がん幹細胞について

個人的まとめ
68

-- 多段階発がん説との関係
多段階発がん説は「がんが発生する過程では、複数の癌関連遺伝子の変異や発現変化が段階的に生じて、良性のものから悪性度の高いものへと進行する」という、現在もっとも主流となる考え方(1950年代初頭に提唱され、1988年にVogelsteinが実験的に証明)

参考リンク:多段階発癌説について(大阪大学 微生物病研究所 -病気のバイオサイエンス- - http://www.biken.osaka-u.ac.jp/biken/BioScience/page20/index_20.html#midashi05


Y Tambe @y_tambe

「がん幹細胞仮説は、多段階発がん説は矛盾しない」ということが大事で、それを抜きにすると誤解を招きかねんと思ってたりする。

2012-12-03 16:33:15
Y Tambe @y_tambe

タイポ修正:「がん幹細胞仮説は、多段階発がん説とは矛盾しない」ということが大事で、それを抜きにすると誤解を招きかねんと思ってたりする。

2012-12-03 16:37:45
Y Tambe @y_tambe

んで、片や Vogelsteinらの多段階発がん説…つまり「がんは、遺伝子の変異が段階的に複数積み重なって生じる疾患である」って説なんだけど、実はこちらも「すべての癌で実験的に証明されたか」と言われると、そうとは言えなかったりする。

2012-12-03 18:19:51
Y Tambe @y_tambe

例えば、すべての大腸癌でVogelsteinが指摘したようにAPC/p53/K-rasの変異が起きてるか、というと、そんなこともない。臨床的には同じ部位で同じがんとして扱われるものでも実際にはいろいろなタイプのものが混じってる。

2012-12-03 18:30:21
Y Tambe @y_tambe

承前)ただし、Vogelsteinらが大腸癌で示した実験は非常にエレガントなものだったし、その後の多くの研究が、この仮説の上で行われ多くの知見が得られたことも多段階発がん説の「確からしさ」を補強していると言える。

2012-12-03 18:21:47
Y Tambe @y_tambe

承前)なのでおそらくは、両方の説がそれぞれ正しい…細胞の集団を捉えた場合には幹細胞様のものがその起源になっており、それらを含めたがん組織においては、悪性化進行に伴って、癌関連遺伝子の段階的な変異の蓄積が見られる。「細胞」に着目するか「遺伝子」に着目するか、的な。

2012-12-03 18:24:24

がん幹細胞はどこから生まれる?

Y Tambe @y_tambe

あと「がん幹細胞仮説」と、「がんは(正常)幹細胞を起源とするという仮説」は別物なので注意が必要。

2012-12-03 16:34:42
Y Tambe @y_tambe

起源は不明、というか多分、癌でもいろいろ。幹細胞起源もあれば、脱分化によるものも。 RT @naturefront1941 「がん幹細胞仮説」においては、ガンの原因は、正常な組織幹細胞のガン化ではなく、成熟した体細胞の幹細胞化(=脱分化=がん化)と捉えるべきということか…。

2012-12-03 16:39:40
Y Tambe @y_tambe

また先に少し述べたけど、がん幹細胞の起源には諸説あって。(1) 正常な組織幹細胞に何らかの癌関連遺伝子変異が生じてがん幹細胞になる (2) 分化した細胞が癌関連遺伝子変異で脱分化し幹細胞様になる、の他、(3) 正常な幹細胞と遺伝子変異した細胞が融合する…などなど。多分どれもある。

2012-12-03 18:27:02

参考リンク

がん幹細胞 - Wikipedia - http://ja.wikipedia.org/wiki/がん幹細胞

Y Tambe @y_tambe

これも結構 昔に書いた / コメント#1150215 | ヒトの白血病をマウスに発症させることに成功 | スラッシュドット・ジャパン - http://t.co/DUEewsmV

2012-12-03 16:50:09