ケインズ『一般理論』を読む2

ケインズ『一般理論』の原文を読みながら訳すとう訳読の際に気づいた感想、山形浩生氏の翻訳にも言及しています。6月21日以前のものをURLから追加しました。
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Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

Supplementary costはPrime cost の対義語であるとするなら。主要費用に対して補足費用と訳せる。

2012-05-27 16:44:25
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

Supplementary costが消費に与える心理的影響という意味を考えると「追加費用」と訳したほうが、ぴったりくる。あとどれだけ余計に経費を追加する必要があるかを考慮しないと、安心して消費にまわせない。

2012-05-27 17:40:50
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』「名目賃金が変わったら、・・・、限 界費用自体は変わらないと主張するのが筋です」(p9)は直前の「名目賃金が限界原価(限界主要費用)を大きく左右する」とも「価格というのがお金で測った限界原価 で決まる」とも矛盾している。誤訳ではないか。

2012-05-29 20:03:38
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』p9「労働者は完全雇用に対応した実質賃金、つまりある実質賃金で可能な最大の雇用量をいつも決められる」。「実質賃金で可能な最大の雇用量」は「完全雇用」の同格だろう。ここも怪しい。

2012-05-29 20:40:42
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』p8(ただ しその賃金で喜んで働く雇用量は決められませんが)とp9「(労働者は)ある実質賃金で可能な最大の雇用量をいつも決められる」(i.e.以下を完全雇用の同格ではなくdetermineの目的とした)は矛盾するのでは。

2012-05-30 13:28:43
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』(p9)「限 界費用自体は変わらないと主張するのが筋です」はthe ... of marginal cost which have been left unaltered.のwhichの先行詞をmarginal cost だとする苦心の訳だが・・。

2012-05-30 13:50:03
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』「彼らは名目賃金の削減には抵抗します。そうした削減が万人に等しく生じることは、ほぼ確実あり得ません。」この訳では、抵抗したお陰で削減が万人に生ずることはないと読めるが、原文は「殆ど或いは決してオールラウンドでないような削減でも抵抗する」⇒「小規模な削減でも」

2012-05-30 15:23:26
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

サムエルソン『経済学』の、労働供給曲線における代替効果と所得効果の説明は、余暇と消費が代替であることが書いてないのでわかりにくい。

2012-05-31 00:29:57
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

伊東光晴『現代経済学辞典』 user-cost 「使用費用」で「使用者費用」は誤訳と明記してある。erは人を表さないと。山形浩生氏は「利用者費用」と訳しているが、この辞書を使っていないのではないか。

2012-06-02 23:13:30
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

伊東光晴『現代経済学事典』の「使用費用」(user-cost)にuserのerは人を表すのではなく「反復」を表すと。だから、「使用者費用」は誤訳だとある。

2012-06-03 22:41:22
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』で訳注「ケインズは本書で、生産要素として労働しか考えていない。」とあるが、その後でother factors of productionという表現があり、これも労働者のことだから、労働者以外の生産要素(=資本家の設備)も考えていることになるのでは。

2012-06-05 17:36:53
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ケインズの『一般理論』の第一篇序論では、古典派経済学の労働の公理のうちの二つ目の方は、労働供給量を決める公理とされているが、実際には労働の最大供給量を決めるものでしかなく、実際の供給量は別のもので決まる、というのが趣旨。(一つ目の公理、労働需要公理は正しい)

2012-06-06 17:37:29
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ケインズ『一般理論』序論、第二公理「実質賃金は労働の限界不効用に等しい」。その実質賃金のもとでの労働供給量が現実の供給量であると古典派経済学はいう。だが、その公理は完全雇用である労働供給の最大値にあてはまるだけで、現実には完全雇用には滅多にならないから、正確ではないと。

2012-06-06 18:10:40
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』p15注3「利用者費用はもちろん、産業の統合度合いや事業者同士がお互いにどれだけ売買する かの両方に依存するので、こうした要素とは独立に、利用者費用を含む形で購入者が支払う代金を定義することはできないのです」「こうした要素」が何をさすか不明。

2012-06-06 20:33:34
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』p15注3「こうした要素」は原文を見ると、どうも「利用者費用」を言い換えたものらしい。すると、この訳では「利用者費用とは独立に、利用者費用を含む形で」という意味になってしまう。

2012-06-06 20:36:17
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形訳『一般理論』p16注4売り上げ予想という・のは、ある単一の収益予想ではありますが、それはその事業者がもし確信を持って心に抱いていた場合に、決断を実際に下すときの予想の状態を実際に構成する、漠然とした多様な可能性の束と同じような行動をもたらすはずの予想、という意味なのです。

2012-06-06 21:22:12
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

私訳「わたしが言う経営者の売上の期待とは、彼が決断するときにそれが確信を伴う場合であろうと、実際に予想される状況がもっと多様な可能性の集まりで漠然としている場合であろうと、同じ行動に導くようなものである。」

2012-06-06 21:30:25
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』p25「個別の事例ではすべて、」がOn every particular occasionの訳。「いかなる場合においても」(塩野谷祐一訳)の方がはるかにいい。山形先生はかなり急いで訳したものを、口語体にしたんだね。先訳を仔細に検討していないようだ。

2012-06-07 13:23:42
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』、そのあとの「そして需要増加の期待、つまり総需要関数増加の期待が」とあるが、関数増加とは何を意味するのか。原文はa raising of the aggregate demand function 塩野谷祐一は「関数の上昇」と訳している。

2012-06-07 13:57:19
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ケインズの『一般理論』にhomogeneousという言葉が出てくる。これは数量的計測可能性を言う時に出てくるので、数学用語の「同時性」ではないか。変数をk倍すると関数値もk倍になるというやつ。

2012-06-07 14:59:44
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ケインズは『一般理論』でlegitimateという単語を合理的なとか単に正しいとか正確という意味で使っているらしい。合法的じゃなく。

2012-06-07 15:38:28
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳『一般理論』p31注4「価格が下がる前や売れ行き面での失望より以前で決めた投入と在庫蓄積は」input and <employment are influenced by the>accumulation of stocks before ・テキスト脱落に気づいてない

2012-06-09 20:00:54
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ご自由に。その考えを国の財政赤字とごっちゃにしないでくださいね。国の財政と家計は違います。@matsumotot68 私が絶対にやりたくないのは、子供や孫達に大きな借金を残す事です。

2012-06-09 20:10:46
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

経済とは富の蓄積だと未だに考えている人が沢山いる。そうじゃないんだ経済とは労働なんだとアダム・スミスが言い出したんだな。

2012-06-09 20:37:38
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

家計なら貯金は大事だが、経済では富の蓄積の逆である借金は気にしなくていいんだと。労働がなくなることが一番恐ろしいのだ。

2012-06-09 20:38:40
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