第一回大罪大戦《正3の狭間》【戦闘フェーズ02】

紅(ルージュ)は執着、オブセッション[ @nigayuki_sin ] 黒(ノワール)は色欲、ルクスーリア[ @whycame_sin ]
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ワイマックス @nigayuki_sin

「ルクスゥリアアアアアアアアアアッ!!命だ!!!命を差し出せ!!!!  お前の全ての、お前が生きる価値を。この筋肉の糧に、この紅の御旗に。貴様のあるべき座もだ!  返せ、返せ、返せ。ワイの景色を、ワイの腕を、ワイのイケメンを!!返セぇええええ!!!」 →

2013-06-28 23:00:47
ワイマックス @nigayuki_sin

瞳からすっと抜いたルージュの短剣を、ルクスーリアの後背に投げる。 痛みで膝をつくが。 「二つ目ぇえええええ!!!妄執だ」。 短剣がルクスーリアの背後だった位置から翻って突進してくる。 更に屈んだ姿勢から近くの短剣を指を3本切り落としてしまいながらも、→

2013-06-28 23:05:38
ワイマックス @nigayuki_sin

ルクスーリアの前方だった位置から投げる。狙いはどちらも、首の側面。弱い威力でも手ごろに殺せる。 ただし、前方からの投擲に関しては、照準は記憶頼みだ。当たらない可能性も高い。 元々ルクスーリアの首があった位置に投げたのだ。

2013-06-28 23:07:29
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

あは、あははははははは! 「いいです」 「いい声ですいい血ですいい姿ですマッスル!」 声に熱いものが混ざる。頬に血が昇るのがわかる。 「私の全ては私のもの」 「死んでも紅なんかに渡しません!」 「大丈夫、十分にいい男で――」 高笑いはそこで途切れた →

2013-06-28 23:28:04
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

ざり、と嫌な音が響く。 「あ、あ」 のけぞるように笑っていたのが幸いか。背後からの短剣は長い長い三つ編みの右側を大きく切り裂いていた。 「あ、あああああああああああああああああ」 かみ、わたしのかみ ぞふり 茫としている女の胸に、次なる刀が突き立っていた。→

2013-06-28 23:35:51
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

「――っ!!!」 視力を失った男に届くのは、息を飲む音と、液体の絡んだ叫び。 がふ、と嫌な音が漏れる。 砕けた?それがどうした。まだ私は生きている!→

2013-06-28 23:45:35
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

足に力を入れる。激痛。 でも動く。短剣を投げる前に叩いたスカートの布で『外側からの固定』はできている。 「女の髪は、命よりも重いのに……!」 ずるりと這う音、金属を引きずる音。 ガリッ 凶刃を支えに、女は立ち上がっていた。

2013-06-28 23:47:00
ワイマックス @nigayuki_sin

背後を狙った短剣が指二つの左手に戻ってくる。 粘着質な妄執を、突破した?ありうる。黒と紅の古い大罪はそれだけの年季もある。 「同じ手は食わぬよな」 囁いた。短剣を、ゆっくりと、ルクスーリアの声の方角へ投げる。 届かない。小さな音を立てて、ルクスーリアの眼前に転げたようだ。 →

2013-06-29 00:06:18
ワイマックス @nigayuki_sin

「……すんません、大殿、殿。勝てませんでしたわ。ああ、ムッキムキになりたかったなあ……」 膝をついたまま大声を上げた。左手を自分の胸に当て、さあトドメを、そう受け入れるような仕草をとった。

2013-06-29 00:08:43
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

大剣を持ち上げると、胸が悲鳴を上げる。 支えを一つ失った膝から血が噴き出る。 「私は味にうるさいですから。食べ物も、人も」 それでも 「そう情けないことを言わないでください」 「貴方、心をマッスルにするんですよね」 「心折れていない、虚であった紅の貴方を私は斬りたいんです」

2013-06-29 00:40:49
ワイマックス @nigayuki_sin

おめでたい、ヤツだ。 「そーれ、まっする。そーれ、そーれ、そーれ」 膝を上げ、脚をまっすぐに立てる。 「そーれマッスル♪マッスル。マッスルマッスルマッスルマッスル!!!行くぞォ!」 足を少し動かし、荒野に刺さる短剣を引き抜く。人差し指の第二間接からしかなかったが、歩いて近づく。

2013-06-29 00:49:54
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

「……」 どうしよう。こんなことなら何も言わずに斬っておけばよかった。 どうしようこの人。怖い。 想像した以上にマッスルだ。マッスルの罪科だ。 何が妄執だ。執着だ。 ――これは、マッスルだ。 「すみませんそれ以上近付かないで下さい」 本能の駆り立てるままに、腕を振るった。

2013-06-29 01:01:22
ワイマックス @nigayuki_sin

短剣をルクスーリアの眉間に投げ、 「お前のマッスルは、まだまだこんなもんじゃないだろう!?」 左手で凶刃を掴む。手が、腕が裂け、肘のところで《妄執》を発動してがっちり上下から止めた。 「痛いよなァ?痛いぜェ?ぜぇ……ぜぇ……」 →

2013-06-29 01:10:36
ワイマックス @nigayuki_sin

凶刃に身を預けるように跳び上がり、ルクスーリアの首をへし折るだけの威力を持つ蹴りを叩きこみにいった。斬られたのは、その間合いに入り攻撃が最大の防御であると証明するためだ。 「究極の!!カルタゴのイケイケスーパーボディーが生み出す必殺キック!己の罪を数えて死ねぇええ!!」 うるさい

2013-06-29 01:12:50
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

「っ」 更なる失策。挑発されていた――!? 動き出した体は止められない。首を精一杯曲げる。二度目の嫌な音。 女のお下げが片方、宙を舞っていた。 ああああああああ、『失ってしまった』!→

2013-06-29 01:50:22
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

「う、ぐ」 それでも振りぬいた一撃。 骨で止められるほど力が落ちているつもりはない。能力め! 力を込めた反動。喉から熱いものがあふれる。鉄臭い。 男が跳んだ。手に掛かる重みが増す。支えられない。 引っ張られるように体が前によろける。と、衝撃。→

2013-06-29 01:50:45
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

側頭部に、嫌な音。視界がぶれる狭まる音が遠ざかる。 「――う」 保たない。 するりと抜けてしまいそうな意識に必死に喰らいつけ。 櫛刃でオブセッションを押し倒すように、女の体が傾いだ。

2013-06-29 01:50:57
ワイマックス @nigayuki_sin

「ぬおおおおおらああああああああああ」 だが、櫛の勢いを殺すことが、宙にいるオブセッションにはかなわず、地面に押し倒される。 武器。ある、が。握る手が無い。 「脚」 膝を極限まで曲げ、ルクスーリアの顎を蹴りぬかんとする。

2013-06-29 01:58:18
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

朦朧とする。このままでは能力を使えない。 妄執を解除されれば刃を押しこめるのに。 動け、うごけ うごいてくれ 男が動く。彼はまだ動くのか。本当に、『執着』 上か下か。手放していなかった剣の柄をずらし、迎え討つ!

2013-06-29 02:15:49
ワイマックス @nigayuki_sin

柄に、ぶつかる。びくともしない。 「この体は、筋肉ではない……か  いかに筋が衰えようとも、心のマッスル滾りまっす」 もう敵に防ぐ手立てはないはずだ。ならば、 「るぅああああああああっ!」 頭蓋を頭蓋に叩き付けに行った。だが、これで攻撃する手段も使いきったか?

2013-06-29 11:16:56
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

『動いた』 櫛の一つこそ男の腕から離れない、が、柄は動いた。 「ええ、ええ、とてもマッスルです」 「そして強い」 私の惨状がそう語る。 でも 「だめです」 他の狭間もこうなのだろうか。最初の戦いから皆こうだったのだろうか。 それを生き抜いた者は、強く、そして気高い……→

2013-06-29 15:45:03
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

勝ったもの同士が戦うこの戦いは、どれだけ熾烈なのだろう。 皆、どうなっているのだろう。 それでも、一つだけ確信していることがある。 死なない、いや『死ねない』彼女。 あの子はきっと、円卓へと戻ってくる。 その時に誰もいなかったら それは どれだけ辛いことか―― だから →

2013-06-29 15:47:45
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

私は、戻る 戻らないといけない 私はルクスーリア     いたみ あらゆる 快楽 を、従える者――! 「っあ」 「ああああああああああああ!」 光の消えかけていた女の目が、見開かれた。→

2013-06-29 15:51:52
ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

両の腕に重心をのせる。 留められたところを起点に大剣が動く。 残る櫛刃で、他の箇所を抉らんと 腕に引き摺られるように上体が動く。 頭が近付く。 「『織り成せ』ぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええ!」 ぎゅるり 女の一房だけ長い前髪が絡み合う。 鋭い、蕀となって、出迎えた!

2013-06-29 15:57:30
ワイマックス @nigayuki_sin

棘を、視認することはできない。目が潰れている。 櫛音は、聞き逃すほどの音声に掻き消される。 「……」 ぷすり。眉間に突き立ったソレを、触覚で垣間見た。 「何の。黒の色欲は、棘の鋭き薔薇ではないか。栄えあれ」 ゆっくりと、上下の離れた体を、形の変わった頭を横たえた。 →

2013-06-29 18:04:45