えー、いくつかお問い合わせがありましたので。昨日の「依頼を受ける受けない」の話はマナー論の話ではなく、プレイヤー視点では「不満をどうGMに伝えてセッションをケアするか」、GM視点では、「自分の想定したシナリオをどうプレイヤーに受け入れさせ卓における権威を確立するか」です。
2013-02-01 12:17:44マナーの話はその前段階で(つまり、他人と仲良くしようとかみんなで面白い時間を過ごそうとか、そういうTRPGの基本原則の勝利条件)、今回はそこに踏み込み、マナーを利用してテーブルをいかに円滑に進めるか、という議論です。
2013-02-01 12:18:27またこの話は、特にハンドアウトなどとは関係なく(ハンドアウトは多くの場合依頼受諾に大きな役割を果たしますが、これはGMというメタ視点と世界観の視点が切り離されるからです)、主にD&Dやソードワールド、ブルーフォレストやシャドウランなどを想定した会話であります。
2013-02-01 12:19:46いきなり依頼を断わると言い出したプレイヤーが何を望んでいるか判断することほど大事なことはありませんが、同時にGMは「セッションを円滑に進める」というマインドセットを持つべきです。言い出してないプレイヤーはたいてい迷惑していますし(笑)。全員が言い出したなら、ちょっと考えよう。
2013-02-01 12:20:59いずれにせよ、夜の解説は「コンベンションにおいて、話を聞いてくれない可能性が高い、リソースを支配しようとするプレイヤーに対してGMはいかにして権威を確立するか」というテーゼです。あなたが権威を確立出来ている環境では、さほど意味はありませんよ。
2013-02-01 12:22:27たとえばあなたがゲームデザイナーで、プレイヤーが全員あなたのファン、という環境なら、どんなゲームをやったって権威は確立出来ているわけです。みんなあなたが好きなんですから(笑)。好かれてしまえば、どんなマスタリングでもまかり通るんですよ、実は。
2013-02-01 12:23:35えー、読者の方から「マスタリングガイドにはどうも自由度というものについて解説していない嫌いがあるのではないか」という旨、ご指摘を戴きました。
2013-02-02 03:43:58第一弾、第二弾ともに、「GMの意図を伝える」「できないことはできないという」方針に注力しておりましたから自由度ということで、プレイヤーさんに 楽しんでいただく、という視点はややおろそかでした。大変恥じ入るばかりでございます。自分なりにまとめますので、他山の石としていただければ。
2013-02-02 03:44:38さて、自由度とは何でしょうか。この言葉は様々な意味で使われ、ともすると「単なる好みの表明」にさえなりかねませんが、ここでは「プレイヤーがGMを通して架空世界を生き生きと感じ、その結果自分の分身が自由に動けると認識している状態」を自由度が高い、と定義したいと思います。
2013-02-02 03:46:08なお、自由とは何か、そもそも自由という訳語は適当だったのか、だいたいFreedomとLibertyって別の概念じゃねえのか、自由度って変数を指す用語ではないのか、などのご指摘については受け付けません。
2013-02-02 03:47:24前回、前々回のガイダンスでは、「自由度を感じさせるよりも円滑にセッションを進めるほうが大事だ!」という方針で解説を進めました。これは、セッションがアクシデントによって停滞してしまっては意味がない、ゲームは娯楽である、という自分の信念によるものです。
2013-02-02 03:48:49もちろん、「いやそのようなものは不要だ。GMの意図などプレイヤーの行動の前にはどうでもよい、むしろ有害である」という思想もあると思います。これもまた、ひとつの考え方ですが、今回は採用しません。なぜなら僕がそのノウハウを持っていないからです。
2013-02-02 03:49:43ですから今回は、「GMの意図を持ちつつ、プレイヤーに自由度を感じさせる」ノウハウについて語ります。完全な出たとこ勝負のアドリブセッションや、プレイヤーが依頼人の脳天をスナック感覚で吹き飛ばして、次の瞬間宿屋に火をつける類いのプレイは想定しないものとします。
2013-02-02 03:50:46さて、自由度が制限されている、という状態でプレイヤーが感じるストレスというのは、突き詰めるとこうです。「我々は、次のイベントをGM様が起こしてくれるまで、口を開けて待っている犬のようなものではないか?」
2013-02-02 03:51:44また、このようなストレスもあります。「我々がどのような工夫をしても判定の難易度はいささかも変わらず、我々は成功するまでダイスを振る機械ではないか?」
2013-02-02 03:53:45残念ながら、これらの問題に対して、完璧な解答を指し示すことはできません――これらはセッション進行のルールや、判定の修正についてのルール、戦闘の詳細さやゲーム内容といった個別タイトルに直結しているからです。クトゥルフで有効な技術が、パラノイアで有効とは限りません。
2013-02-02 03:54:39とはいえ、いくつかのノウハウはありますので、これを開陳します。なお、これは万能の解答、銀の弾丸ではありませんから、使えない状態は多々ありますし、相互にしばしば矛盾します。観察し、判断し、対応してください。あなたのノウハウとバッティングした場合、あなたが正しいのです。
2013-02-02 03:55:44ンなものあとできっと誰かがTogetterなどでまとめてくれるだろ、と言う確信はあるもののライブでのやり取りや、触発されていろいろ語り出す達人達のお話とかが楽しいわけでサ。
2013-02-02 04:02:13さて、「自由度」を欲するプレイヤーが求めていることは大きく分けて3つあります。「行動の工夫」「世界への没入」「NPCとの交流」「過程の多様さ」です。いや4つだ。我々の武器は4つ……(スペイン宗教裁判)
2013-02-02 04:00:03(思い出したら5つ目が出てくるかもしれませんし、これらは相互に重複していますがあまり気にしないでください。とりあえずの分類です)
2013-02-02 04:00:25「行動の工夫」というのは、たとえば太陽光線に弱いトロールに、鏡を使った仕掛けでトロールをやっつけられないか? ドアを開けて突撃してくるオークの足下に落とし穴を掘ることはできないか? メガ・コーポに敵対する別の企業をけしかけて漁夫の利を得られないか? といったものです。
2013-02-02 04:01:39これらは大変楽しいものであり、TRPGの醍醐味といえます。もちろん、これらの行動がルール化されているRPGもありますね(TORG、カオスフレアなど)。
2013-02-02 04:02:47