麻生発言の「真意」 ― なぜ矛盾が成立するのか

直立演人 @royterek

麻生はナチスを二つの異なるモデルで理解していると思われる。第一に、民主党をナチスに模した発言からもわかるとおり、反自民的なリベラル勢力全般（マスコミも含む）をナチズムと親和的と捉えている。それにもかかわらず、一方で彼は、そうしたリベラル勢力を出し抜いたナチスの手法も買っている。

直立演人 @royterek

では、なぜこのような矛盾した言動が成立するのか。

直立演人 @royterek

現代世界において、ナチズムほど絶対的な悪として認識されている政治運動は他に例を見ない。それゆえ、ナチズムに密かに惹かれている者でさえも、ナチズムが絶対悪のシンボルだという認識はもちあわせている。だからこそ、時としてナチ・シンパでさえも、自分と敵対する勢力をナチ呼ばわりできるのだ。

直立演人 @royterek

政敵を貶めるためにレッテルを張る行為と、そのレッテルが表象する現象や運動の内実を評価する行為とは、それぞれが別の目的でなされる場合には、両立し得る。だが、そうしたレッテルが社会的に絶対悪のようにみなされているナチスなどの場合には、論理的にはもちろんのこと、倫理的にも両立し得ない。

直立演人 @royterek

人の行為は矛盾に満ちている。世間で悪とみなされていることに、それを承知しながらも抗いがたく惹かれてしまうことは珍しくない。人はつねにこうした二律背反に縛られている。その意味で、麻生の矛盾した言動は実に人間臭い。論理や倫理が殊に重んじられる政治に最も関わってはならないタイプだが。

直立演人 @royterek

論理的にも倫理的にも破綻している麻生発言に見られる矛盾の両立は、在特会をはじめとするレイシストらの言動と非常に親和的である。彼らは、自分たちと敵対する勢力にナチスやスターリニズムのようなレッテルを貼ることで、その横暴振りを揶揄することも珍しくないが、その実、ナチスに心酔している。

直立演人 @royterek

麻生と在特会等のレイシストの思考パターンは酷似している。その最も雄弁な例を、鶴橋の排外デモで神鷲皇国会が掲げていた二本の旗に見てとれる。一本は正式なナチス旗（彼らの心酔を示す）。もう一本は韓国の太極旗に鉤十字を模す（韓国＝ナチと非難）。http://t.co/nngQB6XsCm

直立演人 @royterek

要するに、ナチに忠誠を誓いながら、政敵をナチ呼ばわりしているわけである。さすがにここまでわかりやすくはないが、麻生が民主党やマスコミをはじめとする反自民勢力をナチスにたとえながらも、同時に、ナチスの手口には学ぶべきところがあると考えていたとしても、何ら不思議はない。

直立演人 @royterek

麻生は、民主党を筆頭に、マスコミも含む反自民のリベラル勢力をナチスにたとえているが、はたしてこれは彼の「真意」なのだろうか、それともただのポーズなのだろうか。もし彼がナチスの「手口」は買っているものの自分をナチス・シンパと思われたくないと考えているのなら、ただのポーズに違いない。