というか、実は付喪神の話を書きたかったんだけど。「笑怖箱 化生」とか。色んなものに化生したモノの話。土瓶やら茶碗やら電子レンジやら。日用品から電化製品に至るまで、何かが化生するとどうなるのか、ちう話を書いてみたい。
2010-08-25 16:07:51「怪集 化生」目次:法要座布団 包丁達の夜 経机 ドロップ缶 米櫃の戦い 俎板が笑う 炬燵 押し入れのPC98 銘銘膳 浴槽譚 赤いセドリック ストーンコレクション 漂着物 ノルウェイの家具 祖父の火鉢 茶碗騒動 第二ボタン 家庭内タイムカプセル 電子レンジ大爆破 #tknk
2010-08-25 17:15:16@kotatakada まだ誰も書いてないみたいですが、「化生」「化猫」あたりの動向もありますしね(目次は出てるようですが)。あと、「……orz」はやっぱ目次なんですねw 一瞬、ご本人が書かれるあとがきタイトルか?と勘ぐりました。
2010-08-26 12:49:41ドロップ、ドロップ、缶の中。丸くて甘くておいしいな。ドロップ、ドロップ、缶の中。なめたら溶けてなくなった。ドロップ、ドロップ、缶の中。かわいいあの子を缶に詰め。ドロップ、ドロップ、缶の中。とろけて丸まる一昼夜。ドロップ、ドロップ、缶の中。甘いドロップまたできた。またできた。
2010-08-26 23:56:09@ts_p リズミカルな音が厨房に響いていた。三平太が寝ぼけた頭で覗き込むと、先程念入りに研いだ一本の包丁が、まな板の上で踊っていた。タタン、タン! 歯切れの良いリズムで舞が終了した。三平太は思わず拍手した。刹那、包丁はこちらに刃を向けたが、そのままごろんとまな板の上に転がった。
2010-09-12 10:33:25「あれ、和尚さん? 」檀家の老婆が住職の顔を見るなり怪訝そうな顔をした。訊けば、本堂の縁側に座っているのを見たと言う。住職はたった今法事から戻ったばかりである。首を捻りながら本堂の縁側へ出てみると、日頃使っている法要座布団が日向ぼっこでもしているかのようにちんまり置かれていた。
2010-09-18 00:00:17「お、随分粋になったじゃないか」「ええ、研ぎに出してもらった甲斐がありました」「あー、良いなぁ。アタシもー」「おめぇはまだ大丈夫だよ」「えーっ」パチッ。ざわついてしていた声が一斉に止んだ。厨房の照明が点る。「あれ、ちゃんと仕舞った筈なんだが」店主は調理台に並んだ包丁に首を捻った。
2010-09-19 06:20:57疎遠な親戚の家、居間にて「まあ、どうぞ」と差し出された座布団に腰をおろす。ありきたりな時候の挨拶で間を埋めんとする親戚の声に混じって聞こえるのは、朗々とした読経と複数人のすすり泣く声。かつて亡くなったのか、あるいはこれからか。座布団から尻を逃がし苦い茶を啜ると、全ての声は止んだ。
2010-09-23 06:32:57@takenoko_shobo 「怪集 化生」目次:包丁達の夜 http://ameblo.jp/kotatakada/entry-10656447688.html
2010-09-23 07:08:18「写経でも始めたのか」と問われることが昔から多かった。生まれてから五六年間、独身のまま仕事に明け暮れ、点々と居をかえているものの、知人が自室に初訪問する度に、決まってそう言われる。当の私には何処にどのような経机が鎮座しているのか知る由もないが、〈まあな〉と答え続けて三十二年経つ。
2010-09-23 07:20:51振ると音がするからには、中に飴玉が入っているのだろうと期待し、蓋を開けて逆さにするも、中からは何一つ落ちてこないことに苛立ち、マッチの火を灯し些細な明かりを頼りに子細に内容物の有無を確認するも、やはり中は無。諦めて再び蓋をしめ缶を振ったところ、次は女の笑い声が手元から響いた。
2010-09-23 07:32:27すり切り一杯で一合。十キロ容量ほどの米櫃に軽量カップを突っ込んだところ、そのまま手が抜けないどころか、どんどん腕、肩、胸までが吸い込まれる。終いには足先まで米櫃に入り、もはや私の実体がどうなっているのかさっぱりわからない。米櫃の中は白一色。食うに困るとはこのことだろうか。
2010-09-23 07:51:32