第一回大罪大戦失陣営【戦闘フェーズ02】

暴食(Gluttony) @Hajime__sin

→ その間に、突き刺すような、声。 「――あァ。俺ァ何も見ちゃいねぇし、聞いてもねぇよ」 そっけなく、そう、返した。

アヴァリーティア @ebleco_sin

@Hajime__sin 「……グラトニー。俺はたった今から、『所有者』を名乗る」 振り返る。色違いの瞳。その眼差しだけは、まだ、死んでは居ない。 「我が名は『アヴァリーティア』。死者にして冥府の所有者。全ての『記憶』を司る者。まずはお前が一人目だ。俺は『全部』を手に入れてやる」

アヴァリーティア @ebleco_sin

「――我が名は『原初の強欲(アヴァリーティア)』！！　敗者にして煉獄の所有者！！ 触れられざる全ての『大罪』に手を伸ばす者！！ 俺を、赦せるものならば、赦してみるがいい！！ 見ていろ、俺は死して尚、『強欲』で在り続けているぞ！」広げた両腕。男の声は、虚無の中に高らかと響き渡った。

暴食(Gluttony) @Hajime__sin

@ebleco_sin 「あいよ」 虚空に散った血を眺めて、未だに死なぬ眼差しと視線をぶつけて。 「――我は『ゼブル＝バアル』。貴公の『所有物』にして、全てを喰らう『蝿の王』」 眼帯の向こう、見えないはずの瞳。 一瞬、蝿のような複眼が見えて。 それは、直ぐに消え失せる。 →

暴食(Gluttony) @Hajime__sin

→ 「――まァ、ゴタゴタ言ったが細けぇこたァどうだっていい」 歯を、噛み鳴らす。 片方を喪った腕輪が、共鳴するように哭いた。 「俺ァ、腹が膨れりゃそれでいいんだ」

アヴァリーティア @ebleco_sin

@Hajime__sin 「……ああ、御託なんてどうでもいいさ」 軽口に、男はくつりと喉を鳴らした。 「まずは、『賭け』に勝った分、お前が食えるものを、『向こう』から持ってくる方法を探さねぇとな」 ふと、向けた視線。虚空の向こう。 「……なぁ、お前、『もろみ酢』とか、好きか？」

アヴァリーティア @ebleco_sin

「……嗚呼、そうだ」 扉の、閉じる音。全ての扉が、閉ざされる。 「それと、俺が『向こう側にある俺のもの』に、接吻(くちづけ)る方法も、探さねぇとな」 男は、その場、虚空に腰掛ける。何も無い。何も無いが、此処は確かに『玉座』であった。 「……幸い、どっちも、それをすれば喜びそうだ」