論文和訳(アブストラクトと概要) 民間航空機乗務員の癌および他の原因による死亡率:10ヶ国のコホートの合同分析

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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

Mortality from cancer and other causes in commercial airline crews: a joint analysis of cohorts from 10 countries http://t.co/AOfwvo7V5H

2014-01-16 17:10:42
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

「民間航空機乗務員の癌および他の原因による死亡率:10ヶ国のコホートの合同分析」 アブストラクトの結果だけを見ると微妙で、放射線被ばくがむしろ健康に良い、などと言う人達に「証拠」として使われかねないけど、そんなに短絡的な状況でもないので、アブストラクトと要点を和訳しました。

2014-01-16 17:13:01
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

アブストラクト 背景:民間航空機乗務員は、電離性放射線への曝露が最大である職業グループのひとつである。乗務員らは、また、他の物理的要因にも曝露され、概日リズムの乱れの可能性もある。

2014-01-16 17:13:49
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

方法: この研究は、10ヶ国からの93,771人の航空機乗務員の共同コホートにおける死亡率の分析である。このコホートは、平均21.7年間(200万人・年)追跡調査され、その期間中に5,508人が死亡した。

2014-01-16 17:14:01
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

結果: 全体的な死亡率は、男性の運航乗務員(SMRまたは標準化死亡比 0.56)と、女性の客室乗務員(SMR 0.73)で大きく減少した。放射線由来の癌による死亡率もまた、男性の運航乗務員(SMR 0.73)で減少したが、

2014-01-16 17:15:39
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

女性または男性の客室乗務員(SMR それぞれ1.01と1.00)では減少しなかった。女性の乳癌(SMR 1.06)、白血病と脳腫瘍による死亡率は、一般公衆と同様だった。悪性黒色腫による死亡率は増加しており、男性の運航乗務員(SMR 1.57)で顕著な増加がみられた。

2014-01-16 17:15:55
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

心血管疾患による死亡率は強く減少(SMR 0.46)していた。一方、飛行機事故による死亡率は非常に高く(SMR 33.9)、また、男性の客室乗務員のエイズによる死亡率(SMR 14.0)も同じくかなり高かった。

2014-01-16 17:16:09
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

結論: この、非常に完全な追跡調査を伴う大規模調査では、男性の運航乗務員と女性の客室乗務員で全体的な死亡率の減少、飛行機事故による死亡率の増加、そして運航乗務員における悪性黒色腫による死亡率の増加が見られた。より長期間の追跡調査後のさらなる分析が推奨される。

2014-01-16 17:16:38
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

大事だと思われたポイント 背景 民間航空機乗務員は、宇宙線由来の電離性放射線だけでなく、配線や電気器具からの電磁波、概日リズムの乱れ、オゾンや騒音などのリスク要因に晒されている。航空機乗務員は、放射線被ばく量が最も高い職業グループのひとつであり、

2014-01-16 17:17:41
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

年間過剰被ばく量は普通2mSvと、自然バックグラウンド放射線量とおおよそ同じである。職業的な累積生涯被ばく量は、一般的に100mSv以下に留まっている。 民間機および軍用機の乗務員の癌罹患率と死亡率の最初の報告は、1990年初めに公表された。

2014-01-16 17:18:12
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

さらに、データはまとめられて、癌罹患率と死亡率が合同分析された。飛行機の乗務員では、心疾患の死亡率が全体的に低いことが継続して観察されたが、これは選択の影響が強いことを示唆する。

2014-01-16 17:18:37
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

また別の発見は、皮膚の黒色腫の発症率が倍増したことだった。悪性黒色腫においては、電離性放射線がリスク要因だという証拠は限られてはいるが、多くの場合には紫外線がリスク要因である。

2014-01-16 17:18:50
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

男性の運航乗務員の合同分析では、電離性放射線への被ばく量推計値の増加と共に、すべての死因とすべての癌による死亡率の減少が見られた。中枢神経の癌のリスクの増加が見られたコホートもあった。

2014-01-16 17:19:20
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

前立腺癌の罹患率の20%ほどの増加が見られたが、これは北欧諸国(デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェーとスウェーデン)の調査の合同分析においての長距離フライトの数と関連していた。

2014-01-16 17:19:42
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

概日リズムの乱れと関連しているシフトワークは、乳癌と、もしかして前立腺癌のリスク要因のひとつである可能性がある。

2014-01-16 17:20:17
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

男性の客室乗務員では、全体および癌の死亡率は、一般大衆と変わりがなかったが、例外がいくつかあった。最近行われた癌罹患率の合同分析では、黒色腫および黒色腫でない皮膚癌、カポシ肉腫とアルコール関連の癌が有意に過剰に見つかり、それ以前の死亡率の調査結果を確証した。

2014-01-16 17:20:54
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

さらに、白血病による死亡率の増加が報告されている。 女性の客室乗務員では、乳癌リスクの増加が、罹患率および死亡率の研究の両方で見られ、有意さを伴わない白血病リスクの増加も見られた。

2014-01-16 17:21:26
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

ここでは、民間航空機乗務員の10ヶ国のコホートの合同死亡率分析の知見が報告されている。これらに含まれているのは、過去の報告と比較して長期の観察期間を持つ6つのコホートと2つの新コホートである。これは、欧州と米国のデータがまとめられている最初の報告である。

2014-01-16 17:21:32
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

過去の分析と比較して、調査集団のサイズが30%増加し、観察された人年が69%増加したため、この研究の統計的パワーはより大きくなり、ゆえに、死亡リスクの定量評価の正確さも増す。

2014-01-16 17:22:06
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

コホートはまだ若年層であるため、特に予防対策が推論されるのであれば、コホートが年を取るにつれて、特定の死因による死亡率の増加を追跡することが重要である。この研究結果は、合同コホートの標準化死亡比(SMR)の分析を、運航乗務員と客室乗務員と別々に報告している。

2014-01-16 17:22:19
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

方法 調査集団 デンマーク、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、英国と米国の民間航空機乗務員のコホート。 客室乗務員は最低6ヶ月(米国では1年)雇用されいる人のみコホートに含まれたが、運航乗務員にはそのような制限は適用されなかった。

2014-01-16 17:23:24
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

個人の観察期間は、雇用初日や国別の追跡期間開始日などに始まり、死亡した日付けや、調査期間末日で終わった。 すべての死因は、ICDコードで分類され、過去の分析で使われた死因グループに分類し直された。

2014-01-16 17:23:49
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

この調査が焦点を当てたのは、宇宙由来の電離性放射線への被ばくの影響の可能性だったため、これらの死因グループには、単独の癌部位および3グループにわけられた腫瘍が含まれた。

2014-01-16 17:24:14
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

最初のグループ「放射線由来癌」は、食道癌、胃癌、大腸癌、女性の乳癌、膀胱・尿管癌、甲状腺癌、慢性リンパ性白血病以外の白血病で構成され、ボイスらの論文とUNSCEAR2000年報告書に基づいていた。

2014-01-16 17:24:25
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

肺癌は電離性放射線と関連していることで知られてはいるが、喫煙との強い関連があるために、このグループには含まれなかった。 2つ目のグループ「アルコール関連癌」には、口腔、咽頭癌、喉頭癌、食道癌と肝癌が含まれる。

2014-01-16 17:24:45