ただ現行の公理でも、「そーゆー集合(自然数の加法を具現する二変数関数たる集合」が存在することを証明するのがもの凄くタイヘンだったが、これはまたレベルの違う話なのだな。
2012-09-26 17:29:15@MarriageTheorem @y_bonten 群にすれば自由群ですから積ですよね。 自然数の和の定義が一つの文字から作られる文字列の連結に他ならないことは注意してもよいかも。和が可換と言っているのは、場所を交換しているのではなく括弧の区切りを変えただけと見ることができる。
2012-09-26 18:41:40@ta_shim_at_nhn あっ、はい、確かに自由群そのものでした。加法の可換性の捉え方には目から鱗です。仕切りの両側に同じものがズラズラ並んでいるとき、わざわざ入れ換えなくても仕切りを動かせば、入れ換えたのと同じことになるのですね。
2012-09-26 19:08:19@ta_shim_at_nhn @y_bonten そうですね、自由群の方向に一般化すると「積」と呼びたくなりますね。自然数の和の可換性については、ご指摘の捉え方がキレイだなぁと思いました。
2012-09-26 19:16:34@y_bonten @MarriageTheorem @Kiriyama_George 順序数の自然な和と積の定義は一通りではないので、「非可換」とあっさり言うと数学に詳しくない人に誤解を与えます。すべての順序数と実数を含む実閉体をConwayは自然な方法で構成しています。続く
2012-09-27 12:36:30@y_bonten @MarriageTheorem @Kiriyama_George 続き。Conwayの理論はOn Numbers and Gamesという有名な本に書かれており、数の理論の部分を『超現実数』のタイトルで数学小説化したのがKnuthだという面白い話があります。
2012-09-27 12:39:03@y_bonten @MarriageTheorem @Kiriyama_George ぼくによるConwayの数とゲームの理論関係のツイートを http://t.co/gHi0rLR5 でまとめて読めます。ぼくには順序数の和と積の定義はCoway流の方が自然だと感じられます。
2012-09-27 12:44:50なんというか、正直「いいことがある」ことを期待してアホを晒すわけだけど、いつも期待の10倍くらいいいことがあるね。
2012-09-27 13:40:13@y_bonten もとの話に戻れば、加法群と乗法群の違いは単なる記号法の違いに過ぎず、そこに数学的に深い意味などまったくありません。順序数の加法は非可換な演算の例というより、有限の場合の定義を無限の場合に自然に拡張する方法が一通りだけではない例として適切だと思います。
2012-09-27 14:25:49@genkuroki ありがとうございます。「加法群」という語から「演算を+という記号で書いた群」以上の意味を引き出してはいけないわけですね。いろんな習慣上の経緯はあるにせよ。この語があることで何か助かるような局面はあるのでしょうか?
2012-09-27 14:30:20@y_bonten はっきり書きませんでしたが、コンウェイ流の順序数の加法の定義ではその可換性が定義の仕方から自明です。コンウェイの理論では数はゲームの特別な場合です。例:将棋と囲碁の和は将棋盤と碁盤を並べて同時に遊ぶゲームになる。数よりも一般のゲームの和が可換になっています。
2012-09-27 14:30:57@y_bonten たとえば+と・の両方が同時に出て来るときに加法群と乗法群という言葉は便利です。「実数の群」と言うと意味不明になりますが、「実数の加法群」「実数の乗法群」と言えば、それらが何であるかが習慣によって確定します。「実数の乗法群」は集合として0でない実数全体になる。
2012-09-27 14:33:53@genkuroki なるほど。通常の意味での加法・乗法やそれに類するものが念頭に置かれている局面などにおいては便利ですね。一方で、「それは習慣によって確定している」ということ自体も意識しておかないといけませんね。
2012-09-27 15:03:25@y_bonten もう一つ言い忘れていたことを補足。加法群は常に可換群を表わしますが、乗法群はそうではないという習慣もあります。加法と呼ばれる演算は可換である場合が大部分であり、加法群の文脈では常に可換と思って大丈夫。いずれにせよ、「何をどう呼ぶか」は数学的には非本質的な事柄。
2012-09-27 20:07:01@genkuroki ありがとうございます。「乗法群はそうではない」とは、「常に、ではない」つまり「可換とは限らない」という意味だと理解してよいでしょうか?
2012-09-27 20:13:45@y_bonten その通りです。乗法群であれば可換でも非可換でもよい。でも、加法群と乗法群の言葉使いの違いを理解することは大して重要ではなくて、面白い加法群や乗法群にはどのようなものがあるかについて知っている方が大事。たくさんの具体例から帰納的に理解するのが数学の基本です。
2012-09-27 20:34:33@genkuroki 分かりました。「たいして重要ではない」という情報自体が、初心者にとってはありがたいです。
2012-09-27 20:37:37@LT_shu 環の二つの演算に対する抽象的な呼び名として、「加法」「乗法」という語を用いるのは、誤解の余地のない用法だと理解してよいでしょうか?
2012-09-28 15:27:54@y_bonten 原則的にはそう言ってよいと思います.ただし,そういうconventionが通用しない状況もあり得ますから,あまりこだわるべきではありません.+や・などの演算記号についても同様です.
2012-09-28 15:39:57@LT_shu ありがとうございます。分かりました。しかしconventionに依存せず環の二つの演算を区別する一般的な用語が無いのは不便ですね……
2012-09-28 15:43:45@y_bonten 「通用しない状況」と言ったのは,例えばある可換環の乗法群にアーベル群の一般論を適用するときに,その演算を+で表す方が都合がよい場合がある,というようなことです.「環の二つの演算を区別したい」ときは「加法と乗法」で問題ないと思います.
2012-09-28 15:50:00