何かあっても、「アイヌ関係者」のうち民族学・言語学研究者は最後まで反応しないだろう。彼らは石橋を叩いて渡る。ひたすらマイペース。もどかしくても仕方ない。彼らは骨の髄まで保守的だ(それはよいことだ)。そして彼らが優先するのは正義でも政治でもない。
2010-09-23 12:31:29「アイヌ協会不正経理問題」に最近興味を持った人々のうち、右寄りの人は「アイヌ民族は上から下まで不正まみれ」と思うだろう。左寄りの人は「なぜすぐに処分しておしまいにしないのか」と思うだろう。「施策に関わっている研究者は何もいうことはないのか」と思うだろう。
2010-09-23 12:36:53何を優先するのでしょう? RT @paggpagg: 何かあっても、「アイヌ関係者」のうち民族学・言語学研究者は最後まで反応しないだろう。彼らは石橋を叩いて渡る。...そして彼らが優先するのは正義でも政治でもない。
2010-09-23 12:39:02だが、対アイヌ民族施策に関わっている研究者は伝統文化・言語学のフィールドワーカーが多い。つまり専門的な「観察者」ではあっても、現場に大きくコミットして改変していく活動家でも行政屋でもない。社会学者ですらない。だからこういうときの立ち回りは下手。
2010-09-23 12:41:42@nahualgarden 彼らは驚くほど人道主義的です。民族文化の復興のための活動を前提とした上で、伝承者が傷つかないこと。その遺族が傷つかないこと。伝統文化・言語の普及はいくら遅くてもいいが、強制的なことは一切しないこと。だから効率はすごく悪い。
2010-09-23 12:45:59. @nahualgarden 以前アイヌ協会(当時のウタリ協会)が教科書を作った際、言語学者も協力しました。結局各地の方言の例文を並べたものが出来た。統一されたのは表記法のみ。これが言語学者のやり方です。コミットする志向があれば、無理にでも「統一アイヌ語」に誘導したはずです。
2010-09-23 13:07:58違和感を感じるのは言語学者だからか?有力政治体なしに標準語は可能か?RT @paggpagg: …教科書を作った際言語学者も協力しました。結局各地の方言の例文を並べたものが出来た。統一されたのは表記法のみ。…コミットする志向があれば、無理にでも「統一アイヌ語」に誘導したはずです。
2010-09-23 13:13:00.@taiki_wger 統一・共通言語を構築するには方言の詳細な記述が必要です(日本ではここまでは行われました)。その後、コンセンサスなしに「標準語」が強制されました(方言話者の撲滅すべき特徴を冠し「イエシス教科書」と呼ばれました)。まるでこの状況を望むかのようです。
2010-09-23 13:20:37@satounaoto 言語学者はナイーブすぎます。バスク国は存在しないけれど、標準バスク語は提案されている。「アイヌ語教科書」では「○○地方ではAと言う」「××地方ではBと言う」という形で列挙されました。でも「AでもBでもよい」とすれば標準語の出来上がりだったのです。
2010-09-23 13:23:46@satounaoto 結局「標準語」にする時点で誰かにある種の強制を伴うのでは・・・コンセンサスなんてあり得るのでしょうか、とも思うのですが、ではどうしたらいいのか、といわれるとそれはそれでうーん・・・と。
2010-09-23 13:24:45@paggpagg この「「でも「AでもBでもよい」とすれば標準語の出来上がり」というのはどういう状況ですか?今ひとつよくわからないのですけど。
2010-09-23 13:26:21言語学者はナイーブに、ひたすら記述をすることに興味がある。ナイーブ過ぎるところを考慮に入れて実際の言語政策に組み込むのは政治の守備範囲では?そこに言語学者が関わるかどうかくらい自由に決めさせてくれないのかね。
2010-09-23 13:28:52「私は来た」を「kek」と言うか「kuek」と言うか。これはフィールドでは物凄く大きな違い。話者の前で「どっちでもいいじゃん」などという態度は取れない。でも、「kuekと表記してkekと読む」という選択肢だってあるはず。特にアイヌ語を第二言語として習得する世代にとっては。
2010-09-23 13:29:17@taiki_wger 教科書作成での問題は、全ての方言集団が「俺の地域の方言を標準語にしろ」と要求することです。あの教科書の「○○方言ではAと言う」「××方言ではBと言う」は実際には「○○方言ではBと言わない」「××方言ではAと言わない」という排他主義の表出だったのです。
2010-09-23 13:34:09@paggpagg 言語学者のナイーブさを問題にする前に、この話を先生の路線で進めるなら、バスクの問題、またセルビアの問題…をアイヌに平行移動していただきたいと思います。アイヌの方々は、アイヌの国を持つ場合にアイヌ語の統一言語をどうしたいと考えているのでしょうか?
2010-09-23 13:36:19@paggpagg だからそれこそまさに政治で調整する部分でしょう。言語学者の出る幕ではないのですよ。教科書ができることは副産物としては大いに結構として、記述言語学者の究極の目標ではそこではないと思いますけど。
2010-09-23 13:38:02構造主義言語学者たちの姿勢は、幸か不幸かアイヌ語話者たちの言語意識と非常に親和性が高かった。そりゃそうだ、フィールド言語学なんだから。「方言」同士は事実上敵対している。言語学者は当初融和を試みたが無理強いはせず、表記の統一にとどめた。効率は悪いが良心的だ/良心的だが効率は悪い。
2010-09-23 13:39:13横から失礼します。その排他主義は当然で、世界中どこでも起こっていることです。関心があるのは、そこでどう妥協点を見つけるか、です。どちらも許容、でよかったのか、そしてそれを言語学者が決めてもよかったのか。話はそう単純ではないはずです。@paggpagg @taiki_wger
2010-09-23 13:41:38@taiki_wger 全くおっしゃるとおりです。伝統文化研究も言語学も学問としてはその通り。ですから言語学者の中には「なるべく協力しない」という姿勢をとる方もいる。でも、実際には対アイヌ施策に協力している研究者には伝統文化研究者・言語学者が多い。それが実情です。
2010-09-23 13:42:32