2013.2.8 駒場科学史講演会(日本学術振興会賞記念講演会)ヒロ・ヒライ
ダニエル・ゼンネルトはフェルネルやシェキウスを否定した。霊魂はまず神が創造のときにつくったもので、そのあとは神はタッチしない。種子のなかに霊魂があって、それがどんどん伝わっていく。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:27:47さらにゼンネルトは、原子論を使って、それぞれの原子のなかに霊魂があるというふうに説明する。彼の考えはその後に影響を与えた。たとえばキルヒャーに。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:29:16なぜ種子の理論に興味を持ったか?→出発点は18世紀。結晶学ってのはいいんじゃないかということで、フランス語もやってたし読んでみることに。そのなかに、石とか鉱物が生き物で種子から育っていくんだという話をする人々が出てくる。それに対する好奇心から出発。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:49:09(続き)いろいろそのアイデアについてさかのぼっていくと、だいたい16世紀のパラケルススとかフィチーノの影響を受けた人のとこまでいった。それで16世紀を研究するように? #hirai_komaba
2013-02-08 18:49:1720年間研究して何が変わったか、あるいは変わらないか?→一番変わったのはインターネットの出現。あとはアジア人のプレゼンスが大きくなった。最初は僕とクスカワさんだけとかだったけど、最近は国際学会で日本の若い人を見たりする。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:49:26日本人であったことの利点は?→一番大きいのは、西洋人はその社会のなかで育ったから考えの枠組みがある。僕はそれを変だと感じられる、思考の柔軟性がある。当たり前のことを分析対象として感じられる。これが結果として利点だったかな? #hirai_komaba
2013-02-08 18:49:33逆に不利な点は?→常に外様。僕の経歴を見ればわかるがずっといろんなところに行ったりしている。あとは前の世代の日本人がほとんど海外に行かなかったので本を出すまではあまりシリアスにとらえてもらえなかった。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:49:41神が種子をまいた、っていうのは農夫としての神なんでしょうか。キリスト教っておさかな系のシンボルが多い気がするけれども。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:49:42今日話された後の時代の展開というのは?→あまり具体的な話はできないが、面白い話としては、地球の最初の生物ってどうして生まれたのか?について論争がある。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:50:48(続き)もし外から生まれたとしたらそれは何らかの種子のようなものが外から来たっていう現代版の種子の理論なんじゃないのか?これは古代からつながる話かもしれない。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:51:02種子について共通の定義はあるのか?→基本的にはそれぞれ説明の仕方が違う。ただ、まず神が最初につくったということ、何か目に見えない非物質的なものであること、これらは共通点。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:51:12ガッサンディは原子が集まってできた分子 morecule が種子だという説明をはじめてする。粒子が種子だという物質的な理解。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:51:19アリストテレスの読み方について歴史家と哲学者で有益なディスカッションをどうすればできるのか?→ある時代にどう読まれたか、どう間違って読まれたか、それがどう影響を与えたか、というのが私の関心で、それは歴史の現象の研究として成り立つ。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:55:54(続き)それと、もともとのアリストテレスのテクストがどういう意味だったのかを突き詰めて考える研究のあいだで話がかみあわないということはよくある。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:56:10(続き)ただこれまで見えていなかった点についてヒントを与えてもらうとかっていうようなことはあると思う。難しいけど努力する価値はあるのかも。 #hirai_komaba
2013-02-08 18:59:51石の成長って?→よく18世紀初頭に使われる例は、鍾乳石やサンゴ。これらは植物と鉱物の中間なんだという理解。あとは昔掘り尽くしたと思っていた鉱山にまた鉱物があった、という(誤解にもとづいた?)鉱夫の証言がよくある。これが鉱物の再生なんだと考えられた。 #hirai_komaba
2013-02-08 19:00:34