小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない

岩手県釜石市では、市内の小中学生、ほぼ全員が津波の難を逃れた。多くの人たちは、これを「奇跡」と呼ぶ。しかし、そうではない。教育で子どもたちが身につけた対応力が「想定外」を乗り越えさせた。 南海トラフ巨大地震の被害想定が出され、防災に対する関心が再び高まっています。2011年4月、片田敏孝教授によって書かれたこの記事を少しでも多くの方に読んでいただきたく、改めて記事の要約をまとめました。
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リンク WEDGE Infinity(ウェッジ) 小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 岩手県釜石市内の小中学生ほぼ全員が、このたびの震災で津波の難を逃れた。彼らは、いかにして防災意識と対応力を身につけたのだろうか。

「ハザードマップの想定」と、「過去の浸水範囲」、「今回の浸水範囲」を比べたマップ

記事の要約
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

岩手県釜石市では、市内の小中学生、ほぼ全員が津波の難を逃れた。多くの人たちは、これを「奇跡」と呼ぶ。しかし、そうではない。教育で子どもたちが身につけた対応力が「想定外」を乗り越えさせた。 http://t.co/qtzhZVCl 小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない/片田敏孝

2012-09-07 13:41:16
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

鵜住居地区にある釜石東中学校。地震が起きると、壊れてしまった校内放送など聞かずとも、生徒たちは自主的に校庭を駆け抜け、「津波が来るぞ」と叫びながら避難所に移動。日頃から一緒に避難訓練を重ねていた、隣の鵜住居小学校の生徒たちも後に続いた http://t.co/4pG4X8I7

2012-09-07 13:44:27
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

ところが、避難所の裏手は崖が崩れそうになっており、男子生徒がさらに高台へ移ることを提案し避難。その間、幼稚園児たちと遭遇。小学生の手を引き、ベビーカーを押して走った。間もなく避難所は波にさらわれ、間一髪で高台にたどり着き事なきを得た。 http://t.co/fCtYQ86G

2012-09-07 13:49:10
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

ある小学6年の男児は2年の弟と自宅にいた。授業で見たVTRを思い出し、「逃げようよ」という弟をなだめ、自宅の3階に上り難を逃れた。既に自宅周辺は数十センチの水量、大人でも歩行困難なため、自分たちには無理と判断。彼らは、自ら身を守ったのだ http://t.co/Du2R45R1

2012-09-07 13:52:29
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

自治体が作成したハザードマップでは津波が来ないと考えられていた避難所や高台地域も被害に遭った。まさに想定外の津波だった。だからこそ、ハードを進化させるのでなく、災害という不測の事態に住民がいかに対処するかというソフトの強化が必要。 http://t.co/HGViGQxP

2012-09-07 13:56:23
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

2003年、私は三陸地方の住民の防災意識を調査。全国的に見ればこのエリアの住民の津波に対する防災意識は高いとはいえ、危うさを感じた。それは、災害対策や堤防など社会資本が充実するほど、人間の意識が減退するという矛盾をはらんでいたからだ。 http://t.co/3gdjUi4Y

2012-09-07 13:59:06
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

私はとある小学校を訪ね、管理職クラスの先生に防災教育の実施を提案したが、反応は冷ややかだった。英語授業や総合学習への対応に忙殺されて余裕がない、というのが理由。また、津波と関係のない内陸部出身の先生が多かったこともあり、危機感が薄かった。 http://t.co/2D9Lo1HZ

2012-09-07 14:01:58
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

そこで当時の釜石市教育長に直接相談。教育長は昭和三陸大津波を経験していたことから、防災教育の必要性を理解してくれた。先生への教育が必要という結論に至り、平日の午後、全校を休校扱いにして、教諭向け防災講演会を実施する機会を与えてくれた。 http://t.co/YiXwqKCo

2012-09-07 14:05:20
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

最初に行ったのは、子どもへのアンケート。「家に1人でいるとき大きな地震が発生、どうするか?」との質問に、「お母さんに電話」「親が帰って来るまで待つ」と書かれたアンケート。「お子さんは助かると思うか?」と添付し、帰って親に見せるよう指示。 http://t.co/Ft0feIhX

2012-09-07 14:13:06
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

大人たちは、行政や防災インフラに頼ることで、前述したように油断していた。親の意識が変わらなければ、いくら学校で子どもに教えても効果は半減する。だから、「わが子のためなら」という親心に訴えようと考え、この試みは奏功した。 http://t.co/ALhNfuYm

2012-09-07 14:14:33
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

授業では、津波に対するリアリティーを持つことを目的に、過去の津波の犠牲者4041人という数字、亡くなった方を遠目に写した白黒写真、さらに逃げる時間が早いほど死者が減少するというシミュレーション動画などを見せて視覚的に訴えた。 http://t.co/XaUoRyjM

2012-09-07 14:17:07
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

子どもたちには、津波の恐ろしさや特徴だけでなく、実際に避難する際の注意点を教えた。具体的には、地図に自宅と通学路を書き入れ、避難場所に印をつけて、自分だけの津波避難場所マップを作成させた。 http://t.co/ZTqOYjD0 小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない

2012-09-07 14:19:06
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

効果を高めるため、学習指導要領に定められたカリキュラムの中に津波防災教育を盛り込んだ。例えば算数や数学で、長さを測るとき津波の高さを実感させ、津波が家に到達する時間を計算させるなど。これは、新たに防災授業を立案する手間を省く狙いもあった。 http://t.co/pqx8o2BN

2012-09-07 14:50:28
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

防災教育の総仕上げとして子どもや親に教えたことは、「ハザードマップを信じるな」ということ。最新の科学の知見を反映させた津波到達地点や、安全な場所が記されているが、これはシナリオにすぎない。最後は、自分で状況を判断し、行動することが大切。 http://t.co/BPdqg5cD

2012-09-07 14:53:28
ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity

三陸地方の「津波てんでんこ」という昔話。地震があったら、てんでばらばらに避難し、一家全滅を防げという教訓。さらに一歩踏み込み、子どもには「自分は絶対に逃げると親に伝えなさい」と話し、親には「子どもを信頼してまず逃げてほしい」と伝えた。 http://t.co/u7BIqFBD

2012-09-07 14:56:47
皆さんから寄せられたコメント
Kazuyoshi Kitano @kaz_kitano

NHKは「奇跡」って番組テーマをかかげているけど、まったく奇跡じゃ無いことがWedgeの記事を読んだら分かる。 #NHK http://t.co/wsXXCR2g

2012-09-01 19:38:57
津田 正之 @Pacer150

子供達が自力で逃げた上に、より小さい子や老人も守ろうとしたんだ。ー小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力 WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/h32PPC9h

2012-09-05 10:35:55
大木聖子 @toko311

今日のNHKあさイチは,情報孤立という着眼点は面白かったのだけど,緊急地震速報の音を番組で流せないので,避難訓練の醍醐味がいまいち伝わってこなかったな.この訓練の詳細は,たとえば2011年4月のWEDGEhttp://t.co/hIqZE2TEをご覧ください(長文です).

2012-09-06 14:42:43
PAKU♉抗癌剤中%いのちだいじに @PAKU

奇跡は勝手に自動的には起こらない。ごくたまに神の手によって以外は。 / “小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力 WEDGE infinity(ウェッジ)” http://t.co/0nm442of

2012-09-07 13:08:06
MLS @GMT0100

あの震災を目の当たりにして1年半を過ぎても、「想定外」であたふたしたり明後日のほうを向いて怒鳴ったりしている大人たちに捧げる。/ 小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力 WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/FTPE7BX7

2012-09-07 14:09:43
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コメント

ykengo @yuukikengo644 2012年9月7日
これはすごい。大人もこの授業を受けたほうがいいんじゃないのか
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arabiannightbreed @a_nightbreed 2012年9月7日
これは素晴らしい教育と訓練。でも、どうして、堤防が津波に対して有効だった土地の話を取り上げないのかしら?未だに公共工事悪玉論から離れられない?/大震災を振り返る http://togetter.com/li/268686
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S-N曲線@2.0.2.0. @ilovedx3 2012年9月7日
この結果からソフトのみの強化に走るのは愚の骨頂。重要なのはソフトとハードを如何に連携させるか。ソフト依存だけでは行き着くところは旧軍だ。
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ハワード・P(探索者見習い) @Howard_P_L 2012年9月7日
只<日頃の訓練の有用性はわかるし効果はあった。しかし訓練だけではなく防災設備等ハードウェアのほうも重要だろう。
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ウェッジ編集部 @WEDGE_Infinity 2012年9月7日
まとめでは省略してしまいましたが、筆者は決してハードを否定しているわけではございません。ただ、ハードでの対応には限界があるため、ソフトの強化も必要ということです。詳しくは本文をご覧ください。 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1312
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川本幸作 @kaspart_j 2012年9月7日
本文には双方の強化必須ってありますね。まさしくその通りだなぁ。しかし、これを実施させた意志の方に敬服します。予算も時間もかかることなので、合理的()な概念なら動かすのに多大な力が入用だったかと。その重い石を動かした、力が「人間のしごと」であることに感銘を受けますし、そうありたいとも願うところです。
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neologcutter @neologcuter 2012年9月7日
マスコミが旧軍体質なのだろう。「欲しがりません電力は」「進め一億脱原発」こんな感じですもん。 http://twitpic.com/ae5q9h
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くりあ/CLEA-R-NOT-3 @Clearnote_moe 2012年9月7日
NHKの番組では、子供の一人が「みんなは奇跡というけど、自分たちの力で成し遂げたことだから、実績だ」と言ってましたね。本当にそうだと思う。また、番組をみてて思ったのは、避難訓練に「参加した子供たち」と「監督/見守ってた大人たち」の温度差もあったように感じた。
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Nikita/美奈 @Nikita_J 2012年9月8日
陸前高田出身の友人から、去年の発災以前に何度津波災害の激甚さを聞いた事か。三陸の人間の防災意識は他地域とは全然違う。それを人に伝えなくてはいけないという意識も体に染み付いている。全国的にあのレベルにする事を本気で考える時。
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@shouske 2012年9月8日
十年ほど前に三陸の町で「最近は津波の事を考えずに防波堤より海側に家を建てる人もいるんだ」そんな話を聞いた。一番怖いのは忘却なんだろうな。
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三十郎 @sanjuro2 2012年9月8日
静岡の地震訓練もそうだけど、小さい時から繰り返し刷り込むってのは大事なんですなぁ。ソフトウェアが仕組みとしてよく出来ていても、理解できなければ実運用でコケる
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はふ @hafucco 2012年9月8日
「お子さんは助かると思うか?」という問題提起から話を進めていく、これはいいよね。 災害対策が「起こりもしない事への形だけの対応」になりがちなのは、危機意識というソフトの欠如なんだと思う。
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二夜@FF14&FF11 @Taka_Takaz 2012年9月8日
これ、防災教育ということだけど片田 敏孝氏の名前が一切出てこない。それに、三原則が明示的に書いてない、どうも中途半端なツイートに見える
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大矢直子/OYA Naoko(ぱたら) @simaneko_patara 2012年9月9日
紛らわしさを避けるため、ウェッジ編集部( @WEDGE_Infinity )さんは、元記事の執筆者である片田敏孝氏の名前を全ツイートに入れるべきだったと思います。
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大矢直子/OYA Naoko(ぱたら) @simaneko_patara 2012年9月9日
記事へリンクを張るだけでは、結果的に不十分なできばえになっています。紛らわしいですよ、誰の実践を書いているのか、誰の意見を書いているのか。 @WEDGE_Infinity
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おいちゃん @semispatha 2012年9月10日
「みんなは奇跡というけど、自分たちの力で成し遂げたことだから、実績だ」と自分の言葉で言えた子は、俺より大人だよなあ。
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you-me @youme2525 2012年9月11日
過去の再現情報と「いま」の限りある主観的情報を統合して実現された結果は、オリジナルの実績と見ていい。
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かんばら @k_riez 2012年9月11日
先日NHK(クロ現だったかNスペだったか不明)でもやっていたけれど、子供は怖がるので当然といえば当然です。たとえば子供の頃、震度2や3の地震でも机の下に隠れたりしませんでしたか? 大人になったら例え震度4でも避難をしない人が多いですよね。危機に慣れていない子供だからこそ大げさにとらえて、津波から逃げることができたと言えます。水害に関しては子供の頃からよく聞かされるので、どう逃げたら良いというのも教わっているからだと思います。
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じゃりねこは力をためている @jyaricat 2012年9月11日
静岡出身の友達の話。「防災訓練(地震避難)? 毎月やったよ、幼稚園から高校までずーっと。地震発生したらすぐに机に隠れて、収まった、と放送が入ったら三分以内に校舎から全員退避。校長先生がメガホン握ってて、一秒でも遅れた生徒がいると『はい、そことそこの君は死にました!』って言われて全校生徒全員やり直し。そのときはマジだりーと思ったけど、今では感謝してる。体が勝手に動く」と。
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ミィム@糖質制限中 @happylab 2012年9月12日
大人が忘れてることってちょっと多すぎるよね。
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りょ @yumeyabou 2012年9月14日
「想定外」と「奇跡」って表裏一体。同じ思考(論理・心理)を、別の結果にあてはめて使ってるだけなんですね。
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ななし~ず(普通免許取得、三年半経過♪) @nonames74 2012年11月3日
関連する話でいうと、 http://www.youtube.com/watch?v=0VTGY4KKpFA 「さいとう製菓」の社内において、社長自ら手持ちのカメラで地震の様子を撮影しながら社員にさかんに避難を促すこの動画が印象的。平時から相当防災意識が高くないと(社員ともども)この行動は取れないだろう。
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リケリケ @Rike_rike 2013年2月2日
NHKのみならずアンビリバボーとかの感動を誘うためのドキュメンタリーでも言えることだが、 本当の「奇跡」って言っていいのはこういうことなんじゃないのかな。 http://rate.livedoor.biz/archives/16172673.html
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ネヨ筑摩屋松坊堂 @chikumaya 2015年5月8日
この先生,学士会会報にも同じ話書いてた
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