第二大罪大戦《第二の狭間》【戦闘フェイズ1】

紅(ルージュ)は暴食、グルマンディーズ(@Gourmandise_rai) 黒(ノワール)は怠惰、トレークハイト(@sin_gomokumame) 狭間に出で遭い、交叉する。
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――― @sin_gomokumame

押し合う五枚の画面を、自ら横へ投げ捨てようと力を前から横へ。 これでバランスが崩せれば、身体を横に転がして自分の上から暴食を排除しようと試みる。 死ねない。『座』を捨ててはならない。『黒の怠惰(トレークハイト)』というアイデンティティを、失ってはならない。

2013-08-07 04:59:25
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

「え?うわ!?」 完全に予想外の行動に驚くも押し込む方向は真下の相手だ。 崩れるにしてもその方向に向かうことに変わりはなかった。 バランスを崩し、左腕の支えもないまま右腕を曲げた形になると相手に肘打ちの要領で胸へと突き出す。 →

2013-08-07 15:41:29
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

「あ…………あ、あんまり往生際が悪すぎるのも考え物ってことだね。」 既に手持ちにはナイフもフォークもない。だが、状況的には圧倒的有利。活かさずこの状況を打破されるわけにはいかない。 ふと目に映る『紅』を確認する。 体勢を整えるより先にネクタイを掴む。→

2013-08-07 15:45:15
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

ネクタイを掴み離しさえしなければ相手も『降伏』せざるを得ないだろう。そう感じ、左腕の痛みに耐えながらネクタイを一瞬、グイッと引っ張る。 「もう『諦め』たら?さすがに、これ以上の『足掻き』は『死』と同じだよ?」

2013-08-07 16:17:56
――― @sin_gomokumame

「がっ……!」 体重のかかった肘が胸に直撃する。貫く衝撃、痣になっているだろう背中もその衝撃で、三度目の激痛が広がった。 掠れた息が満足に吐き出せずに喉の奥で詰まる。その間にネクタイを掴まれて引き寄せられる。顔が近づいた。→

2013-08-07 17:25:03
――― @sin_gomokumame

は、と息を押し流す。暴食の吐く言葉に、口端がつりあがり嘲笑が浮かぶ。 「君は理解してないね、『大罪』に『諦め』はない。あるのは『生か死か(Slave or Die)』。生き残った者が『座』に在り『唯一』」 「君たちに選択肢はない。『唯一は黒』、それは僕の『予測』する『事実』だ」→

2013-08-07 17:25:37
――― @sin_gomokumame

自分の手を拘束しなかったのが彼の落ち度だった。左腕を失い、右手でネクタイを掴んでいる彼にこれを防ぐ術はきっとないだろう。 両手を伸ばす先は、がら空きの暴食の、首。力の限り、絞めようと。 「君たちには『死』しか選ばせない!」

2013-08-07 17:25:52
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

「ぁ、ガァ!?」 彼女の手が自分の首に巻きつく。 ネクタイを持つ手を引くがおそらく相手も離すはずがないだろう。そう感じると取る手段は悔しくても、この手を振り払うこと。 「ク、ゥ、、、ガ!!!…はぁ、、はぁ、、、」 ネクタイを離し、胸に手を置き、姿勢を直す。→

2013-08-07 17:52:09
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

→ 相手の左腕を掴み振り払う。戻す手で左手首を掴み離す。 酷い執着。 ここまでの執着を見せる相手に尊敬もすれば少なからず恐怖した。 「はは…そっちだって満身創痍で少しボクが早く動けば『死』にそうだっていうのに…」 最初の嗤いが嘘のように今は息を吐く。→

2013-08-07 17:57:38
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

→ 「アンタの何がそこまで突き動かす?………『紅の嫉妬(アンヴィ・ナルシス)』との関係があったりするの?」 ふと、扉をくぐる前のことを思い出す。 どこか悔しそうな、悲しそうな表情を浮かべ、左腕の痛みが強くなりだしたのか右掌で左肘を押さえながら。

2013-08-07 18:00:47
――― @sin_gomokumame

「『ナルシス』……ッ!?」 絞めていた首さえ放してしまうほど、困惑した。 その、名前は。 「なぜ『紅(きみ)』が『ナルシス』の事を知ってる!?」 それは、確かに、遠い昔に『削落』した存在の名前。

2013-08-07 18:07:58
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

「?」 『ナルシス』との会話を思い出す。確か、 「『紅の嫉妬(ナルシス)』は『クァート』を取り戻してと言った。きっと、ボクがそれを取り返せるとは思っていないだろうけど、それでも、『クァート』のことを『ナルシス』はあきらめていない。と…」 そこで今の状態を加味して苦笑いする→

2013-08-07 18:14:05
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

「はは…そう。『ナルシス』が諦めていない…ボクだって、諦めているわけじゃ、ない。」 腕を抱え頭を振り、雑念を飛ばす。大丈夫。まだ『紅の嫉妬』から『信頼』を失ったわけじゃ、ない。 「『ナルシス』は『紅(ボク達)』の『嫉妬』だ。何も語る口がないなら、もう、ここで…」→

2013-08-07 18:18:07
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

『黒の怠惰』が『紅の嫉妬』のことを知っている。それがなぜか気に食わない。 どうしてなのかわからない。ただ、そう思ったが故に。 左肘を掴む右掌に力がこもる。 返答次第では、今にも殴り掛からんとする目付きだった。

2013-08-07 18:20:51
――― @sin_gomokumame

「『クァート』を取り戻す……?諦めてない……?」 聞いてはいけない、ふたつの名を、聞いてしまった。 「『ナルシス』は、『クァート』は、それは、僕が『削落』したものだ!もう亡いものだ!『在ってはならない』!」 『削ぎ落とした』はずのものが、まだ在る、なんて。→

2013-08-07 18:59:40
――― @sin_gomokumame

それは自分の『削落』の『罪科』が許さない。 「死ねない理由がもう一つできた」 『削落』しなければならない。自分が殺し損ねた、2つの存在を。 「『ナルシスとクァート(在ってはならない存在)』を、削ぎ落とさなきゃ」 ぶぉん、音をたて画面が現れる。たったひとつ、しかし自身の目の前に。→

2013-08-07 18:59:49
――― @sin_gomokumame

そのために。 「君は『邪魔』だ!」 捉えた視界、画面。『紅』に染まる画面内の『紅の暴食』。続けられて、たった今触れた事でさらに進んだ『解析』。『削落』させるには十分すぎるほど『把握』できていた。 『罪科』が、暴食の首に襲い掛かる。

2013-08-07 19:05:41
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

「な!?」 相手の行動に驚きを隠せなかった。 少し小バカにした行動も威嚇も大して意味もなく、ここまで抵抗し、圧倒的に自分にないと感じた『往生際の悪さ』に感心もするが感心してばかりもいられなかった。 呼び出した画面を確認して体勢を立て直そうとする。 が、気付く。→

2013-08-07 20:29:45
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

→ 引いたらこちらが圧倒的に不利に落ちると。 攻撃の瞬間が訪れる。 (なら、ば!) 力の限り右手を降り下ろす。 狙うは相手の左肩。 「自らの命賭けてでも、アンタの『肩』だけでも『食らう!』 『紅の罪華、色食暴食、黒の罪の一端を食らう』!」→

2013-08-07 20:37:11
紅の暴食 グルマンディーズ @Gourmandise_rai

→ 相手の肩に刺さる右手。 渾身の一撃を入れて絶命する。 「っーーーーー」 相手の攻撃をまともに受ける。 まともに受けてしまったために『削落』する。 身体と首が分かたれる。 生きているのはまず無理な状態。 生亡き瞳は中空を見つめ絶命したことを知らせていた。

2013-08-07 20:42:58
――― @sin_gomokumame

『削落』と同時に左肩が灼熱する。突き刺さる暴食の右手、削ぎ落とした暴食の血が生温い雨となって降り注ぐ。 地に落ちて広がる『紅』は、『黒(自分)』から流れ出す赤にゆっくりと混じり合って、溶けた。 「…………」 上半身をゆっくりと起こす。暴食の身体を、そっとどかして。

2013-08-07 21:36:08
――― @sin_gomokumame

立ち上がると、ばりばりと硬い音を立てて『色』を喰われたズボンが崩れた。脚は無事だったから、よしとしよう。 激痛に呻きつつ左手から、細い腕輪を外した。『黒』の埋め込まれたそれから、裾で血を拭って懐におさめる。これは『失くしてはならない』もののひとつ。

2013-08-07 21:36:31
――― @sin_gomokumame

顔を上げればその先には、扉。勝者たる自分に開かれた、『黒』へ戻る道。 使い物にならなくなった左腕をだらりと垂らして、歩き出す。自分がこの場からいなくなれば、狭間は全てを呑み込み消えるだろう。 最後に、ほんの少しだけ、振り返り。

2013-08-07 21:36:44
――― @sin_gomokumame

狭間に残される『暴食』の身体を一瞥する。 言葉は、無く。 その視線が意味するものを、誰にも悟らせることなく、 『扉』は、閉じられた。

2013-08-07 21:36:50