山本七平botまとめ/【最後の言葉】虚報を事実だと強弁し、冤罪の犠牲者を殺人鬼に仕立て上げたマスコミの言う「反省」とは

山本七平著『私の中の日本軍(下)』/最後の言葉/330頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

26】処刑は目前に追っている。確かに、言葉で戦っても、もう無駄かも知れぬ。発言は封ぜられ、その声はだれにもとどかず、筆記の手段は奪われ、たとえ筆記しても、それはだれの目にもふれず消えてしまうかも知れない。

2012-11-12 10:28:05
山本七平bot @yamamoto7hei

27】しかしそこで諦めてはならない。生き抜いた者はみなそこで踏みとどまったし、たとえ処刑されてもその行為は無駄ではない。 「どうせ死ぬ」のだから全ての行為は無駄たというなら、全ての人は遅かれ早かれ「どうせ死ぬ」のであり、それなら人間の行為は初めから全て無駄な筈である。

2012-11-12 10:57:46
山本七平bot @yamamoto7hei

28】従ってその死が明日であろうと十年後であろうと三十年後であろうと、それは関係ないことである。 誤っていることがあるなら、自分の誤りを含めて、それを申し送って行くことは、一面そういう運命に陥った者に課せられた任務でもあろう。 消えてしまうなら、消えてしまうでよい。

2012-11-12 11:28:04
山本七平bot @yamamoto7hei

29】しかし、いつの日かわからず、また何十年或いは何百年先かそれもわからないが、自分が全く知らず、生涯一度も会った事のない、全然「縁もゆかりもない」「見ず知らず」の人間が、それを取りあげて、全てを明らかにしてくれる事がないとは絶対に言えないからである――現に、ここにある。(終)

2012-11-12 11:57:43