小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない
- WEDGE_ONLINE
- 75066
- 0
- 82
- 166
「ハザードマップの想定」と、「過去の浸水範囲」、「今回の浸水範囲」を比べたマップ
記事の要約
岩手県釜石市では、市内の小中学生、ほぼ全員が津波の難を逃れた。多くの人たちは、これを「奇跡」と呼ぶ。しかし、そうではない。教育で子どもたちが身につけた対応力が「想定外」を乗り越えさせた。 http://t.co/qtzhZVCl 小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない/片田敏孝
2012-09-07 13:41:16鵜住居地区にある釜石東中学校。地震が起きると、壊れてしまった校内放送など聞かずとも、生徒たちは自主的に校庭を駆け抜け、「津波が来るぞ」と叫びながら避難所に移動。日頃から一緒に避難訓練を重ねていた、隣の鵜住居小学校の生徒たちも後に続いた。 http://t.co/4pG4X8I7
2012-09-07 13:44:27ところが、避難所の裏手は崖が崩れそうになっており、男子生徒がさらに高台へ移ることを提案し避難。その間、幼稚園児たちと遭遇。小学生の手を引き、ベビーカーを押して走った。間もなく避難所は波にさらわれ、間一髪で高台にたどり着き事なきを得た。 http://t.co/fCtYQ86G
2012-09-07 13:49:10ある小学6年の男児は2年の弟と自宅にいた。授業で見たVTRを思い出し、「逃げようよ」という弟をなだめ、自宅の3階に上り難を逃れた。既に自宅周辺は数十センチの水量、大人でも歩行困難なため、自分たちには無理と判断。彼らは、自ら身を守ったのだ。 http://t.co/Du2R45R1
2012-09-07 13:52:29自治体が作成したハザードマップでは津波が来ないと考えられていた避難所や高台地域も被害に遭った。まさに想定外の津波だった。だからこそ、ハードを進化させるのでなく、災害という不測の事態に住民がいかに対処するかというソフトの強化が必要。 http://t.co/HGViGQxP
2012-09-07 13:56:232003年、私は三陸地方の住民の防災意識を調査。全国的に見ればこのエリアの住民の津波に対する防災意識は高いとはいえ、危うさを感じた。それは、災害対策や堤防など社会資本が充実するほど、人間の意識が減退するという矛盾をはらんでいたからだ。 http://t.co/3gdjUi4Y
2012-09-07 13:59:06私はとある小学校を訪ね、管理職クラスの先生に防災教育の実施を提案したが、反応は冷ややかだった。英語授業や総合学習への対応に忙殺されて余裕がない、というのが理由。また、津波と関係のない内陸部出身の先生が多かったこともあり、危機感が薄かった。 http://t.co/2D9Lo1HZ
2012-09-07 14:01:58そこで当時の釜石市教育長に直接相談。教育長は昭和三陸大津波を経験していたことから、防災教育の必要性を理解してくれた。先生への教育が必要という結論に至り、平日の午後、全校を休校扱いにして、教諭向け防災講演会を実施する機会を与えてくれた。 http://t.co/YiXwqKCo
2012-09-07 14:05:20最初に行ったのは、子どもへのアンケート。「家に1人でいるとき大きな地震が発生、どうするか?」との質問に、「お母さんに電話」「親が帰って来るまで待つ」と書かれたアンケート。「お子さんは助かると思うか?」と添付し、帰って親に見せるよう指示。 http://t.co/Ft0feIhX
2012-09-07 14:13:06大人たちは、行政や防災インフラに頼ることで、前述したように油断していた。親の意識が変わらなければ、いくら学校で子どもに教えても効果は半減する。だから、「わが子のためなら」という親心に訴えようと考え、この試みは奏功した。 http://t.co/ALhNfuYm
2012-09-07 14:14:33授業では、津波に対するリアリティーを持つことを目的に、過去の津波の犠牲者4041人という数字、亡くなった方を遠目に写した白黒写真、さらに逃げる時間が早いほど死者が減少するというシミュレーション動画などを見せて視覚的に訴えた。 http://t.co/XaUoRyjM
2012-09-07 14:17:07子どもたちには、津波の恐ろしさや特徴だけでなく、実際に避難する際の注意点を教えた。具体的には、地図に自宅と通学路を書き入れ、避難場所に印をつけて、自分だけの津波避難場所マップを作成させた。 http://t.co/ZTqOYjD0 小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない
2012-09-07 14:19:06効果を高めるため、学習指導要領に定められたカリキュラムの中に津波防災教育を盛り込んだ。例えば算数や数学で、長さを測るとき津波の高さを実感させ、津波が家に到達する時間を計算させるなど。これは、新たに防災授業を立案する手間を省く狙いもあった。 http://t.co/pqx8o2BN
2012-09-07 14:50:28防災教育の総仕上げとして子どもや親に教えたことは、「ハザードマップを信じるな」ということ。最新の科学の知見を反映させた津波到達地点や、安全な場所が記されているが、これはシナリオにすぎない。最後は、自分で状況を判断し、行動することが大切。 http://t.co/BPdqg5cD
2012-09-07 14:53:28三陸地方の「津波てんでんこ」という昔話。地震があったら、てんでばらばらに避難し、一家全滅を防げという教訓。さらに一歩踏み込み、子どもには「自分は絶対に逃げると親に伝えなさい」と話し、親には「子どもを信頼してまず逃げてほしい」と伝えた。 http://t.co/u7BIqFBD
2012-09-07 14:56:47皆さんから寄せられたコメント
NHKは「奇跡」って番組テーマをかかげているけど、まったく奇跡じゃ無いことがWedgeの記事を読んだら分かる。 #NHK http://t.co/wsXXCR2g
2012-09-01 19:38:57子供達が自力で逃げた上に、より小さい子や老人も守ろうとしたんだ。ー小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力 WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/h32PPC9h
2012-09-05 10:35:55今日のNHKあさイチは,情報孤立という着眼点は面白かったのだけど,緊急地震速報の音を番組で流せないので,避難訓練の醍醐味がいまいち伝わってこなかったな.この訓練の詳細は,たとえば2011年4月のWEDGE( http://t.co/hIqZE2TE )をご覧ください(長文です).
2012-09-06 14:42:43奇跡は勝手に自動的には起こらない。ごくたまに神の手によって以外は。 / “小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力 WEDGE infinity(ウェッジ)” http://t.co/0nm442of
2012-09-07 13:08:06あの震災を目の当たりにして1年半を過ぎても、「想定外」であたふたしたり明後日のほうを向いて怒鳴ったりしている大人たちに捧げる。/ 小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力 WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/FTPE7BX7
2012-09-07 14:09:43