第二大罪大戦《第一の狭間》【戦闘フェイズ1】

紅(ルージュ)は憤怒、コレール(@reclew_2ndsin) 黒(ノワール)は憤怒、ツォルン(@whiteplays_sin) 狭間に出で遭い、交叉する。
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黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

後ろに着地音、それと同時にかけられる言葉。 遊ぶ? この私と? 「ふざけて、いるの?」 振り向く、木靴が乾いた音を立てる。少女は目で姿を追う。今度は見える、けれど見えすぎている。 手品の様な事をするのね。それも、ヒトがする事だったわね。 少女は自身の足元を見る。→

2013-08-05 17:50:14
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

→足元はスカートで隠れてあまり見えない。 「気に入っていたのに」 歩くと音が鳴る木靴。ごめんなさい、だけど、今は必要なの。 少女は少年へ視線を戻す。 幼いヒトがよく言っていた。私はそれを聞いていた。 「良いわ、遊びましょう、お兄ちゃん?」 →

2013-08-05 17:52:55
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

→ 言い終わる前に少女の足元から電気が走る。 それは別れて前へと進む。見えている姿と、その間へと床を這った。

2013-08-05 17:54:33
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

「ふざけてなんか…!?」 床を激しい光が走る。 突然のことに驚き対処が遅れたせいか、蜃気楼と自分の間を走ったそれは流れる先を求めてか少年の下へと集う。 これは…電気!? 「ぐっ…!?」 バリバリと電流が体を焼いた。 そのショックからか蜃気楼は消え失せた。

2013-08-05 18:13:38
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

「居た」 少女は軽く駆け出す。少年の元へと床を蹴る。木靴は床を鳴らし音を出す。ただその音は以前よりも透明ではない。 遊ぶのでしょう? 貴方は、私で? 「ねえ、逃げないで?」 私はまだ酷いことをされていない。 少女は再び手を伸ばした。

2013-08-05 18:20:48
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

「…うっ…」 身体に走った電流により、しばし動けなくなった間に詰め寄られた。 少女の手が伸びて、少年の頬に触れる。 「…何の、つもり…?」

2013-08-05 19:51:39
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

「貴方こそなんのつもり?」 少女はまるでガラスのような瞳で少年を覗き込む。 「戦いたくなくても、貴方も扉を選んだのでしょう? 遊びで勝敗をつけるの?」 後ろになびいていた少女の髪が、ふわりと戻ってくる。触れた先がパリッと音を立てる。 「私が謝罪をすれば、貴方は負けを認めるの?」

2013-08-05 20:02:00
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

「…違うね、君が、謝罪をして…君が負けを認めるんだ」 そう言って、少女を見つめ返す。 「君は、僕を殺したいかい?」 ガラスのような瞳を見て言っているのか。 ガラスのような瞳に映る自分を見て言っているのか。 それは、誰が知りえる真意なのか。

2013-08-05 20:15:09
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

「私がしたいのは、私が過去になる事」 頬の手を首へと回す。 「だから、もう少し、もう少し扉を多く選ばないといけないの」 だから。 「ここで消えたくは無いの」 告げた。私が扉を選んだ理由。分かり易くはない。 「貴方が一番したいことは何? 私を殺す事?」 背中は無防備だが気にしない。

2013-08-05 20:23:40
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

「…僕が、一番したいこと…」 よく、わからない。 嘘だ、自分のことだ、よくわかっている。 けれど、僕は… 「消えたくない、かな…生きて、また可愛い妹や大事な『あの子』の姿を見るんだ」 嘘か本音か。 どちらも入り混じった言葉なのか。

2013-08-05 20:31:44
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

妹……私と同じくらいなのかしら。それが、戦えない理由? 少女の髪は少年の近く。床に這う長い髪からは筋状の光が見える。 ああ、だめね。靴だけじゃなくて、服も焦げてしまうわ。この子は何も悪い事をしていないのに。全部、このヒトのせい。 「ごめんなさい」 光は電撃となって少年を襲う。

2013-08-05 20:43:35
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

「がっ!? あ、ぁ…」 再び電撃が少年を襲う。 服が、皮膚が、髪が、焦げる。 飛びそうになる意識を必死に繋ぎとめ、何とか保つ。 僕は、このままでいいのか?

2013-08-05 21:16:53
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

床から足へと走った電流を感じる。焦げた匂いが上ってくる。それでもまだ、倒れる気配はない。 「ヒトは」 首の欠陥を止めると、意識を失うのでしょう? 指を首へと、足りない力は自分に電気を這わせて補う。 「眠って」 これ以上、私にこの子を傷つけさせないで。

2013-08-05 21:23:12
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

僕は、このままで… 「…………」 身体が、動かない。 いざとなったら、と思ったけれど。 僕には… 「…『信念《守りたいもの》』を、捨てるなんてできないよ…」 ぽつり、そう一人ごちた。→

2013-08-05 21:49:28
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

→ 嗚呼、いざとなれば「『コドモ』を守りたい」という自分の想いさえも『屈折』して目の前の『コドモ』を手にかけよう、なんて思っていたけれど。 そんなことをしてしまうと、それはもう僕ではない。→

2013-08-05 21:50:30
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

→ 僕は紅の罪華の道化、『屈折』の『憤怒《コレール》』… この『憤怒《怒り》』は全て『オトナ』に。 この『憤怒《憎悪》』は全て『オトナ』に。 …僕の力は、『コドモ』に使うものではない。 いくら『道化』でも、それだけは演じられない。

2013-08-05 21:52:36
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

「なんで……」 首は焼いてしまった。ヒトなら、致命傷……なのに。 「なんで、生きたいって言ってたのに、抗わないの?」 敵でしょう? どうして……。 少年は倒れる。私は無傷。なんで? 「私は傷を負って、歴史に」 知らない、こんなヒト。 少女は立ち上がり、倒れた少年から離れる。

2013-08-05 21:55:58
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

―――身体は、まだ動く。 うん、大丈夫…首を焼かれたくらいでどうした。 首へのダメージなんて、『ヒト』だった頃から与えられてきたんだ。 →

2013-08-05 22:01:29
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

立ち上がる。 もう演じる必要もないし、演じることも出来ない。 「…僕には、どうしても出来ないんだ。 『コドモ』を傷つけることが」 ぽつり、相手の問いに答える。

2013-08-05 22:02:37
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

立ち上がる、嘘。だってもう、意識も飛びかけているはずなのに……。 「でも! でも!! 大罪でしょ!? 何してるの!!」 なんで、だからって、死ぬなんて、私は無傷よ? 意味が分からない。分からない。 少女は一歩、また一歩と下がる。木靴はもう割れていて綺麗な音は奏でない。

2013-08-05 22:05:44
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

「駄目なんだ」 ふらつきそうな足元を必死に踏み留めて、姿勢を保つ。 「僕は…紅の『憤怒《コレール》』は、『オトナ』への憎悪で出来ている。 それと同時に、『コドモ』を守ることは、僕に、とって…同等の、いやそれ以上の…信念、なんだ」 意識もふらつく。 駄目だ、保って見せろ。→

2013-08-05 22:11:08
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

→ 「僕は『憤怒《コレール》』」 「『コドモ』に害をなす『オトナ』を滅ぼしたいと」 「『オトナ』から『コドモ』を守りたいと」 「そう願った少年から生まれた『大罪』なのさ…」 だから、そう。 「『コドモ』を攻撃したら、僕という存在はその時点で『無くなる』のさ」

2013-08-05 22:13:22
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

「…………」 貫こうとした少年。きっと正しい事。けれど。 「相手が私で、残念だったわね」 取り繕う。声は震える。足を後ろに下げる準備はできている。 私は子供、だけどヒトではないもの。子供として作られて、子供であろうとする物だもの。 「貴方が守りたい子、名前を聞いてもいいかしら?」

2013-08-05 22:19:51
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

「…『全部』だよ」 少年は答える。 「『全ての子ども』が、僕の守りたい子なんだ」→

2013-08-05 22:30:10
muguet(ミュゲ) @reclew_2ndsin

「当然、君もね?」 言葉を続ける。 「例え、『物』であろうが『者』であろうが、『コドモ』は『コドモ』さ…その精神が、その想いが、『コドモ』ならば、僕はどんな子でも守ってあげる」→

2013-08-05 22:30:20