はだしのゲン閉架問題って本当に駄目な事？ その２　その後の進展と見解

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

まず今一度繰り返しておきたいのは、今ネット上では「はだしのゲン」が閉架処置を受けた理由を「声のでかい１人の人間のクレームに屈して」だと完全に決めつけられているが、これは厳密には間違い。

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今回の決定は議事録を読む限りは例の「在特会メンバー」とやらの陳情は市教委は明確に却下している。その上で「改めて精査したら描写の過激さからゾーニング・レーティングが必要と判断」という経緯なので、少なくとも建前上はクレームに屈した訳では無い。

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しかし勿論「そんなのはあくまで建前でしかない。言い訳に体よく表現の問題が使用されただけだ」という疑惑の投げかけも可能。荻上チキ氏の「本当に表現が問題だと思ったのか、それとも市民への対応が面倒だから別件で閉架したのか。教委の判断論拠は何かが問われそう」の言葉が思い出される。

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しかし少なくともここまで再三言ってきた通り「はだしのゲン」がゾーニング・レーティング対象になるという判断自体はそこまでおかしなものでは無い。である以上、現段階で「市教委はクレームに屈した！」と決めつけた発言は、批判としても稚拙で早計と言わざるを得ない。

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その点を踏まえて、次にこちらのfinalvent氏のブログ記事を見ていこう。市教委に対して擁護よりかも知れないが、少なくとも現状の経緯は非常に簡潔にまとまっている。/松江市教育委員会による「はだしのゲン」学校図書室閉架問題について: http://t.co/8VILK4RVgG

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ここで重要なポイントは２つだ。まずは「市教委が独自に判断するということ自体には制度上の問題はないどころか、本来の市教委のありかたである」の記述。ここまで「決定プロセスに問題あり」と言ってきたが、少なくとも制度上は特に問題の無い行為である事が分かる。

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ただしそれを「本来のあり方」とまで言って良いかは考え所で、制度上問題が無かったとしても、もう少し何らか議論を深める場はあるべきだったのではないかという批判はあっても良い。とは言え、誰かが処分を受けなくてはならない程の重大な「不祥事」とまでは言えないだろうという点には留意すべきだ。

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次に重要なのが「はだしのゲン」が、4巻までの第一部は少年ジャンプにて連載されていたが、それ以降の第二部は大人向け雑誌へと掲載の場を移行していた点。

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それに関するfinalvent氏の意見がこうだ。「当時「少年ジャンプ」に連載された第4巻までは、暴力表現などのレーティングの問題は、時代的なレーティング意識の制約はあるとしても、さほど大きな問題にならないだろうと推測される」

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「閉架措置を全巻対象とした市教委の判断は粗雑すぎるので、再考し、まず、4巻までを開架に戻すのが妥当だろう」

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

氏が提案する掲載誌を基準にして考えるというのには一定の妥当性がある。明確な線引きこそ無いが、雑誌はそれぞれの雑誌毎に対象年齢をある程度限定しており、これは社会的には弱いレーティングと見なして良い。よって掲載誌の対象年齢に応じてゾーニングを行う事には高い妥当性が存在すると言える。

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既にいくつかの報道にて、閉架処置をとられたのはあくまで5〜10巻で、ジャンプに掲載されていた1〜4巻は開架のままである事が判明している。すなわち市教委は最初から掲載誌を基準にした、極めて妥当性の高い判断を下していた訳だ。

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訳だ、が、実はそこにも意外な落とし穴が少し存在する。（ちなみに、どうやらテレビ報道によると、実際には全巻閉架されてる学校も多いらしいが、そこは指示通達の問題なのでここでは特に問題にしない）

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

と言うのも、残虐描写の比較と言う意味では単純に後半の方が過激という訳では無いからだ。そもそも恐らく最も残虐であろう原爆投下のシーンはまさに前半の内容だ。多くの人が「はだしのゲン」でトラウマになったと言うのもおそらく原爆によって焼け死ぬ人々の描写だろう。

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

そもそも当時のジャンプと言えば、我らが豪ちゃんのハレンチ学園なども掲載されているように、現代のレーティング基準としてどこまで信用して良いかというと、実はかなり怪しい部分がある。

おりた @toronei

@adenoi_today ハレンチ学園とはだしのゲンは掲載時期が全く被っていませんよ。

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

ありゃ、本当だ。確認したつもりになってた。ご指摘ありがとうございます。 RT @toronei: ハレンチ学園とはだしのゲンは掲載時期が全く被っていませんよ。

おりた @toronei

ハレンチ学園68年-72年、男一匹ガキ大将68-73年、トイレット博士70-77年、アストロ球団72-76年、はだしのゲン73-74年、サーキットの狼75-79年というのを考えると、ちょっと年齢層上の雑誌だった感じはあるよなあ。

おりた @toronei

78-79年ぐらいに一斉に「リングにかけろ」「3年奇面組」「キン肉マン」「Dr.スランプ」がはじまって、ジャンプは一気に低年齢層に読者広げた感じかな？

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

なるほど。

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

とりあえず続き。

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

ここで今一度今回の件の発端となった「一人の市民のクレーム」とは「在特会メンバー」による「反日左翼思想に染まった出鱈目漫画を学校に置くな」という内容だった事を思い出そう。「はだしのゲン」において左翼思想が色濃くなるのがまさに５巻以降の後半部分なのだ。