仮面ライダーW Rの脅威/帰って来てくれ仮面ライダー 『チャプター5・砕け散れH/必殺ツインマキシマム』

http://www.pixiv.net/series.php?id=98978 pixivにて掲載している仮面ライダーWの二次創作物です。 前回:http://togetter.com/li/481629
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イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 マルは背中に背負った棍棒を右手に構え、力一杯振り回す。彼にとっては使い心地を確かめるための単なる素振りだが、それだけで周囲の空気をも切るとなると、気が気ではない。25 #WR

2013-04-09 21:38:51
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 棍棒の強烈な一撃がをライダーの脇腹に突き刺さる。  標準的な体格の成人男性三人を横並びにした太さの棍棒は、翔太郎の意識を一瞬刈り取り、地に伏せさせるほどの威力を誇った。  咄嗟に地面を転がり、追撃を避けられたはいいが、もう一発を喰らえば次はないだろう。26 #WR

2013-04-09 21:40:20
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 しかもそれだけでは終わらない。棍棒の中から発せられた何らかの”波”が、ライダーの三半規管を震わせているのだ。 「なんてこった……体が思うように操れねぇッ」 「どうしたどうした! もうオネンネかァ!? どんどん、どんどんいくぜぇ!イっちまうぜェ」 「く……そッ!」27 #WR

2013-04-09 21:41:52
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

METAL!]  やむなく、防御能力に優れる”メタル”へとチェンジ。シャフトでマルの棍棒を受け止めるが、棍棒から発せられる何らかの音波は、直接体で触れずとも、彼の身体に重篤な追撃効果を与えているようだ。二発の衝撃を喰い、ライダーはとうとう地面に突っ伏してしまう。28 #WR

2013-04-09 21:43:37
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ――目が霞む……、気持ち悪りぃ、満足に立てやしねぇ! なんとか、なんとかならないのかッ! メモリが……メモリがこんなに近くにあるってのに!  力の差に唇を噛み、舌打ちをするライダー。それでも尚攻め手を探す彼の視界に、見覚えのある何がが留まった。29 #WR

2013-04-09 21:44:54
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「あれは、バット……ショット」  仮面ライダーを気遣うかのように、彼らの周囲をばさばさと飛び回るコウモリ型のサポートマシン。そういえば、先ほどメモリの場所を知るために使っていたかと思い返す。 「……いや、待てよ。バットショットにメタルシャフト……」30 #WR

2013-04-09 21:46:13
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「いや、待てよ……そうか、その手があったか!」  何かに気付いたライダーはバットショットに向かって手を伸ばす。  コウモリメカは彼の叫びに呼応し、メタルシャフトの先に連結。シャフトに取りついたバットショットは、人の耳には聞こえない”超音波”を発し、金属の羽を震わせる。31 #WR

2013-04-09 21:47:28
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「おぉ……? なんだこいつは、どうしたってんだ!」  それと同時にかの波動が掻き消え、ライダーの体に自由が戻る。マルの放つ波動とシャフトから発せられる超音波。その二つがぶつかり合って反響し、効力を相殺しているのだ。32 #WR

2013-04-09 21:49:08
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「よくもやってくれやがったなマル、だがこれで仕舞いだぜ」 [メタル!][マキシマムドライブ!]  ――メタル・フルパワースマッシュ!  仮面ライダーは力を振り絞ってマルの棍棒を振り払い、続け様に《マキシマムドライブ》を放って、マルのメモリを砕こうとするが――。33 #WR

2013-04-09 21:52:37
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「甘ェ……、甘い甘い甘い!さっきも言っただろうがよォ! てめェのフニャチンじゃ、俺には勝てねぇってよ!」34 #WR

2013-04-09 21:53:37
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 通常のWならここで決着がついていたことだろう。だがこのドーパントは、マキシマムの衝撃も意に介さずシャフトに手を掛け、力づくで引き抜かんとしている。翔太郎一人では、そのままシャフトを押し込むだけの力が足りないのだ。35 #WR

2013-04-09 21:54:32
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「……やっぱり足りねぇか。しゃあねぇな……、だったら、こいつで勝負だぜ、マル!」  無論、それは翔太郎自身が一番良く分かっていた。だからこそ彼は手を染めなければならない。かつて相棒に使用を禁じられ、自身も深いダメージを負ったあの技に。36 #WR

2013-04-09 21:59:06
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

ヒート!][マキシマムドライブ!] 「ツイン……マキシマムッ! メタル・ソニックブランディング!」37 #WR

2013-04-09 22:00:14
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 仮面ライダーはドライバー側のスロットに”ヒート”のメモリを差し込み、震える手で起動を兼ねたスラップスイッチを叩いた。”マキシマム”の音声が止めどなく鳴り響き、メタルシャフトの両端には紅蓮の炎が灯る。38 #WR

2013-04-09 22:01:11
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 かつて相棒と共に放った必殺技”メタルブランディング”。今際の際に相棒が残したソウルメモリをシャフトに押し込み、一人で放つ必殺技。  威力こそかつてのそれと何ら変わりないものだが、それを、今では命を削る覚悟でないと放てない事実に、翔太郎は落胆の念を隠せない。39 #WR

2013-04-09 22:02:56
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「うおぉ、おおおっ! 何故じゃああああああッ!」  命懸けの一発がマルの右肩を突き貫く。メタルシャフトの一撃は彼の鋼のような筋肉を抉り、見事にメモリを砕いたのだ。紫の怪物は人の姿へと戻り、メモリ使用の反動によって意識を喪失し、タイルの床の上に横たわる。 40 #WR

2013-04-09 22:05:24
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

勝ったぜこの野郎。どうだちきしょう。やってやったぜ……」  ライダーは反動で仰向けに倒れ、起き上がれずに息を切らす。彼もまたツインマキシマムの使用が堪え、立ち上がることが出来ないのだ。41 #WR

2013-04-09 22:07:22
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ――翔太郎君ッ、大丈夫!?  ――左、死ぬなっ、死ぬんじゃないッ!  そんな中、照井と亜樹子がバイクに乗ってここまでやって来た。彼らはライダーの体をうまく隠すように立ち回り、同時に翔太郎もドライバーからメモリを抜いて変身を解除する。42 #WR

2013-04-09 22:08:30
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 二人の姿を見た翔太郎は、疲れで引きつった笑顔を見せる。「亜樹子に照井……、そっちはどうだ?」 「お前ほどじゃあない。ケリはついたから安心しろ」 「そうか。俺も今終わったところだ。楽勝だったよ」43 #WR

2013-04-09 22:10:27
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 口ではそう言いつつも、翔太郎は一人で立ち上がることすらままならない。亜樹子はどうしてそうなったのかを考え、彼を気遣い、口を開く。 「……また使ったんだね、ツインマキシマム」 「不可抗力だ。やらなきゃこっちがやられてた」 「そう……。でも無茶だけはしないで」44 #WR

2013-04-09 22:12:02
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ――無茶はしないで、か。けど、無茶しなきゃ……ドーパント一人倒せねぇんだよ。情けねぇよなあ。……情けねえ。  翔太郎は己を顧みて嘲《あざけ》り笑う。相棒が居なくなり、街のために形振り構わず戦うこの姿。  フィリップがいたら何と言うだろう。笑わずにはいられなかった。45 #WR

2013-04-09 22:13:27
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「――風都市民のみなさん、風都を護った勇敢な戦士に、今一度惜しみない拍手を!」  どこかの場所の、どこかの建物の中。暗がりの中に小さなテレビが置かれ、三人の男がそれを囲んで眺めている。ライダーとマルの戦いは、知らぬ間にテレビで実況中継されていたのだ。47 #WR

2013-04-09 22:16:25
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「おいおい、ケンジに続いてマルまでやられちまったぜ」 「依頼者《クライアント》よォ、大丈夫かァ?」  二人の男はライダーの強さに不安を感じ、後ろに座る黒いフェルト帽にコートの男に問い掛ける。48 #WR

2013-04-09 22:18:43
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「問題ねぇさ。次の奴は特別だ。奴と言えど……勝ち目は無い」  室内にも関わらず、黒いソフト帽を目深に被った男は、テレビ越しに嫌味な笑みを見せた。49 #WR

2013-04-09 22:20:23