「キョート・ヘル・オン・アース」急「ラスト・スキャッティング・サーフィス」#9
「イヤーッ!」ロードは落下させた超自然タタミを、間合いを取ったニンジャスレイヤーめがけて蹴る!壁めいて飛来する超自然タタミをニンジャスレイヤーは側転回避!スリケンを投擲!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ロードはコマめいたキリモミ回転でスリケンを躱しながら接近、回し蹴りを放つ! 73
2012-09-11 01:14:14「イヤーッ!」今度はニンジャスレイヤーが回避が間に合わぬ!彼は腕を上げて蹴り足を受けた。重い!「ヌウーッ!」ガードが開いた。そこへ叩き込まれるヤリめいたサイドキック!喉下に命中!「グワーッ!」ニンジャスレイヤーは吹き飛び、カワラをウケミした。落下地点にアンコクトンが降る! 74
2012-09-11 01:19:11「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは咄嗟にこれをワーム・ムーブメントで側面回避し、転がりながらスリケンを四連続投擲!ロードは天高く回転ジャンプしてこれを回避!落下しながらのカワラ割りパンチをまさにカワラ上のニンジャスレイヤーめがけ撃ち下ろす!「イヤーッ!」KRAAAASH! 75
2012-09-11 01:21:09複数枚のカワラが宙を舞った。ニンジャスレイヤーは転がってこの恐るべき破壊攻撃を回避すると、起き上がって、宙に舞ったカワラを間にロードと向かい合った。二者は手近のカワラを次々に殴りつける!「イヤーッ!」「イヤーッ!」互いめがけて射出されるカワラ弾丸!「イヤーッ!」「イヤーッ!」76
2012-09-11 01:24:29カワラ同士が互いにぶつかり合い、次々に空中で粉砕!全てのカワラが粉砕消滅した瞬間、ロードは懐に潜り込み、再び掌打を当てた!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーの身体は後ろへ押され震動した。これはチャドー暗殺拳の秘技!掌打の蓄積ダメージを拡散する専用防御技術だ!77
2012-09-11 01:29:17だが!「今の一打は深く通った」ロードは優雅にカラテを構え直す。「グワーッ!」ニンジャスレイヤーが不可視の鞭で激しく打たれたように苦悶!そこへ襲い来る踏み込みながらの激烈なフック!「イヤーッ!」「グワーッ!」ニンジャスレイヤーを直撃!さらに回し蹴り!「イヤーッ!」「グワーッ!」78
2012-09-11 01:32:21BOOOM!BOOOOM!城が震動を繰り返し、下方では崩壊めいた轟音がこの天守閣屋根にまで届いて来る。BOOOOOM!黒い蛇が躍り上がった。キョート城のホンマルの堀以西に亀裂が生じ、ついにバラバラに砕けて遙か下のガイオンへ降り始めた。ホウリュウ・テンプル!史跡がもうダメだ! 79
2012-09-11 01:36:11「グワーッ……」苦悶するニンジャスレイヤーめがけ、ロードはゆっくり歩きながら超自然タタミギロチンを召喚、落下させる。ニンジャスレイヤーは咄嗟に跳ね起きこれを回避!回避先の頭上にも新たな超自然タタミ!再び落下!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは側転回避、そのままバックフリップ!80
2012-09-11 01:39:30「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」空中からスリケンを連続投擲!ロードはそれらを素早い右手動作で全て受け流してしまった。しかもニンジャスレイヤーの落下地点を見よ!ボックス状に発生した四枚のタタミだ!罠だ!ニンジャスレイヤーはその中へ着地するしかない!「ヌゥーッ!」 81
2012-09-11 01:42:04そして五枚目のタタミが上を塞ぐ!「モスキート・ダイビング・トゥ・ベイルファイアな」ロードはタタミの前に立ち、掌打を叩きつけた!「イヤーッ!」「グワーッ!」ナ、ナムサン!なんたる回避不能非道打撃か!四方と頭上を電話ボックスめいて塞がれ、回避手段が奪われたところへ衝撃波攻撃だ!82
2012-09-11 01:47:28「イヤーッ!」「グワーッ!」中から聴こえるくぐもった呻き声!「イヤーッ!」「グワーッ!」またしても!「イヤーッ!」「グワーッ!」回避手段無し!「イヤーッ!」「グワーッ!」アナヤ!これではジリー・プアー(徐々に不利)どころの話ではない……実際死ぬ!「イヤーッ!」「グワーッ!」 83
2012-09-11 01:51:23ズシッ……ズシッ……ズシッ……ズシッ……ロードは粛々と、粛々と掌打を打ち込み続けた。これは処刑である。どんなニンジャであろうと、死ぬまで打撃を打ち込み続ければ、死ぬ。84
2012-09-11 01:56:52彼のジゴクめいた攻撃の周囲ではアンコクトンが飛び回り、城を破壊し続ける。だがニンジャ真鍮の骨組みや底部の動力装置、琥珀ニンジャ像装置など、クリティカルな機構を壊す事など到底できはしない。それらが無事であれば、所詮どうでもよいことだ。 85
2012-09-11 02:00:08ズシッ……ズシッ……ズシッ……ズシズシッ。「?」ロードは己の掌に不可解な痺れを感じ取った。だが彼は処刑の手を緩めはしない。ズシズシッ。「……?」またしてもだ。ロードはカラテを構え直し、再び掌打を叩き込んだ。ズズシシッ、「ヌウッ!?」ロードは後ずさった。「これは?」 86
2012-09-11 02:03:40ロードはある可能性に思い至る。内側から、打ち返しているというのか?衝撃を相殺し、むしろこちらへ……返す?「コシャク」ロードは再び踏み込んだ。攻撃の手、緩めるべからず!「イヤーッ!」「イヤーッ!」内側からニンジャスレイヤーの叫び!「グワーッ!?」タタミが震え、ロードが弾かれた!87
2012-09-11 02:06:20「ヌウウーッ!」ロードは踏みとどまり、さらなる掌打を繰り出す!だが「イヤーッ!」「グワーッ!」再びタタミが衝撃をロードへフィードバック!ロードは仰向けに倒され、カワラにウケミして起き上がった。「バカな……」「イヤーッ!」SMASH!ロードめがけ、そのタタミが射出された! 88
2012-09-11 02:08:34「グワーッ!?」ロードは射出されたタタミを壁めいて受け、再び打ち倒された!ゴウランガ!崩されたタタミ封印の中から決断的に歩み出てくるのはニンジャスレイヤーだ!ニンジャスレイヤーは何をしていたのか?タタミの反対側から全く同じタイミングで打撃を加え、衝撃波を跳ね返したのだ! 89
2012-09-11 02:10:53チャドー!フーリンカザン!そしてチャドー!ニンジャスレイヤーはタタミの外のニンジャソウルの動きを極度の精神集中によって読み取り、反撃タイミングを同期させてみせた!「何故、かような打開策を……」ロードは思わず呻いた。ニンジャスレイヤーは言い捨てた。「状況判断だ」90
2012-09-11 02:14:52「おのれニンジャスレイヤー=サン」ロードは後ずさり、片手のカラテを構え直した。「おのれ、路傍の石に過ぎず、所詮はこの日の為の我が装置にすぎぬお前が、こうまで牙を剥くとは……こうまでも……」「……」ニンジャスレイヤーはツカツカと接近する。ロードは激昂した。「私は創造主であるぞ」91
2012-09-11 02:19:12歩きながら、ニンジャスレイヤーはひととき、目を閉じた。(((力を。やり遂げる力を。フユコ。トチノキ。やり遂げる力を。成し遂げる力を)))「イヤーッ!」ロードは踏み込んだ。狙い澄ました、渦を巻くような捻りを加えた暗殺掌打だ!ニンジャスレイヤーは目を見開く! 92
2012-09-11 02:24:04「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは水の流れのように自然に、一切の淀み無く、回転しながらロードのワン・インチ距離に滑り込んだ。ニンジャスレイヤーはそのまま回転し続ける。ロードは己の掌打が躱されていた事にその時気づいた。ニンジャスレイヤーは回転し続ける。何かが来る。93
2012-09-11 02:26:25何が来る?何をすべきか?今インターラプトすべきか?だがそれよりも早いカウンター打撃が来れば終いだ。ロードは逡巡した。逡巡。ソガ・ニンジャの憑依者、ショーグン・オーヴァーロードの直系、レジェンドヤクザ・ドゴジマ・ゼイモンたる彼が、逡巡している。呑まれている。気圧されている。 94
2012-09-11 02:28:17いつだ。いつこの……いつ、この振り上げた再度の掌打を繰り出し、インターラプトすべきか。失敗は許されない。許されない?なぜだ。なぜこうも圧されている。路傍の石に。(((此奴などよりも重い宿命を背負い、支配者としての力と責任を歴史に託されたこの私がこのような))) パ ァ ン 95
2012-09-11 02:32:25奇妙な破裂音が響き渡った。ニンジャスレイヤーはロードを飛び越し、両手を広げて上空にいた。十字のシルエットはそのままクルクルと回転し、ロードの背後に着地した。……右足首に蹴り。脇腹に拳。跳びながら肩に肘。側頭部に蹴り。打撃は一瞬のうちに四度。チャドー奥義。アラシノケン。96
2012-09-11 02:37:23「アバーッ!」ドウドウドウドウ!ロード・オブ・ザイバツの身体が激烈に痙攣し、のけぞり、吹き飛んだ。白金のキツネオメーンが粉々に砕け、ドゴジマの素顔があらわになった。耳、鼻、口から血を噴き、膝から崩れ落ちた。「……これが路傍の石だ。何某とやら」ニンジャスレイヤーは言い捨てた。 97
2012-09-11 02:45:15