小池一夫氏の作家・作品論

キャラクター論で有名な小池先生ですが、最近作家や作品に対してのつぶやきが多かったのでまとめてみました。
132
小池一夫 @koikekazuo

僕は、作品を創る時のイメージがある。作品を花に例えるなら、それは、草花ではなく、木に咲く花だ。自分という根幹はどっしりと根を張りながら年々育っていき、時期が来れば自ずと花(作品)は咲く。一年草の様に、一回咲いて終わりではない。(小池一夫)

2012-06-06 21:24:39
小池一夫 @koikekazuo

そのイメージは、いつしか、作品を創る時だけのものではなく、そンな風に生きたいという、僕の願望になっている。時には想定外の暴風や、枝を伐られたり、幹を傷付けられたりと色々と起こるが、根をしっかり張ってさえいれば持ちこたえられる。大丈夫。(小池一夫)

2012-06-06 21:24:48
小池一夫 @koikekazuo

創作を長く続ける一番のコツは、中二病をこじらせながらも、世界観を深めていく」事。小さくまとまらず。(小池一夫)

2012-06-07 20:20:50
小池一夫 @koikekazuo

作品が売れない理由は、その作品が面白くないからである。それ以上でも、以下でもない。出版不況などという言い訳は口が裂けても言えない。それは、表現者の言う事ではなく、経営者の言である。優れた作品は必ず世に出るし、そして売れる。(小池一夫)

2012-06-10 20:45:42
小池一夫 @koikekazuo

表現者は、とにかく「評価=売れる」を経験しないと、もう、何を書いていいのか分からなくなる。己を完全に見失う。しかし、それは己の再発見のきっかけとなる。それにね、はっきり言ってしまえぼ、売れてから後も、自信喪失→己の再発見の繰り返し。何が重要かというと、リングから降りない事。

2012-06-10 21:52:17
小池一夫 @koikekazuo

読者の反応や期待に過度に応えようとすると、自分の作品が描けなくなる。プレッシャーで、迷いが出る。萎縮する。結果、作品はつまらなくなる。決して「自分の作品を読ンで貰う」基本姿勢を崩さない。TVドラマ等で、視聴者の反応を見て脚本を変えるというが、それはもう表現者としての仕事ではない。

2012-06-12 20:03:37
小池一夫 @koikekazuo

長く表現を続けていると、マンネリになる時期が必ずある。何を書いても、自己模倣である。しかし、僕はマンネリは悪い事ではないと思う。その期間は、自分の骨格を強固にしているのだ。マンネリもある期間続くと、定型を打ち破ろうとする強い願望が沸き上がって来る。それで、また新しい表現を得る。

2012-06-19 18:16:36
小池一夫 @koikekazuo

過去に名作と呼ばれる漫画は、その漫画が描かれた時代と作者の年齢が上手くマッチしている。良い作品とは、作者と時代がズレていないのだ。だから、若い制作者は、妙に老成すべきではない。自分の人生に一度しか訪れない、その時代の空気の中で、のびやかに才能を伸ばす事を意識するのだ。(小池一夫)

2012-06-21 15:02:37
小池一夫 @koikekazuo

そうやって描かれた作品は、逆に普遍性を持ち、後の時代に古びた作品となる事はない。古典となるのだ。(小池一夫)

2012-06-21 15:02:40
小池一夫 @koikekazuo

エロやバイオレンス等の表現は、物語を語る上で、あくまでも調味料である。愛を基調とした物語本体がしっかり描かれた上での味付けなのだ。エロ・バイオレンス・グロテスク・悲劇は、わかり易く瞬発力があるので、一瞬売れるのだが、創作に行き詰まった時、安易に手を出すと作品そのものが自壊する。

2012-06-23 20:46:35
小池一夫 @koikekazuo

面白い作品を作りたいと願うのなら、作者は、先ず、自分という人間を作らなければならない。架空の人生を描く為には、作者がリアルな人生を生きていなければいけないのだ。面白い作品の創作の核は、自分の中にある。そうやって描かれた作品の系譜は、作者自信の系譜に他ならない。(小池一夫)

2012-06-29 21:05:20
小池一夫 @koikekazuo

天才がサラッと描いた作品よりも、作者が才能ギリギリ最後の一片まで吐き出した作品に僕は感動する。作品の質としては前者の方が優れているのだが、人は後者に心を奪われたりする。鋭い刃に切られるよりも、鈍刀に切られた方が痛い。才能は勿論必要だが、才能が全てではない事に、創作の不思議を思う。

2012-07-02 13:33:46
小池一夫 @koikekazuo

描かれた作品を読ンでいて、一番興ざめなのは、「誰かの作品に似ている」という既視感である。上手く描かれていても、プロの作品としては、二流である。プロなら、誰かを真似るのではなく、完全に自分の表現になるまで、盗むのだ。(小池一夫) http://t.co/jT6N7nQJ

2012-07-14 16:32:57
小池一夫 @koikekazuo

創作というのは、要するに「自分の慰め」なンだよね。作品を創り上げるという行為に創作者自身が深く救われる。でも、プロとは、自己慰安の為だけではなく、他人の慰めになる作品を創る事なのだ。「自分の為に描く」と「他人にお金で買って貰える」のバランスが取れてこそ、プロなのだ。(小池一夫)

2012-07-19 18:00:10
小池一夫 @koikekazuo

こンな人生達観した高校生おるかーッ とか、連載は始まった時より世界情勢も科学技術も進みまくってるのに、作品の中ではわずか数年かッ、とかあまりにも長く連載を続けている漫画って作者自身と世界観と時代がずれている。それらが合致していないと、違和感が残り、物語世界に浸れない。(小池一夫)

2012-07-22 21:12:33
小池一夫 @koikekazuo

始まるべくして始まった物語は、終わるべくして終わったほうがいい。ヘンに長引かせるよりも、作品そのものが、高いレベルで古びない。せめて、前の巻の内容を覚えているうちに、次の話が読みたい。一読者として。(小池一夫) http://t.co/jT6N7nQJ

2012-07-22 21:12:39