戦史そして史料の等級について

歴史学クラスタによる史料とその利用の根本的な考えとは
18
@wdaimon

実は、宇喜多氏に関する一次史料は、腐るほどある。 しらが康義「宇喜多氏関係史料目録」(研究代表者・深谷克己編『岡山藩の支配方法と社会構造(一九九四・九五年度科学研究費補助金一般研究(B)研究成果報告書)』早稲田大学文学部、一九九六)を参照。→

2012-08-22 12:07:25
@wdaimon

実際のところ、二次史料の信憑性を確定することは、実に難しいところである。ある出来事について、二次史料と一次史料の記述が合致すれば、その部分は史実として認めてよいのであろう。ただし、そうした合致した部分があるからといって、その二次史料すべてが正確な史実を載せているとは言えない。→

2012-08-22 12:27:55
@wdaimon

→二次史料の中で一次史料と合致するのであれば、一次史料を用いれば事足りる。わざわざ二次史料を使う必要はない。しかし、二次史料にしかない記述を用いるのは、先ほど述べたように躊躇するところである。だから、多くの人は、論文で二次史料を用いないのである。そう教えられた。→

2012-08-22 12:30:53
@wdaimon

→しかし、二次史料の記述に関しては、知らないよりも、知っておくほうがよい。いろいろな情報を持っていることは、論文作成に益すると思う。

2012-08-22 12:31:53
@wdaimon

私は別に二次史料を使ってはいけない、と言っているのではない。使うのは自由だし、その論文を評価するのは自身でなく、第三者だからだ。ただ、私は使わないということだけだ。使わなくても書けるし、基本的に一次史料でわからないのであれば、執筆は断念することになると思う。

2012-08-22 12:34:31
@wdaimon

まあ、極言すれば、二次史料というのは、大麻や覚せい剤あるいは非合法ドラッグみたいなもので、使い出したら止まらなくなるのだ。

2012-08-22 15:31:13
@wdaimon

実は、『赤松氏研究会会報』に書いたのは、宇喜多氏と能楽に関するもの。短い内容ではあるが、関連史料はあるといえばある。さきほどの二次史料の話ではないが、「備前軍記」には秀家が猿楽に興じ、役者を養うため、奢侈に走ったというが、この点はおおむね妥当ではないかと思う。→

2012-08-22 18:50:59
神崎廉 @renkazero

やっぱり一次史料面白いなぁ

2012-08-24 00:04:27
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

鳥津さんの解釈は概ね妥当だが、問題は典拠史料だな。真田は関ヶ原本戦には参加していない。ただ、人物往来社の『関ヶ原合戦史料集』に所収されているからよく使われているのかな。あるいは、『日本戦史 関ヶ原役』に基づいて語られているか。いずれにせよ、前提となる数字については、要検討ですね。

2012-08-25 02:56:10
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

戦国時代の合戦の参加兵力はまずわかりません。同時代史料をみても、誇張されていることがほとんど。秀吉が動員かけた戦いなら、陣立て図や石高からの計算で分かりますが。だいたいは、陸軍参謀本部が『日本戦史』で、軍記やら太閤検地での石高を遡及させて算出した架空の数字が一人歩きしています。

2012-08-25 03:06:12
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

戦国時代の戦争の兵力はわからない。(一部例外はある)これを押さえておかないと、陸軍参謀本部『日本戦史』の枠組みを繰り返すことになる。同書は少数の兵力で大軍を打ち破りたいという軍部の願望が反映されており、史料批判が存在しない。これを手本に先の大戦を戦ったのだ。繰り返す意味はない。

2012-08-25 09:50:46
お菓子っ子 @sweets_street

【RT】「日本戦史」は当時の陸軍の「リソースが少ない我らが列強の軍隊(具体的にはロシア)と対抗するには、質とドクトリンの優越で勝負するしかない」「少数精鋭の奇襲で敵の大部隊を破るのが理想」という願望を理論的に裏付けるための恣意的な編纂がなされてますので、(続

2012-08-25 10:04:08
@momi_man

「陸軍戦史」は歴史書じゃなくて教科書なんであって、特殊技能である戦術、軍事学の数学の公式的に思考過程を学んだ将校たちに、実際の例をこれに適用するとこうなるよ、と示す例題を示すのが目的であって、歴史書のように正しくあることが必要かというとだいぶ性質が違うんだよ。発刊時(日露前)に

2012-08-25 10:08:12
お菓子っ子 @sweets_street

受)講談や軍記などの俗説も平気で採用しているご都合主義の産物なのですが、近代以前の戦争に関してまとまった最初の編纂物であるために、日本戦史における残念な俗説の出処になってしまっています。だから、鵜呑みにせずに丹念に検証しなきゃって話ですね。僕も鵜呑みにしがちなので自戒ですが

2012-08-25 10:08:31
@momi_man

日本軍が少数で大群を蹴散らすことばかり考えていた? 笑止にもほどがある。たといそういう例があったとしても、それは傭兵の妙で素直に称賛されるべきだろ、アレキサンダーにせよ。陸軍戦史の愚を繰り返す…、戦史は自分の任務を全うしたけど歴史家がなんも考えずに都合のいいとこ孫引きしただけだろ

2012-08-25 10:11:13
@momi_man

…歴史家がその資料(そも資料ですらないんだが)の前後関係、たち位置も考えずに批判するのをみたら、確かに日本の未来は暗いわなあ、少なくとも歴史業界は。

2012-08-25 10:13:04
@momi_man

歴史家のひとって、なんか講談戦記を読んで「俺は軍事を理解できる、簡単だ」って思ってる節があるよね。それで何を言うかと思えば当時の軍内部の個人批判とかそんなんばっか。それこそ戦国じゃねっつぅの。大学の頃から旧軍経験者と大学からずっとの人の著作のレベルが違うなぁと思っていたけど、

2012-08-25 10:17:31
@momi_man

日本では軍事史はこりゃ発展せんわ、つかイライラが増えるだけだからしなくていいや。やっぱり米英か旧軍の資料見るしかないのね

2012-08-25 10:18:33
お菓子っ子 @sweets_street

@momi_man 肯定的にRTした僕への批判でもあるのでしょうが、歴史屋は日本戦史に対しては「引用した過去の歴史屋のせいで迷惑した」「余計な仕事を増やしやがって」と恨み骨髄の立場ですので(;・∀・)

2012-08-25 10:20:45
@momi_man

@sweets_street え、あ、あー…申し訳ないけどそういうエスプリ効かす気はなかったというか、RTしていることすら認識してませんでしたよたはは(^o^;) 氏の発言は斜め上が多いので心のネタ要員としてフォローしてるのです 。まあ、歴史家の人は根本の「なぜそれを研究するの」

2012-08-25 10:26:03
@momi_man

@sweets_street を整理してる人が少ないでしょうから、こういった似て非なるものを理解できないんでしょう

2012-08-25 10:26:36
お菓子っ子 @sweets_street

@momi_man 僕もRTの後に「日本戦史」は歴史史料としては信用ならないとツイートしましたので、僕に向けられた批判でもあるかなと。当時の日本のリソースでは物量ではロシアに対抗し得ないのは明白で、質とドクトリンの優越で対抗する以外に無く、(続

2012-08-25 10:29:09
ryo @issengorin

「日本戦史」は戦史教科書としてもクソだからなぁ。このツイに対して「教科書だから事実と違っていて当然」とか「小勢で多勢に勝つのが用兵の妙」とか言っている人がいるようだけど、その時点で日本戦史と同じ誤りを反復してるんじゃないのかねぇ。

2012-08-25 10:29:34
ryo @issengorin

「日本戦史」がメッケル戦術学の悪しき継承例であることは、たしか大江さんの『日本の参謀本部』(中公新書)に指摘があったはず。はっきり言うと「戦略的観点がない」。メッケルはモルトケ戦略の要諦を伝えず、戦術面の小細工だけが重宝される体質が残ったというわけ。

2012-08-25 10:34:03
お菓子っ子 @sweets_street

@sweets_street @momi_man 受)幕末からの伝統があって、日清日露で実績をあげた歩兵の散兵的運用に活路を見出すのは軍事的には最善の選択であろうと思っています。それを教育課程で納得させるために奇襲戦の意義を強調した面はあるかなと感じています。(続

2012-08-25 10:35:18
1 ・・ 7 次へ