広汎性発達障害と診断されたお子さんの保護者への医師の説明の解説

 広汎性発達障害(たぶん自閉症スペクトラム)と診断されたお子さんの保護者へ児童精神科医師が「現在うまく出来ていることにも、絵カードを利用すれば、さらに明確に理解でき、お互いが楽になりますよー」と説明されたそうです。  すごく時代が変わったなあ、と嬉しくなる反面、少々解説をしよう、という気になりました。お医者様の短い言葉にも(本当にその場では、ひょっとしたら説明があったのかもしれませんが)実は裏にこれだけ長い説明があるのだ、ということで。
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kingstone @king1234stone

最近お子さんが広汎性発達障害と診断された方が小児精神科医にかかったところ「現在うまく出来ていることにも、絵カードを利用すれば、さらに明確に理解でき、お互いが楽になりますよー」との助言を頂いたとのこと。昔を思うと隔世の感というか、時代が変わった、と感動しています。

2010-08-19 08:50:06
kingstone @king1234stone

まず広汎性発達障害という診断名については、私自身昔は「自閉症スペクトラム」のお子さんについて「自閉症という言葉でショックを与えないためにつける診断名」と解釈していましたが、今Wikipediaを見たら、やっぱりそんなとこかなあ。レット症候群の子はレット症候群って言われるし。

2010-08-19 08:55:32
kingstone @king1234stone

で「現在うまく出来ていることにも、絵カードを利用すれば、さらに明確に理解でき、お互いが楽になりますよー」というアドバイスについてです。これはお医者様がお子さんを「自閉症スペクトラム」に入る、と判断していると考えて良さそうです。

2010-08-19 08:59:08
kingstone @king1234stone

「現在うまく出来ていることにも」この部分ですが、この「うまくできている」が「ひとりで考え」「ひとりで判断して」「ひとりでできている」のか、がまず問題。他人からの「音声言語」や「指さし」や「周囲の人の動きを見て」になっていないか?あるいは「ちょっとした手助け」を必要としていないか?

2010-08-19 09:06:14
kingstone @king1234stone

「社会性の障害」の部分で「何でそうやるのか」がわからないことが多いので、そこの部分を「他人の指示」「人の動きを見て」でやっていると、「自信のない、おどおどした人」になる危険がありますね。

2010-08-19 09:10:54
kingstone @king1234stone

そういう場合、定型(?)の人でもひとりでマニュアルを見ながらやっていくことと、横から他人にいちいち口頭で指示されながらやるのと、どんな違いがあるのかは想像しやすいと思います。

2010-08-19 09:15:36
kingstone @king1234stone

で「ひとりでうまくできる」場合でも、時間軸がわかっているかどうか、日付や予定といったものはどうか、と考える必要があります。どこの時間(時刻?)にそれをするか、ですね。そこんとこがよくわかっておらず「他人の動きを見て」「とりあえず○○が終わったら□□」だけがわかっている場合も。

2010-08-19 09:35:55
kingstone @king1234stone

そこのところが「ひとりでうまくでき」「判断でき」るために、スケジュールやカレンダーが必要になります。

2010-08-19 09:37:12
kingstone @king1234stone

スケジュールやカレンダーが必要と書きましたが、どんなスケジュールか、どんなカレンダーがいいかは、これは一人一人違います。スケジュールの量にしても、また中味を伝えるのは絵か写真か具体物か文字列か。それはいろいろやってみなければわかりません。(これは定型の人だって一緒)

2010-08-19 20:17:35
kingstone @king1234stone

カレンダーにしても、日めくり(これだと連続性がわからないなあ)。普通の7曜のカレンダーに絵や写真や文字列で書き込み。あるいはファミリーノートのビニールポケットカレンダー http://bit.ly/9SESKn おめめどうの巻物カレンダー http://bit.ly/aA3YRI

2010-08-19 20:29:14
kingstone @king1234stone

と、その他いろいろなタイプの中で合うものを探すといいわけですね。(これまた定型の人も同じこと)

2010-08-19 20:31:12
kingstone @king1234stone

お医者様は「絵カードを利用すれば」とおっしゃったようですが、もちろん具体物もありだし、文字、文字列(文を含む)とにかく「見てわかる」もので本人さんが理解できるものを探せばいいわけです。

2010-08-19 20:33:12
kingstone @king1234stone

「現在うまく出来ていることにも、絵カードを利用すれば、さらに明確に理解でき、お互いが楽になりますよー」これをコミュニケーション面から見ていきます。

2010-08-19 20:39:37
kingstone @king1234stone

「現在うまくできている」と思われていても実のところどうでしょうか。まず理解(受容性コミュニケーション)から考えてみます。

2010-08-19 20:44:30
kingstone @king1234stone

非自閉症の多くの人は「音声言語」で伝えているつもりでも、実は表情、身振り、そしてその場の文脈など、様々なものを駆使して相手に伝えていることが多いです。その多くは音声言語も含め自閉症の人には理解しづらいようです。

2010-08-19 20:51:57
kingstone @king1234stone

そういう時、絵カードを使うと理解してくれることもある、というのは事実。しかしこれも中には絵より文字や文のほうがいい、という人だっています。とにかく耳で聞いて次々消えていく情報より、目で見てわかる(ずっとそこにある)情報の方がいいようです。

2010-08-19 20:55:00
kingstone @king1234stone

「現在うまくできている」の表現コミュニケーションの方を見てみます。音声言語で表現するようになって、周囲は喜び、もっともっとそこを伸ばしたいと思うようになるのは当然かもしれません。しかし、これは理解の方とも関係してくるかもしれないですが、自閉症の人が音声言語では(続く)

2010-08-19 21:01:17
kingstone @king1234stone

(続き)「本当の気持ち」を言わないこともままあります。例えば「コーラが欲しい」と言うのに書いて(描いて)やりとりすると「ジュースが欲しい」で本当にジュースが欲しかったり。そこら辺りの知識があっての失敗がpopoさんの「信じる」 http://bit.ly/b7ExYW 

2010-08-19 21:07:19
kingstone @king1234stone

おっと。理解(受容性コミュニケーション)で書き忘れ。文がわかるようになっている人にソーシャル・スキルを理解してもらう方法の一つがキャロル・グレイのソーシャル・ストーリーです。 http://amzn.to/aDuTcL  http://amzn.to/9b5rtS 

2010-08-19 21:22:58
kingstone @king1234stone

また人の絵(漫画、というかもっと単純な棒絵)を描いて他人がどう思っているか、自分がどう思っているかなどを理解してもらうのが同じくキャロル・グレイのコミック会話 http://amzn.to/ag4NG1 

2010-08-19 21:31:39
kingstone @king1234stone

もちろん理解について、文だけ、書籍などだけで理解する方もおられるかと思います。それは人それぞれ。

2010-08-19 21:33:51
kingstone @king1234stone

表現(表現性コミュニケーション)でも絵カードを渡す、文カードを渡す、文を書いて示す、などの手だてだとより本人さんも「わかって」伝えることができます。

2010-08-19 21:37:14
kingstone @king1234stone

この表現(表現性コミュニケーション)の時に内容と同時に大切なのは「誰に向かって」ということです。これがわからないというか、間違ってしまう自閉症の方がおられます。そこの辺りをPECSは上手に指導します。この誰に向かって、というのを間違うのはカナータイプの方に限らないと思います。

2010-08-19 21:39:50
kingstone @king1234stone

あるアスペルガー症候群の子が、周囲の子がうるさいのに対し、あらぬ方向を向き「うるさい!」と怒鳴っているのを見たことがあります。

2010-08-19 21:41:15
kingstone @king1234stone

この「誰に向かって」「何を言いたいのか」を見てわかるようにしたものが先ほど書いたコミック会話であり、おめめどうの おはなしメモ帳 http://bit.ly/9eesFj や おはなしツイン http://bit.ly/cdG17p です。

2010-08-19 21:48:56