#勝義方便メモ No.6

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川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

26)六波羅蜜行が、無所縁の三輪清浄・三輪空寂の智慧を伴うことを前提としての実践において福徳を資糧することができると考えれば、勝義菩提心が六波羅蜜行の前提となり、それらの実践におけるある程度のレベルの空性の習修が前段階において必要になるのではないかと思われます。 #勝義方便メモ

2012-11-09 16:09:37
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

27)チャンドラキールティ大師は、波羅蜜行に関して、空性了解の智慧、無所縁の三輪清浄・三輪空寂の智慧を前提としていない、また伴っていない波羅蜜行は、明確に世間・世俗の域におけるものであるとして、真なる波羅蜜行ではないと否定しているように思える次第であります。 #勝義方便メモ

2012-11-11 15:48:36
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

28)波羅蜜行が空性了解の智慧、無所縁の三輪清浄・三輪空寂の智慧を前提とし、仮に出世間・勝義の波羅蜜行としてでしか真なる福徳を資糧することができないとするならば、波羅蜜行の実践に先んじて空性を(現量)了解しておくことが求められてくることとなります。 #勝義方便メモ

2012-11-12 08:11:58
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

29)波羅蜜行の実践に先んじて空性を(現量)了解せねばならないとなれば、方法論としては、結局のところ「密教」の儀軌により灌頂を授かり、確かなる空性との一体化を図ることによって、空性了解を果たした上においての波羅蜜行の実践による福徳資糧が望まれることとなります。 #勝義方便メモ

2012-11-12 08:18:48
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

30)インド仏教が中期・後期において「密教」を開発・受容していくに到るところは、ヒンドゥー教など外教との勢力争いとは別に、純粋に確かなる空性と速やかなる一体化を図るための方法論を開発していくためという主眼があったのではないかと考えることができます。 #勝義方便メモ

2012-11-12 08:31:05
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

31)中観思想が、やがて密教思想を受容していく経過においても、純粋に確かなる空性との速やかなる一体化、速やかなる空性現量了解を図ることでの慈悲・利他・善徳行の実践が、確かなる福徳資糧を積むことになるという結論に到ったからなのかもしれません。 #勝義方便メモ

2012-11-12 08:41:33
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

32)「入中論」全訳 http://t.co/KEtryQis 精読中ながら、月称大師の伝えんとするところを拙生なりに感じますのは、確かなる福徳資糧を積むためには、空性を真に了解した上で慈悲・利他・善徳行の実践をせねばならないと述べられているように存じ上げます。 #勝義方便メモ

2012-11-12 08:50:53
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

33)もちろん、空性了解が完全ではないままにおける世俗・世間的な慈悲・利他・善徳行の実践が、真なる福徳資糧とはならず、全くの無駄であるのかどうかということはまた別に考える必要があります。無駄と先で気づくための実践と考えれば、それはそれで無駄ではないとも思えますが。 #勝義方便メモ

2012-11-12 10:39:19
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

34)また、無駄な資糧を積むだけでは貴重な時間を無駄にすることを哀れみて、如来は慈悲により「密教」をお説きになられたのではないかと考えることもできます。空性了解までに例えば三阿僧祇劫もかかるとなればどれほどの無駄を積み上げなければならないのかとなるからであります。 #勝義方便メモ

2012-11-12 10:52:17
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

35)顕教における空思想哲学の最高峰・中観帰謬論証派。空性了解へ向け精緻を極めた議論の極致の先にて「密教」と結びついたのは、ある意味で必然といえるのかもしれません。しかし、それが安易な結びつきであれば、即座に慢心・驕傲・邪見を起こして堕落してしまうことになります。 #勝義方便メモ

2012-11-15 14:49:30
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

36)空性を世俗において何らか示すには、無分別・離戯論・言語道断・不可説・不可得といった表現を用いざるを得ないのは確かであります。そのため世俗を超えた密教的儀軌を頼りに空性了解の現体験を繰り返し修習し、やがて後退のない境地を目指すことが必要となるわけであります。 #勝義方便メモ

2012-11-15 15:02:41
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

37)密教的儀軌による空性了解の現体験修習の中、無所縁の三輪清浄・三輪空寂の境地にて福徳を資糧するための波羅蜜行、慈悲・利他・善徳行を実践することが、所知障断滅に有効になるかもしれませんが、この場合、煩悩障断滅はどうなるのかは考えなければならないところであります。 #勝義方便メモ

2012-11-15 15:14:56
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

38)煩悩障を断滅せずには所知障の断滅に取り組めないというのが基本的な流れであるならば、いくら密教的儀軌による空性了解の現体験修習の中で無所縁の三輪清浄・三輪空寂の境地にて福徳を資糧しても、煩悩障を断滅していない限りは、所知障の断滅は不可能なこととなります。 #勝義方便メモ

2012-11-15 15:22:48
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

39)そうであるならば、密教へ入るためには、その前提として煩悩障の断滅が既に終わっている状態が求められることとなります。もしもそうではなくて、煩悩障と所知障の両方を平行して断滅させていくということであるならば、それはそれで説明ができるのかもしれませんが・・ #勝義方便メモ

2012-11-15 15:29:14
川口英俊@往生院六萬寺@副住職@仏教 @hide1125

40)また、煩悩障と所知障の両方を平行して断滅させていくことができないとなりますと、密教においても段階として、煩悩障断滅への儀軌→所知障断滅への儀軌と明確に分かれていると考えることができます。そのあたりにつきましては、いまだ不勉強で分からないところではあります。 #勝義方便メモ

2012-11-15 15:37:22