マイナー言語を「記録する」ことと,実際にネイティブスピーカーが存在し続けるように「保存する」(社会運動をする)ことは全く違うことだ.僕は,前者は資料を残す観点から必要だと思うが,後者の必要性については懐疑的.多言語による非効率性を次の世代に強要することが倫理的に許されるのか.
2010-08-05 14:03:16そもそも言語は非常に変化が激しいもので,数世代で変わって(替わって)しまうこともあるものだ.母語話者を「保存」しようとする運動は,「変化に富む」という言語自身の性質を否定する行為だとも捉えられる.
2010-08-05 14:12:36日本語ネイティブの日本人で普通に育った人間と,血縁的には日本人だが英語ネイティブで育ち自分のアイデンティティについて悩んで後から日本について学んだ人間と,どちらが「日本」について真剣に考える時間を取るだろうか.僕は,後者の方だと思うなぁ.
2010-08-05 14:18:09@koda_TO 人間が言語や文化といった抽象的な事柄について割ける時間は一生の間のごく一部だと思います.言語は人間の経済活動のほぼ全てに関わります.
2010-08-05 14:24:21@koda_TO 言語・文化の保存のためにマイナー言語を母語とした子孫を残すことと,メジャー言語を母語とした子孫を残して子孫らの人生の一部の時間を自分たちのルーツとなる言語・文化に割いてもらうことを比較すると,後者の方が子孫の効用が高い(一言で言えば幸せ)だと思います.
2010-08-05 14:27:13@niam 「強要」している、あるいはすべきであると考えている言語学者はほとんどいないと思いますよ。アクティビスト寄りの人も、話者集団の意思を尊重しつつ広報活動をして、可能であれば保存に協力する、というのが原則でしょう。
2010-08-05 14:28:23@niam ものすごく当たり前のことですが、どんな言語の話者にも生活があり、政治的主張があり、自分の選びとったアイデンティティがあります。「こういう子孫を残してもらったほうが彼らにとって幸せ」なんてよそから口を出すのは傲慢ではないでしょうか…
2010-08-05 14:35:13@Mitchara @koda_TO えーと,「強要」という表現がまずかったですね.基本的な論点は,「子供には母語の選択権がない」という点です.後からマイナー言語を学習する活動を否定しているわけでは全くありません.
2010-08-05 14:39:05大昔にツイッターで話をしたことだけど、もう一度再掲しておこう。結局は危機言語を保持するかどうかと言うのは話者のコミュニティーに委ねるべき話。もし彼らが自分の言語を(ひいてはそれに関わる文化)を放棄するのなら―それは言語学者として悔しい話ではあるが―仕方のない事。
2010-08-05 14:41:13@koda_TO 危機言語の話者の生活を脅かす様な行為をする権利は言語学者(も含めた他者一般)にはない。そのような考えは最終的にはethnological expositionsという究極の差別行為に繋がると思う。 http://bit.ly/cpkDUI
2010-08-05 14:44:48そうですね。こちらから頼むことはありますけど、断られたら手を引くしかありません RT @gotshu 頼まれてもないのに、ある言語を保存するなり記録しようとするのは、考古学と銘打った墓荒らしみたいなもんだからなぁ。
2010-08-05 14:45:48「話者集団」の定義も難しいところだけど。アメリカやオーストラリアや西アフリカみたいにトライブの境界が比較的はっきりしてるところはまだいいほう。
2010-08-05 14:47:39@koda_TO @Mitchara 子供には母語の選択権がないので,どの言語を母語として子供に学ばせれば,子供が将来幸せだと思うかどうかは分かりません.子供がメジャー言語を母語として獲得できる環境がある場合に,メジャー言語を母語とさせることを否定すべきではないという意味でした.
2010-08-05 14:50:48ゲールタハトに住んでいてアイルランド語を日常的に話している人たち(特に年配の世代)には自分の言葉に愛憎両方が見え隠れしていたように思えた。 RT @gotshu: 頼まれてもないのに、ある言語を保存するなり記録しようとするのは、考古学と銘打った墓荒らしみたいなもんだからなぁ。
2010-08-05 14:55:50@Mitchara とりあえず,僕は「言語学者が言語の保存を強要している」なんてことは全く思っていないので,そこは安心してください.また,日本語が話者数が多く,全くマイナー言語とは呼べないことも承知しています.
2010-08-05 14:56:06実際のケースとしてこのような事をみた事が無いのですが。。。逆は多々あるんですけどねえ。 RT @niam: 子供がメジャー言語を母語として獲得できる環境がある場合に,メジャー言語を母語とさせることを否定すべきではないという意味でした.
2010-08-05 14:58:26@taiki_wger 個人単位では経済的指標だけで幸せは測れないと思いますが,大人数が関わる話題については,経済的指標に沿った方針をとった方が平均的に多くの人が幸せになれると思います.
2010-08-05 14:59:12@niam に、日本語、ですか?私はてっきりイディッシュや宮古語や!Xung語のことかと思っていました…。むむ、なんか議論の前提がずれてたようですね。
2010-08-05 15:01:21その昔アメリカが「人類のるつぼ」を移民政策のモットーにしていた頃にカナダは「モザイク」という言葉を良く使っていた。小さな別々の移民の文化を否定せずに、その全てをあるがままに受け入れようと言う意味合いだったとか。自分はこの考え方がなんとはなく気に入っている。
2010-08-05 15:01:27@niam 言語がいわばメジャーな言語で単一化していけば大多数の人が幸せになるというご主旨と理解してよいですか? RT: 個人単位では経済的指標だけで幸せは測れない...が,大人数が関わる話題については,経済的指標に沿った方針をとった方が平均的に多くの人が幸せになれると思います
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