バトルクエスト・クレンチ・ユア・フィスト #4

翻訳チームによるサイバーパンクニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) 日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「まずシャワーを浴びてください」アコライトは微笑み、言った。「お話があるなら、その後にしましょう」「ウフフ!おボンズ様ったら……本当は好きなのドスエ?」「はい」「アーラ……」フワリは手を伸ばし、アコライトの口の傷に触れた。その指を首から鎖骨へ這わせた。そして立ち上がった。 71

2013-01-16 17:54:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アコライトは正座したまま首を巡らせ、浴室の鏡の前に立ったフワリの後ろ姿を見守った。濃紺のオイランドレスがハラリと落ち、裸の白い背中が露わになった。アコライトは立ち上がった。そしてフワリの肩に手を置いた。フワリはクスクス笑った。 72

2013-01-16 17:56:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「まァだ……まだドスエ、あまり急いだら……」「……」アコライトが肩に置いた手に何らかのカラテを込めた。フワリの言葉は中途で掻き消えた。オイランは糸の切れたジョルリめいて床に膝をつき、ぐったりと倒れた。アコライトは彼女を支え、抱き上げると、奥の部屋に運んだ。73

2013-01-16 18:02:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アコライトは気絶したフワリを寝かせ、フートンをかけた。フワリの呼吸に異常は無い。彼は謝罪めいて無言で手をかざした。そして浴室へしめやかに戻ると、オイランドレスをあらためた。ニンジャ注意力により、彼はドレスに仕込まれた、爪の先の大きさの機械装置を見つけ出した。 74

2013-01-16 18:10:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アコライトは何らかのトレーサーと思しきそれを鏡台に慎重に置くと、そのまま数分、沈思黙考した。やがて彼はオイランドレスの薄布を掴んだ。ミステリアス美を演出するため、移動時のオイランが頭から被るための布だ。幸い彼の身体はそう大きくは無い……。 75

2013-01-16 18:16:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……数分後、アコライトの部屋から、遠目にはオイランじみた存在がしめやかに進み出た。その者は廊下を何度も見渡し、監視カメラの死角を取るようにしながら、歩き去っていった。 76

2013-01-16 18:24:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(「バトルクエスト・クレンチ・ユア・フィスト」#4 終わり。#5 に続く)77

2013-01-16 18:25:37
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