ICRPタスクグループ84 要約レポート:日本の原子力発電所事故で明らかになったことと、放射線防護システムの改善への提言(訳)

原文 『Report of ICRP Task Group 84 on Initial Lessons Learned from the Nuclear Power Plant Accident in Japan vis-à-vis the ICRP System of Radiological Protection』 http://www.icrp.org/docs/ICRP%20TG84%20Summary%20Report.pdf 同様のまとめがこちらにもあります。 続きを読む
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Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 ICRPの防護体系や量を用いて、非専門家や大衆を相手に放射線防護について伝達するというのは大きな困難を伴う。これはこの体系のかなり複雑な背景によるもので、同じ単位を異なる量に対して用いたり(臓器に対する等価線量と全身の実効線量)、

2012-12-10 19:53:28
Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 …物理的な被曝データと臓器や組織に対する計算上のリスクデータを組み合わせているという背景によるものだ。

2012-12-10 19:53:38
Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 この防護体系と定量は実務上の放射線防護についてはうまく適合していることが示された一方、非専門家に対する説明、とくに緊急時における説明に関しては必ずしも適切なものではなかった。

2012-12-10 19:54:34
Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 特に影響の大きかった混乱の元となったのは、臓器や組織に対する等価線量の値と実効線量の値が同じシーベルトという単位を持っていることである。この問題は事故による甲状腺被曝への言及においてとりわけ顕著であった。

2012-12-10 19:55:02
Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 放射性ヨウ素の摂取による放射線被曝が、ほぼ甲状腺だけに起きるという特徴もこの混乱に拍車をかけた。等価線量というのはある臓器に関する線量の値だが、(等価線量か実効線量か明示せず)単位だけを付けて言及すれば、容易に実効線量との混同が起きる。

2012-12-10 19:55:48
Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 具体的な数値をSv単位で出す際に、それがどの線量なのか明示しない事による混乱というのは、将来的な改善のためには注意深く解析してみる価値がある。

2012-12-10 19:56:13
Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 こうした困難にも関わらず、ICRP放射線防護体系の量や単位が放射線防護の実務への適用において成功例を残せたことは強調されるべきだろう。ただ、コミュニケーション及び緊急時とその後の政策決定にはうまく適合していなかったかも知れない。

2012-12-10 19:57:03
Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 緊急時に状況改善の手助けとなり得るのは、厳格かつ必然的に(訳註:恣意的判断を入れず)被曝線量のシンプルな報告方式を適用することである。(言及しているのが臓器の等価線量なのか実効線量なのか明らかにする)

2012-12-10 19:57:56
Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 ICRPの防護に関する「量」について、忘れてはいけない、そして強調されるべきこと(訳註:ここは本当にとても大事!)は、これらの値は低線量域の防護を計画し、個人に対する線量制限(の正当性)を検証するためのものであって、

2012-12-10 19:58:23
Flying Zebra @f_zebra

【ICRPレポート】 …個人あるいは集団のリスクを判断するためのものでは「ない」ということだ。(訳註:100mSvの被曝で癌が何%増える、何万人中何人が癌になる、といった解釈は「間違い」であり、やってはいけないというのがICRPの主張。この誤解は本当に根が深い)

2012-12-10 19:58:33

4. 内部被曝の重要性の評価

Hide Yamauchi @MC6809EOS9

@f_zebra 4. 内部被曝の重要性の評価 内部被曝、つまり放射性核種の体内への摂取によるひばく、は日本での公衆、メディアとともに一部の科学者の議論の的となっています。

2012-12-10 12:01:07
Hide Yamauchi @MC6809EOS9

@f_zebra ある(器官もしくは実効)被曝量で、内部被曝は同量の外部被曝よりも危険であると解釈されているように見られます。

2012-12-10 12:02:35
Hide Yamauchi @MC6809EOS9

@f_zebra 被曝のリスクは、それが外部からや内部からでもたらされたからではなく、どの程度の量に曝されたかに依存するという科学的な非常に強い証拠があります、しかし、この事はメディアや一般大衆はおおかた関心を持っていません。

2012-12-10 12:08:36
Hide Yamauchi @MC6809EOS9

@f_zebra ICRPは、外部からや内部からに関わらず、ある与えられた被曝量については同じリスクが予想出来ると考えています。

2012-12-10 12:14:08
Hide Yamauchi @MC6809EOS9

@f_zebra ある与えられた線量に対して、ICRPの防護の方法は外部被曝よりも内部被曝にたいしてより慎重です。内部被曝に対しては実際に受けた線量ではなく預託実効線量で制限をしています。(訳者参考:http://t.co/1xgY3TwH)

2012-12-10 12:21:56

5.緊急時危機管理

Kota Nakahira @kotanakahira

@f_zebra ICRPレポート Para.5 訳してみました。 5. 緊急時危機管理 大量の放射性物質が環境に放出される深刻な事故により生じる緊急事態に対応するため、数々の事象に対する国際的なガイダンスが存在する。

2012-12-10 23:31:45
Kota Nakahira @kotanakahira

@f_zebra しかし、事故時の危機管理に対しては不足があるように思われる。懸案事項としては下記が挙げられる。

2012-12-10 23:32:21
Kota Nakahira @kotanakahira

@f_zebra ・(通常想定されていた原子力事故としての)単一の原子炉による単発の放出ではなく、複数の原子炉からの継続的な放射性物質の放出により生じる緊急時被ばく状況への対応

2012-12-10 23:32:50
Kota Nakahira @kotanakahira

@f_zebra ・変化する状況に対応するための、緊急時計画区域(EPZ)の展開可能性 ・緊急時防護策の優先度決定 ・緊急時防護策の解除計画作成 ・いつ、なぜ、どのように、緊急時被ばく状況から現存被ばく状況へ移行すべきか

2012-12-10 23:33:16
Kota Nakahira @kotanakahira

@f_zebra かいつまんで言えば、これら危機対処に際し、緊急時被ばく状況に対応するための国際的ガイダンスを適用することの難しさがある。

2012-12-10 23:33:45
Kota Nakahira @kotanakahira

@f_zebra 放出が長期化する場合、また緊急時計画区域を展開する場合に関連する問題が存在した(この問題は緊急対応時に重要であるが、放射線防護原則の問題ではなく、規制政策の問題である)。

2012-12-10 23:34:13
Kota Nakahira @kotanakahira

@f_zebra また、緊急時防護策の優先度決定も課題の一つであった。緊急時防護策の解除に対する定量的な勧告が存在しない事は、今なお顕著な問題である。

2012-12-10 23:34:32
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