大罪大戦WoS:第一交流フェイズ【紅陣営】

――黒を、染め上げろ 紅の嫉妬【 @gomoku_sin 】  紅の傲慢【 @nigayuki_sin_k 】  紅の憤怒【 @sin_a_yuina 】   続きを読む
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@gomoku_sin

その獣は静かに佇んでいた。雲一つない蒼穹の空からそのまま切り取ったような、蒼い獣の瞳がゆっくりと周囲を見渡す。 「……帰ったか、強欲嬢」 響く声は男女の高低が入り混じる。老人から年端もゆかぬ子供まで、ありとあらゆる人間の声を捏ね合わせた歪な声音が、強欲の帰還を迎えた。

2013-10-02 22:21:48
紅の強欲 貪 @actTan7

「ああ、今帰ったよ、チィートゥー。ただいま、私の嫉妬」 白狼を見やり、微笑。固く閉じられた扉を背に、強欲は凛と立っている。 「とりあえず……熱いお茶、の前に着替えかな」 肩口が血に染まった白衣のまま抜き身の刀を手に、困ったように首を傾げてみせる。 「チィ、とりあえず中へ戻ろうか」

2013-10-02 22:33:00
@gomoku_sin

血塗れた肩口に視線を送り、僅かに目を細める。 「嬢が傷を許すとはな」 珍しいこともあるものだ。よくよく見れば鞘もない。 しかしその事実に対する言葉をそれ以上紡ぐことはなく、強欲の後に続こうと立ち上がった。

2013-10-02 22:39:26
紅の強欲 貪 @actTan7

「――愉しくなってしまって、つい、ね」 一瞬、金色に獣が宿る。 「折っておいた方が多少、侵すのが早いんだよ」 何を、とあえて頭には付けず、館へと歩みを進める。 「やらなかったけどね」 軽く肩を竦め、くつりと喉を鳴らした。

2013-10-02 22:55:49
@gomoku_sin

「愉しげで何よりだ」 ぎらついた一瞬の金を見逃さず、ぴたりと強欲の横についてそう零す。 『変わる』様をその場で見たかったと、浮かんだ欲はもはや仕方のないものと流した。 「何が起こる」 訊ねる声音は、あくまで静かな。

2013-10-02 23:04:55
紅の強欲 貪 @actTan7

「――戦争だよ。紅(私達)が唯一を奪い取る為の、ね」 金色は穏やかに。幾度か瞬きを繰り返した。後、笑みを浮かべると白狼の頭に手を伸ばし、 「皆はどうしてる? 離れていたのは少しの間だと思うのだけれど」 と首を傾げて問う。館へと入る扉の前でぴたり、足を止めて。

2013-10-02 23:19:41
@gomoku_sin

「――ほう?」 戦争。相手がどこの誰であるか、興味はないが。 「『変わりゆく』様は、見られそうだな」 変化するものの観測は、『不変』たる自身が何より求めるもの。頭を撫でる手に、さらに自分から頭をこすりつける。

2013-10-02 23:44:22
@gomoku_sin

「他は、知らん」 先程までどこにいたかは知っているが、今、どうしているかは知らない。獣にとって、過去は現在の行動を判断する基準になりえない。 「入って確認すればいい」 慣れた様子で器用に、濡れた鼻面を使い館の扉のノブを回して扉を押し開けた。

2013-10-02 23:44:28
紅の暴食 @sin_atom

(あれ?あれあれあれ?) 血の臭いを敏感に、誰よりも早く感じ取り、ふらふらと館を徘徊していたその男は、玄関ホールの所でその肩を真っ赤に染めたこの館の主の姿を発見し、目を丸くした。

2013-10-03 00:16:49
紅の暴食 @sin_atom

「…どうしたの?なんで?そんな美味しそうな恰好、して。美味しそう。」 口の拘束具を外し、無邪気な笑顔でそう問いかける。 その言葉は妙に子供じみていて、片言だった。充満する血の臭いに、男の裂けた口の端からはだらり、と涎が零れ落ちた。

2013-10-03 00:18:46
紅の強欲 貪 @actTan7

「おや、パォ」 だらりと涎を零した青年に笑みを返して、肩の傷に己で触れる。 「愉しくなってしまって、ちょっとね。君は――これから食事、かな? パォシー」 口元を伝う涎を拭ってやろうかと考えて、手を伸ばす。

2013-10-03 00:37:11
紅の暴食 @sin_atom

「そうなの?へぇ。君はたのしくなると美味しくなるんだ?覚える、ずっと覚える、ね。どうせ食べる、なら、美味しい方が、好き、だもん。です。」 伸ばされた手をそっと握って、自らの口元へと運ぶ。 口を開き、その柔らかな手を今まさに口内に招こうかという時、寸での所で、彼はその動きを止めた。

2013-10-03 00:57:08
紅の暴食 @sin_atom

「やっぱり、もうちょっと、我慢。もうちょっと、太ってからの方が、美味しい。だから。」 握った手を離して、それにね、と。 口の端を大きく歪ませて、何処までも無邪気に、男は笑った。 「母さんの言う通り、ご飯、これから。今日は偽ウミガメのスープ、母さんも食べる?そこのわんこ君も」

2013-10-03 01:04:36
『不安定』インスタビリテート @ToEvil_yuina

ぱらりとページを捲りかけた指を止めたのは反射だった。ざわりと伝わる何かの気配。空気が動いたのだ、と理解した頃には既に男の眉間には深い皺が刻まれていた。 瞼を下ろし、館を探る。増えたのは、二つ。玄関ホールにあるそれが、空気の変化、不愉快の原因。だが、男は直ぐに「ああ」と力を抜いた。

2013-10-03 01:07:45
『不安定』インスタビリテート @ToEvil_yuina

「……お帰りのようですね」 豪奢な天蓋付きのベッドへ向けて男は囁いた。自室のそれは大切な彼女の為に設えたものだ。返事が無いことに安堵しながらも、姿勢を正す。たとえ彼女が眠っていても、男は彼女の自慢でありたかった。

2013-10-03 01:07:50
『不安定』インスタビリテート @ToEvil_yuina

感じた二つの気配を男は既に知っていた。それも、片方はこの館の主人のものに違いなかった。それが正確な表現かは知らないが、大した問題ではない。敵でないのならそれで良い。男は再びベッドへ向けて囁いた。 「お気になさらず……貴女を害すものではありません。どうかそのまま、お眠りに…」

2013-10-03 01:07:55
紅の強欲 貪 @actTan7

自身の手が暴食の口内へと運ばれそうになっても女の表情は笑みを湛えたまま。 「今日は偽ウミガメのスープか、それは美味しそうだ」 袖口で彼の涎を拭ってやると、金の眼は柔らかにな弧を描く。 「折角だけれどごめんよ、私は着替えて来なくては。チィはどうするんだい?」 白狼を見やり問い掛け。

2013-10-03 01:27:29
@gomoku_sin

食事は要らない体質、 「私は喰わなくとも良いが。……暴食公次第だ」 一緒に来てほしいと言うならば、ついていこう。自分からは何かしらやろうとも思わないし、やるべきこともない。『嫉妬』として、在るだけが自分の存在意義であるからして。

2013-10-03 01:39:14
紅の暴食 @sin_atom

「母さんはいいの?じゃあ、母さんのぶんは、僕のご飯。行こう、わんこ君。」 白狼の毛並みをゆっくりとした手つきで一度だけ撫でると、暴食と呼ばれたその男は厨房へと続く廊下へと足を進めた。 1歩、2歩、3歩。 そこでピタリ、と歩みを止め、唐突に振り返る。 「でもね」

2013-10-03 02:02:33
紅の暴食 @sin_atom

「その赤いの、血、美味しそうなそれ、早く止めて、消してね。そうじゃないと…」 一瞬、ほんの一瞬のだけ、男の顔から笑顔が消える。 酷く無表情なその顔はどこまでも不気味で、瞳だけが獣の様にぎらついていた。 「食べちゃうから、母さんの事」 一言だけそう呟いて、男は廊下へと姿を消す。

2013-10-03 02:08:15
紅の暴食 @sin_atom

……再び垂れた涎を、今度はしっかりと自分で拭って。

2013-10-03 02:12:44
@gomoku_sin

誘われるままに、暴食に続いて歩き、彼が足を止めれば自身も止める。涎を拭ってはいても、その食欲の矛先を仲間に向けるのすら隠さない暴食を見上げ。共食いもまた『変化』かもしれないが、好ましいことではないだろう。 「……喰うなよ」 念は、押しておく。

2013-10-03 02:21:23
紅の強欲 貪 @actTan7

ギラついた目を見つめ、金の眼を瞬かせると、去り行く背中に微笑み掛けて。 「そうだね。ユィに包帯でも巻いて貰うとするよ」 穏やか声音。白狼の言葉にくつりと笑った後、足音を立てることなく自室へと着替えを取りに戻る。 「ユィが部屋にいてくれるといいけれど」 ぽつり、独り言をぼやく。

2013-10-03 02:53:15
紅の色欲 @sin_ikjkr

遠くで、音と声。それによって意識が浮上、ゆっくりと瞼を持ち上げ体を起こす。どうやら寝落ちていたらしい。 「いつの間に?」 ぽつりと零しベッドから足を下ろす。 その間に館が幾分か賑やかになっている。帰ってきたと思っていいだろう。――それにしても。 「どれくらい時間がたったのかしら」

2013-10-03 03:14:33
紅の強欲 貪 @actTan7

桐の箪笥から着替えの巫女装束を出して腕に掛ける。軽く鏡台を見やり、髪型を整えてから、ふと肩口の様子を改めて確かめる。 つい先刻、黒の傲慢に付けられた傷。僅かに歪んだ己の口元を見、手で覆い隠す。ゆるり、息を吐くと鏡に布を掛け、物音立てずに部屋を出た。 ――そして隣室の扉の前に立つ。

2013-10-03 03:43:00
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