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「無謀な冒険」「税金のムダ使い」などさまざまな批判が出ているが、このプロジェクトに関わる人々を半年間みつめてきた一人の人間として、思うところを書きたい。 http://t.co/8hSZVFfD3t それでも辛坊治郎・岩本光弘 両氏の再挑戦を願う/WEDGE編集長・大江紀洋
2013-07-03 16:54:51二人が小名浜港を出発したのは6月16日。想定日数は55日間で、8月上旬にアメリカ・サンディエゴ到着を見込んでいた。ちなみに「24時間テレビ」の放送日は8月下旬で、何の関係もない。 http://t.co/71M2ixbP25 それでも辛坊治郎・岩本光弘 両氏の再挑戦を願う
2013-07-03 17:00:05日本からの太平洋横断は毎年数十のヨットが挑戦しているそうだが、多くは6月の出発を選ぶ。行程全体で見たときの低気圧遭遇確率が低いからだ。「24時間テレビに間に合わせるため無理に6月に出発した」との解説はまったくの邪推である。 http://t.co/IL2x2hbWR6
2013-07-03 17:01:05プロジェクトの責任者、比企啓之さんから話を聞いたのは昨年12月。「アメリカに住んでるブラインドのヒロさんっていう人が、エオラスで太平洋横断したいって言うてるんや。一度は断りにいったんやけど、熱い想いを聞くと断れなくなってしまって」 http://t.co/jgyP7DJgI6
2013-07-03 17:02:46どうしたら応援してもらえるプロジェクトにできるか。そこで思いついたのが辛坊さん。ヨットの経験があって太平洋横断が夢と言ってたから、ヒロの相方をやってくれるかもしれん。ダメもとで頼んでみようと。そしたら辛坊さん、『面白いですねぇ』って。 http://t.co/5OJ4syRgPl
2013-07-03 17:03:31「俺、会社辞めようと思ってるんや。このプロジェクトに専念するわ」比企さんは当時、吉本興業グループの主要子会社よしもとディベロップメンツの社長。東京進出を手がけ、同社の急成長を支えたキーマンだ。50歳を前になぜそんなリスクを取るのか。 http://t.co/3rdz0226iX
2013-07-03 17:04:09辛坊さんも大きなリスクを取った。2010年に読売テレビを辞めてフリーに。多くのレギュラー番組を抱えていたが、太平洋横断するには番組を休まなければならない。「全部仕事がなくなることを想定しました。それでも、やろう、と」。 http://t.co/NlMAGnTzD5
2013-07-03 17:05:36比企さんも辛坊さんも人生のリセットを考えていた。そこにヒロさんが現れ、50代の男たちが純粋な想いに突き動かされ、いまの仕事を失うリスクを取る。小誌のようなビジネス誌でブラインドセーリングを記事にしたいと考えた理由はこの点に尽きる。 http://t.co/mjBQITTvri
2013-07-03 17:05:58ヒロさんの想いに突き動かされた大人たちは他にもいた。大阪・北港に停泊するエオラス号のもとへ行くといつも、せっせと整備に取り組むヨットマンたちの姿があった。比企さんの大学時代のヨット部仲間を中心とする「海宴隊」のメンバーたちだ。 http://t.co/6stVNwktgk
2013-07-03 17:06:25彼らボランティア、そして協力したプロたちの活躍でエオラスはボディー以外ほとんど新しくなった。最新鋭の通信設備と安全設備、それらを動かすに十分な電源設備を設置するため、床板や船室の壁を引っぱがし、細かな傷まで丁寧に修理を行っていた。 http://t.co/yc9hx5Trdw
2013-07-03 17:11:04整備の一日が終わると、安い居酒屋で一杯飲むことが多かった。わたしも何度か参加させてもらったが、ヒロさんの「目が見えないこと」を周囲のメンバーがごく自然に受け止めていることに心を打たれた。 http://t.co/7zMQy1nF5b
2013-07-03 17:12:54ある夜のこと。バイクレースの話で盛り上がっていた。それを聞いたヒロさんが「僕も乗りたい!」と言い出した。「さすがにそれは無理では」と言いそうになったところで、口をつぐんだ。「海宴隊」のメンバーが、ごく普通にアイデアを出し始めたからだ。 http://t.co/9e7PE8nRaK
2013-07-03 17:14:36ヒロさんと長く時間を過ごすと、誰も「無理」と否定しなくなるのかもしれない――。ヒロさんはインタビューのたび「僕がポジティブパワーを出し続ければ、周囲がポジティブになってくれるんです」と言っていた。 http://t.co/IVJKuuRNFx 太平洋横断 半年間の取材で感じたこと
2013-07-03 17:16:42わたしはその言葉を頭では分かっていたが、バイクのやりとりを見たときに、初めて腑に落ちた気がした。ヒロさんといると、いつの間にか「どうやったらできるか」ばかりを考える人間になっているのだ。 http://t.co/O1zsn6pJ6O それでも辛坊治郎・岩本光弘 両氏の再挑戦を願う
2013-07-03 17:17:13ヒロさんはよく言っていた。「目が不自由だからと距離を置かれたくない。ひとつの個性と受け止めてもらえたら」周囲の人々が頭で理解するのでなく、体でその域に到達していることに、私は率直に感動していた。 http://t.co/zk0VmOtKoc 辛坊治郎・岩本光弘 両氏の再挑戦を願う
2013-07-03 17:20:53なぜ浸水が発生したのか。事務局が24日に公表した、ヨット上方に設置されたカメラの映像によると、衝突の約10秒前に水面に少し黒い背ビレらしきものが映る。おそらくクジラとみてほぼ間違いないだろう。 http://t.co/nvS6XqWeo8 辛坊治郎・岩本光弘 両氏の再挑戦を願う
2013-07-03 17:25:42クジラのような「巨大海中障害物」と衝突し、どんなに当たり所が悪くても浸水しないようにするには、不沈構造にするしかない。船体の外壁を二重化する、外壁と船室の間に発泡体を積み込むといった方法だ。 http://t.co/Y0r8KkgcwF
2013-07-03 17:38:27しかし、そういった対処をすれば荷物を積み込めなくなる。エオラスには高度な安全装置や通信装置を動かすために十分なジェルセルバッテリー、二重系化された動力、もう1隻ヨットを造れるほどの大量な修理用機材・部品を積み込んであった。 http://t.co/3FkDqM8dXG
2013-07-03 17:39:49辛坊さんはわずかな時間でライフラフトを広げ、防水仕様の緊急持ち出し袋を携帯し、目の見えない岩本さんの移乗を助けながら自らも移乗するという動作をやってのけている。その冷静沈着な行動は、ベテランセーラーでも難しい動作だったという。 http://t.co/4zy4ynfPxh
2013-07-03 17:42:58実は、ライフラフトを実際に広げた経験のあるセーラーは少ない。実際に使用する場面があまり想定されないことに加え、法定業者の点検があるため、一度広げてしまうと再度設置するのに多額の費用がかかってしまうこともその原因だ。 http://t.co/UZraEVisAR
2013-07-03 17:44:071991年に発生した「たか」号遭難事故。日本からグアムまでのヨットレースに参加した1隻が高波を受けて転覆。6人のセーラーがライフラフトに乗り移り漂流。1カ月の間に5人が命を落とし、1人だけが通りかかった貨物船に引き上げられた。 http://t.co/okx8tKlOjv
2013-07-03 17:45:30ライフラフトに乗り移ることができても、海保側にきちんと所在地を伝えることは決して簡単なことではない。エオラスがあらゆる事態を想定して最新鋭の通信設備を備えていたことが、2人の救出に大きな役割を果たしたといえるだろう。 http://t.co/6qLWddhG91
2013-07-03 17:48:3518時14分、海上自衛隊の国産救難飛行艇US-2が、2人を無事救出。US-2は3m程度の波高でも海上に離着水できる世界で唯一の飛行艇だが、海上はもっと荒れていた。日没前の最後のチャンスを狙い、US-2は果敢なトライを実行した。 http://t.co/0fzSYsYGmH
2013-07-03 17:50:08辛坊氏「本当に命がけだったと思います。お名前を教えていただきたいと言ったら、チームでやってるから教えられないと。チーム名を教えていただきたいと言ったら、肩からはがして下さったのがこれです。海上自衛隊岩国基地第71航空隊のワッペンです」 http://t.co/IwBhdNm4qJ
2013-07-03 17:52:15