時間線上の相対人

だいけ　”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【41】「うわぁぁ！？何だぁぁぁ！？」だが、くれないに対して混乱を与えることには成功した。その光景をヒヨコは眺めて、「あれぞ正しい紳士的爆発であろうな…」ジョリに抱かれて、風のようにその場を離脱する。

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【42】ヒヨコの掌には、「おーい『かぜぐする』ー？大丈夫かー？」かつての親友が居た。軍に捕まって、対『風』専用弾だとか何とかいう訳の分からんモノに改造されてしまった、親友が。そして、ヒヨコは顔を上げた。視線の先。遠くに見える市街地に、『風』が渦巻いていた。

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【43】くれないは、それでもめげなかった。妙に柔らかくて生暖かいものが顔面にぶつかったが、それを完全にスルーした。無言で蹲るトールを手早くマンホールに放り込んだ。「ゲルゲルー…」妙な声が地下から聞こえてきたが、それをも無視した。

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【44】「逃げられた…。ちくしょう、追いつけなかった…」くれないは、悔しさを滲ませながら呟いて、次いでマンホールを閉じた。隙間には軍製の接着剤を流し込んでおいた。

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【45】無線機が、不意に音を立てた。『――くれない、くれない！？聞こえるか！？今すぐ戻れ！時間切れだ。『風薬』は諦めろ――』

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【46】中隊長の焦った声。街を見通す。『風』が渦巻き、『竜巻』になろうとしていた。