横井小楠の『国是三論』にみる武士と武術について

横井小楠の『国是三論』にみる武士と武術についてまとめました。
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武心インデックス @g369

武人の強さを武芸で養うなどナンセンスだと言うのだ。曰く、農夫や樵、漁師などはどんだけ体強いと思っているのかと。暑い寒い文句も言わずに苦労を厭わず日々の仕事に励んでいる。その中からなお強健な身体の持ち主を選んで、武藝を3~4ヶ月みっちり訓練させた軍隊の方が武士の軍隊より多分強い。

2013-07-01 17:12:33
武心インデックス @g369

武士を強くしたいなら、道場で武芸に励む暇があったら、野山で狩りをさせて、海川で魚を取らせて、雨露に晒し、雪に晒し、苦労させた方が効率的である。

2013-07-01 17:14:22
武心インデックス @g369

そしてさらに手厳しい「もし又、たとひ武伎よつて、強燦農樵に異ならざるに至るとも、別に士たるの道を弁ふることなくんば、畢竟(ひっきょう)農樵同等の鄙夫(ひふ)なり。」

2013-07-01 17:15:25
武心インデックス @g369

「農樵は力を労し上を食(やしな)ふの職を曠(むな)しふせざるに、士として武道に闇(くら)く下を治むるの職分を尽す事能はずんば、農夫にだも劣りて、豈(あに)武士の称すること得んや。」

2013-07-01 17:15:31
武心インデックス @g369

武術で農夫や樵、漁師の如く強健さを得たとしてもそれだけでは、彼らのような卑しいものになってしまう。彼らは各々の職務によって、上を養うという大義名分がある。しかし武士がその生き様を知らずにその身分に安座し、下を治める事が出来ないならば、農夫にも劣り、どうして武士と名乗る事が出来るか

2013-07-01 17:17:52
武心インデックス @g369

時代が時代で職業差別というか、身分差別甚だしいのだが、それはともかくとして、ノブレス・オブリージュの言葉を連想するような、武士としてのあり方を示せぬものは、農夫にも劣るり武士を語る資格もないと。まあ似たような言葉は様々な武士道の本にもみられるのだが。

2013-07-01 17:20:05