23:52:35
@micropopster

入集している『未踏』以後の句、私は好きです。ただ一句だけなぜ?と思ったのは「浜草履いんちきくさき色したる」。これ100句に入れたのは、個人的に思い入れがあるとかなのだろうか。ふつうすぎるぞ。浜草履と色では、「死を想へ極彩色の浜草履 小澤實」があるし。 #shinsen21

2010-06-26 23:53:43
@umemina

「枯原の蛇口ひねれば生きてをり」はぎりぎりの中の希望。「どの樹にも告げずきさらぎ婚約す」は、世界は世界、自分は自分、という割り切った中での希望。 #shinsen21

2010-06-26 23:55:42
@a8ca

信条部分、なんだか語順が気になりますがそれは置いて笑、もっとかっこいい系かと思ったらソフトで、なるほどでした。ちなみに、ですます調なのは21人中藤田くんと高柳さんだけ。 #shinsen21

2010-06-26 23:59:22
@a8ca

小論は、難しい漢字が多い気がしました。 #shinsen21

2010-06-27 00:01:56
@yasnakam

#shinsen21 「浜草履いんちきくさき色したる」は「死ねとすぐ言ふ子に秋の金魚かな」などに通じる俗っぽさですが、比較すると、俗を昇華する季語のはたらきが無い。

2010-06-27 00:07:48