ゼア・イズ・ア・ライト #7
ニンジャスレイヤーは呻いた。雨除けに手をつく。ナラクの意識が浮かび上がる。抑えられない。(((フジキド……なんたるウカツを……これは0100011100ニンジャスレイヤー0100010001ホホホホホ……お前のソウル……「グワーッ!?」 43
2013-06-15 18:24:02「フジキド!オヌシでは役に立たぬ!足手まといは寝ておれ!」ニンジャスレイヤーは叫んだ。ニンジャスレイヤーはカラテを構え、周囲を見渡した。……墨絵めいたモノクロームの世界に、彼は独り。 44
2013-06-15 18:29:41「……キリングフィールド・ジツ」ナラク・ニンジャは押し出すような呟きを発する。「対手はどこだ」「「「ホホホホホそこにホホホホホおりますよ!」」」屍肉と骨の散らばるモノトーンのセキバハラ荒野に不穏な笑いが木霊し、ナラクの目の前に、おぼろな姿が現出した。 45
2013-06-15 18:38:24(((なにが)))フジキドは困惑する。(((起きている)))ナラクと向かい合い、拳を握らない独特の構えを見せたその者は、紛れもなく、デソレイション……あり得ぬ事だ。ニンジャスレイヤーは彼を滅ぼし、死してなおニンジャスレイヤーを毒したノロイをも破った。(((何故、再び?))) 46
2013-06-15 18:45:04「「「凄まじきジツ、凄まじき体験」」」不穏な声が響き渡る。「「「大変な記憶だ、大変に役に立つ」」」ナラクとデソレイションはゆっくりと円を描くように動き、互いに間合いを測る。「「「正体見たり。そしてサラバよ」」」……その時。フジキドは垂直頭上に黄金の立方体の存在を知覚した。 47
2013-06-15 18:52:37灰色の世界に漏れ出る微かな光、唯一の色彩。フジキドは電撃的速度で思考した。あれはブッダの蜘蛛糸めいた唯一の打開策だ!「フジキド!」(((イヤーッ!)))彼の意識はナラクから引き剥がされた。そして、墨絵めいた空の奥に薄れゆく黄金の立方体を灯台めいて、矢のように飛翔した。 48
2013-06-15 18:59:23「「「コシャク01001101011ニンジャスレイヤーは雨除けの上に片膝立ちで着地した。「……」否。彼は少しも動いていない。手のひらに霧雨が降りかかる。ニンジャスレイヤーは眉根を寄せた。奇妙な感覚である。「ナラク?」答えはない。 49
2013-06-15 19:01:51(((とにかくどうにかせよ……)))ナラクがフジキドの意識を剥がした瞬間に発せられた声が、ヤマビコめいて三度、四度、フジキドのニューロンに繰り返された。その声の残滓も五度は返らなかった。 50
2013-06-15 19:08:12(((Ninjaslayer)))ナラクにかわり、彼のニューロンを掻き毟るのは、どこか覚えある別の声。(((Ninjaslayer-Abnormal-Reaction-Against-Karate-Urgency ……NARAKU!所詮、つまらぬ小僧手品であった!))) 51
2013-06-15 19:19:56