◆獅子◆ プラウドハーテッド・デス・オブ・ザ・センシ #2◆二次創作な◆
- sakatamaki
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「そうかそうか。チョージョー。ではこの勝負、預け置く」バルジュナトは莞爾と笑った。「なんだと?」ニンジャスレイヤーは訝しむ。「馬を癒し、再びイクサせん!イクサぞ」「……」ニンジャスレイヤーは異常者を見る目でバルジュナトを見た。明らかに狂人である。42
2014-02-04 19:42:03「異存なかろう。再戦は5日後。時刻はウシミツ・アワー。場所は…」ニンジャスレイヤーは状況判断し、先に指定する。「…ネオサイタマ高速道。42号線。あれだ」右前方、中空に延びる高架を指差す。「よかろう!罠でも張るか?それもよい。約定を違えるな!」43
2014-02-04 19:45:51蹄の音を残してバルジュナトは駆け去った。瞬く間に姿が遠ざかる。止める術も無く見送るニンジャスレイヤー。その魂の深奥から、彼を嘲笑する声が響く。(((フジキド…情けなやフジキド…)))ニンジャスレイヤーを秘められた真の名で呼ぶ者は、ニューロンの同居者、ナラク・ニンジャである。44
2014-02-04 19:49:17(((奴の申す通りよ…オヌシの未熟なカラテではみすみすキンボシを逃すのみ)))((奴は何者だ)))ニンジャスレイヤー…フジキド・ケンジの意識は、暴れ馬めいて逆らうナラクを抑え込もうとした。(((あれはチュルク・ニンジャ…)))(((チュルク・ニンジャだと?)))45
2014-02-04 19:53:10ナラクの意識は実際狡猾であり、気を抜くと身体の自由を奪われかねぬ邪悪さを秘めている。フジキドは危うい平衡を保つ。(((…大陸を渡り歩く漂泊のローニン者よ。だが実際チュルク・ニンジャクランの祖…キンボシ・オオキイ…ググ…)))ナラクの邪悪な殺意がニューロンを揺らす。46
2014-02-04 19:56:47(((私が殺す。オヌシは引っ込んでおれ)))フジキドは己の意識を手綱めいて握りしめ、チャドーの呼吸を繰り返した。(((できるかフジキド、オヌシに?…ググ…ググ…未熟なカラテの…グググ…)))(((黙れナラク)))フジキドの視界に次第に色彩が戻って来る。47
2014-02-04 20:00:50(((二度は言わぬぞ、私がやる)))(((……)))ナラクの意識がニューロンの底に沈む。ニンジャスレイヤーは道路上に佇む己を再認識した。ナンシーからのIRCコールが鳴り響いていた。48
2014-02-04 20:04:13ガガッ!ガガッ!ガガッ!ガガッ! 愛馬スルシミと共に、バルジュナトは突風めいて駆ける。(((ニンジャスレイヤー=サンか。久しぶりの遊び相手よ。未熟者共への制裁にも飽きておったところだ)))50
2014-02-04 20:09:09バルジュナトは勝負に頓着せぬ。実際、生死すらも問題ではない。ただ風の如く駆け抜ける衝動と、雷めいて放たれる一矢。即ち、センシとしての矜恃とワザマエだけが彼の全てだった。彼は狂っていた。51
2014-02-04 20:13:00