ケインズ『一般理論』を読む2

ケインズ『一般理論』の原文を読みながら訳すとう訳読の際に気づいた感想、山形浩生氏の翻訳にも言及しています。6月21日以前のものをURLから追加しました。
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Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ケインズの『一般理論』の山形浩生氏の和訳は講談社学術文庫とネットと両方で読める。genpaku.org/generaltheory/

2012-03-26 21:03:08
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ケインズの『一般理論』の山形浩生氏の和訳は「ですます調」で一見やさしそうに見えるが、用語は同じで難しさは同じじゃないか。でも岩波文庫よりはいいはず。また次の機会に読んでみよう。

2012-03-26 21:05:44
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ケインズ一般理論、user costは有斐閣の経済学辞典に「使用者費用」となっているが、この用語に「者」という意味はなくuserに「享受、使用、使用権」という意味あるので(英和大辞典)ので、「使用費用」と訳す方がいいかも。

2012-05-15 16:49:36
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

だからuser costを使用費用と訳したの岩波文庫は正しいということになる。伊東光晴も「比較経済学序説」(ネットにある)という論文で使用費用と訳している。そこでは原材料費+可変的減価償却費と説明してある。

2012-05-15 17:05:15
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

使用者という言葉はemployerも使用者なのでuserを使用者と訳すのは紛らわしいということもある。

2012-05-15 17:13:04
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

もとい、伊東光晴の「比較経済学」のケインズの一般理論は塩野谷祐一の訳。それを伊東は論文内でも使っている。

2012-05-15 17:21:02
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ケインズの用語「user cost 使用費用」は塩野谷祐一の訳(25p)では使用者費用になっている。「比較経済学序説」の伊東光晴の引用では「使用費用」となっている。

2012-05-17 13:24:42
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

「花見酒の経済」をバブルだと道徳的に批判したのが笠信太郎だが、経済に道徳を持ち込むのはいつの時代も間違い。

2012-05-20 20:57:55
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

「花見酒の経済」は普通の経済の極端な例でしかないと肯定的に見て、それを乗数効果の説明に使う学説もある。ネットにもあるがタネ本の一つが「ケインズの『一般理論』を読む」(入江雄吉)。この人がどこから仕入れた説かは分からないが、かなり一般的らしい。

2012-05-20 21:01:05
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

フィッシャーの貨幣数量説、総売上(価格×取引量)=支払総額(貨幣量×取引回数)は花見酒の経済そのものだと。

2012-05-20 21:02:34
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

落語で学ぶ経済学(竹久久二郎)もそのひとつ。

2012-05-20 21:05:39
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

「らくらくミクロ経済学入門」にも貨幣数量説の説明に花見酒の経済が使われているらしい。けっこう一般的な例らしい。

2012-05-20 21:14:11
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

どうやらケインズの「一般理論」の虎の巻がクラインの「ケインズ革命」らしい。ケインズ関連の本を読むと、クラインの名前がすぐ出てくる。

2012-05-20 23:16:08
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生の『一般理論』の訳ではprime cost (主要費用)を原価としている。伊東光晴は直接費だと言っている。

2012-05-21 02:14:50
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生訳「古典派理論では、価格というのがお金で測った限界原価で決まると教わってきました」(pdf9p)。ミクロ経済学で価格は限界費用だと教わってきた。そこにケインズは主要をつけて限界主要費用と書いただけのはず。

2012-05-21 02:34:49
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形浩生氏訳のケインズ『一般理論』、outputの訳語である「産出物」という言葉が出てこない。どうなってるんだろ。

2012-05-21 17:11:14
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

経済学で「需要の価格弾力性」を考えるきっかけは、豊作になったのに農家の収入が下がるという不思議な現象から始まった。食物というのは豊作で値段が下がっても売れる量は大きく変わらない(弾力性が小さい)のだ(サムエルソン『経済学』)。

2012-05-23 14:03:45
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

サムエルソン『経済学』416p価格弾力性の図解、「需要弾力性1という中間の限界的な場合」と「需要の弾力性1という境界線上の場合」(417p)は、どちらも原文は borderline case of unit-elastic demand で同じ。

2012-05-24 01:25:31
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ケインズは『仏大蔵大臣への公開書簡』で、金利生活者の要求額を減らすほうが租税負担を増やすより、ずっと望ましいと言った。つまり、彼はインフレ的方法を勧告した。(『ケインズ革命』5p)

2012-05-26 00:18:11
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

山形訳「一般理論」p16「N 人雇うことで事業者が予想する売り上げをD とします。D とN の関係D = f(N) を総需要関数と呼びましょう。さて、あるN に対して期待収益が供給総額より大きい(つまりD > Z) なら」。売り上げと収益は同じ単語proceedsの訳語である。

2012-05-26 23:19:48
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

「売り上げ」と「収益」、proceedsの訳語をすぐ近くで変えた理由は何だろう。

2012-05-26 23:22:43
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

伊東光晴は「比較経済学序説」で使用費用=原材料費+可変的減価償却費と説明している(有斐閣経済辞典も同じ)。ところが、第6章補足費用の定義で「減価が使用費用を超える額」となっている。とすると、減価償却費が使用費用の一部であるというのはおかしくないか。

2012-05-27 15:08:04
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

可変的減価償却が使用費用(利用者費用)に含まれるもので、固定的減価償却が補足費用(補填費用)であるらしい。しかし、こんな用語は「一般理論」には出てこない。

2012-05-27 15:35:59
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

減価償却費を固定と可変に分けたのはアルフレッド・マーシャルであると、日本語wikiにある。

2012-05-27 16:03:11
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

減価償却費を固定と可変に分けたのはアルフレッド・マーシャルであると日本語wikiにあるが、マーシャルの「経済学原理」にはそんなことは書いてない。

2012-05-27 16:32:56
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