戦史そして史料の等級について

歴史学クラスタによる史料とその利用の根本的な考えとは
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お菓子っ子 @sweets_street

@sweets_street @momi_man 受)軍事教育の上では合理的であっても、その合理性が歴史研究者にとっては迷惑で、「軍事的には合理性があるが、歴史家には迷惑」まで踏み込める人間が少ない所に、日本における歴史研究と軍事研究の深い溝を感じます

2012-08-25 10:38:15
ryo @issengorin

むしろ戦史教科書だからこそ、事実に対して謙虚でなければならない。「日本戦史」のように願望で曲筆したり、奇策を持ち上げるような態度は、参謀教育としては最悪。

2012-08-25 10:39:07
@momi_man

@sweets_street 大学のときそこら辺になやんでカーとかよんだりしましたよ。まさしく歴史とはなにか、と考えて。ただ歴史学はあまりにhow-toであったり、捉え方についての考え方がに関する蓄積や議論がなく、それこそ前近代的、閉鎖的、進歩がないと感じます。同じものの他の

2012-08-25 10:41:58
@momi_man

使い方が肯定できない、そこで引っ掛かるんだ、とかいわれてもその人に対して「残念なやつだなこいつは」と思ってしまいますよね。それが業界一般に当てはまるなら、それはもはや宿痾なのではないでしょうかね

2012-08-25 10:43:22
@momi_man

んで、幕末からの経験的なものもあるでしょうが日本の場合地形的な面の影響が欧州、中国に比してあまりに大きいので、どうしても会戦も断続的小競り合い、奇襲上等になりやすいというのはあるとおもいます。大砲持ってても戦場に持ってけない、持ってっても山が邪魔で打てない。じゃあ火縄銃

2012-08-25 10:45:55
@momi_man

一杯の方が射程短くてもいいじゃんとなったり車がかりなんて戦法が生まれるのは独特ですね。ただ、それも日本という局地的な場面の傭兵だと知らないと、まあ知見はずれますよね

2012-08-25 10:47:27
お菓子っ子 @sweets_street

@momi_man 人間は立場と視点の奴隷ですので、それは仕方ないと思います。ある立場から見たら必要な方便であっても、別の立場では許しがたい嘘であるなんて普通にあること。皆が自分の立場で好きなことを言って、「必要な方便なんだ」「いや嘘だ」と言い合える環境があれば良いんですけどね

2012-08-25 10:50:20
@momi_man

ちょっとぶれました、要は、それは日本における戦史の特徴でしかない。世界戦史も学んでるはずです。それでぶっちゃけ戦史なんて教養的な癒し系課目なんで(少なくとも現代においては睡眠学習の時間の傾向ありw)、日本戦史の教育における地位はかなり低いものとなっていたはずです。

2012-08-25 10:52:28
@momi_man

ですから、日本戦史にこう書いてあるから日本軍はこう考えていたってのはだいぶかなり木を見て森を見ずというか、落ちてた枯れ枝から森を見ようとするような、荒唐無稽な振舞いと言って差し支えないと思います。教科書はあくまでツールでしかないので、それを使う教育課程の全体像を追わなければ。

2012-08-25 10:54:18
@NaoyaSugitani

この間まで卒論要旨を書いていた。その中で指導教官と話題になったのが史料の性格のお話だった。

2012-08-25 11:13:13
@NaoyaSugitani

簡単に言うと一次史料と二次史料の話。一次史料っていうのは当時の人の書いた日記や手紙、あるいはメモとかそういうもの。二次史料は、編纂されたもの。当時出版された本など。ただ問題なのは一次史料・二次史料の性格が変わることだよね。

2012-08-25 11:14:45
@NaoyaSugitani

例えば新聞は二次史料。もし仮に当時の政党や当時の地域の師団の様相を見たいと思った時、新聞を使う場合は新聞は二次史料。でも、新聞史をやろうと思うと、新聞は一次史料になる。このようにどの観点から見るかで、一次史料・二次史料という性格は変化する。そのことを踏まえておく必要がある。

2012-08-25 11:16:28
@NaoyaSugitani

政治史研究の中の政党史研究の場合、一次史料になるのは政党の機関誌。新聞は更にそれに補強を加えるという構図。これは軍事史や教育史など他の分野でも同じ。そこを分かってないと表面的な史料批判しかできない。史料の性格を掴むと同時にそれが何に当るのかは常に自覚的に、ということ。

2012-08-25 11:19:38
@momi_man

@NaoyaSugitani え、機関誌はそれこそ二次資料なのでは? 一次はその記事のもととなった党内の事務関係の書類、伝票、会計簿のたぐいでは。

2012-08-25 11:21:28
@NaoyaSugitani

@momi_man あ、すみません。説明が足りませんでしたね。何を見たいのかということが問題です。私の場合だと当時の地域と政党の関係を研究したいので、政党の地方政策や地方の視点が重要になる訳です。それを知り得る一次史料は機関誌です。伝票や書類は政党そのものを知る一次史料ですね。

2012-08-25 11:24:27
ryo @issengorin

さっきの続き。「日本戦史」の最大の問題は、当時の日本軍の戦史研究・教育が、自立せずに作戦・戦術に従属し、戦術思想のご都合主義による曲筆や、戦史教育の「居眠り科目」化を招いていたこと。戦史をこのような地位に置くことが、戦略・戦術研究にとって大きなダメージになるという認識がなかった。

2012-08-25 11:31:33
ryo @issengorin

そのような戦史教育の低水準を反映したのが、「日本戦史」の粗雑で戦術偏重な記述。「日本戦史」が事実を曲筆しているのは、日本軍そのものの体質の反映と捉えるべき。

2012-08-25 11:33:48
@wdaimon

未だに関ヶ原合戦や大阪の陣では、『日本戦史』はよく用いられている。しかし、史料出典もないので、使いづらいのは事実。そうだったのか。やはり駄本だったのか。勉強になる。ちなみに、拙著『大坂炎上』(角川学芸出版、9月刊行予定)では、一切用いなかった。

2012-08-25 11:41:47
お菓子っ子 @sweets_street

【RT】シュリーフェンプランって、まさに戦略的包囲殲滅を達成したいというドイツ参謀本部の願望を反映したダメな戦史研究の産物なんですけどね…。「ロシアとフランスが総動員をかけると同時に全戦力の大半でフランスに侵攻し、ロシアが総動員を完了するまでの二ヶ月以内に(続

2012-08-25 11:47:18
お菓子っ子 @sweets_street

受)ベルギーから侵攻した右翼がフランス国内をぐるりと回って、国境のフランス野戦軍主力を正面の左翼とともに包囲殲滅。しかる後に反転してロシア軍と戦う」という、「敵に作戦発動のイニシアチブを渡す上に、ベルギーを通ることで他国の反感を買って手にに回す可能性が高く、(続

2012-08-25 11:55:00
お菓子っ子 @sweets_street

受)しかも、左翼が機動を停止せずにフランス軍を撃破し続けることができるという前提でないと成立しない」という軍事的・政治的に不合理な作戦でして。戦史研究というジャンルは希望的観測が入り込みやすいのは、日本に限らず普遍的な現象だと思います。(続

2012-08-25 12:03:24
お菓子っ子 @sweets_street

受)かつて自国が戦った戦争で成功したドクトリンを戦史を引いて正当化し、時代が変わって通用しなくなったドクトリンに固執する理論的裏付けを与えることもあります。歴史研究から教訓を引き出そうとする試みに、希望的観測や成功体験の正当化という要素が入り込みやすいのは忘れてはいけないです(続

2012-08-25 12:07:12
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

ま、そういうこと RT @issengorin: 「日本戦史」は戦史教科書としてもクソだからなぁ。このツイに対して「教科書だから事実と違っていて当然」とか「小勢で多勢に勝つのが用兵の妙」とか言っている人がいるようだけど、その時点で日本戦史と同じ誤りを反復してるんじゃないのかねぇ。

2012-08-25 12:10:45
お菓子っ子 @sweets_street

受)だから、歴史を分析して何かに活かそうと思う時は、自分の分析に願望や自己正当化が入り込む可能性があることを認識した上で、どこまでが分析でどこからが願望かを常に問い続ける必要がありますね。未来を考える時に願望が、過去を分析する時には成功体験の正当化がどうしても入り込みますので(終

2012-08-25 12:12:57
ryo @issengorin

@sweets_street シュリーフェンプランについておっしゃることはもっともなのですが、「日本戦史」の場合、そういう戦略研究の材料にすらならない(する気がない)という点が、大江さんの議論のキモだと理解しています。

2012-08-25 12:13:13
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