ヒア・カムズ・ザ・サン #２
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
（あらすじ：ネオサイタマ北東、何もないカナリーヴィルに今、恐るべきランドマークが建造されようとしている。村から出て学業に励んでいた高校生のハマが帰省すると、そこには不穏な防壁で隔離され、作り替えられた歪な居住地があった。もはや彼のふるさとの面影はどこにもない！）
2014-03-05 18:23:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
（禍々しき急拵えの発電所、武装したヤクザの私兵。居住地の奥には何らかの恐るべき光線を空へ向かって撃ち込む謎の施設が建造されようとしている。ハマよ、お前は帰ってきてはいけなかったのかもしれない……いや待て！絶望にはまだ早い。四人のデアデビル余所者が既に現地入りを済ませているのだ！）
2014-03-05 18:28:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「イヤーッ！」「グワーッ！」ニンジャスレイヤーの強烈なボディチェックが、鉄めいた装束で覆われた巨躯を吹き飛ばした。スモトリじみたそのニンジャは転がりながら荒屋の壁に穴を穿ち、路上へ粉塵を撒き散らした。ニンジャスレイヤーはザンシンした。これで倒せる敵ならば苦労はないのだ。 1
2014-03-05 18:44:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャスレイヤーは摺り足で路上をやや後退する。見よ……粉塵の中に浮かび上がるシルエットを。「AAAARGH……」鉄のスモトリニンジャ、コーナラーは、鉄のニンジャフルヘルムの覗き穴から紫の炎を滾らせ、唸りながら進み出た。ニンジャスレイヤーは眉根を寄せる。鉄の装束に多少の傷。 2
2014-03-05 18:52:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャスレイヤーは鉄塊を殴っているかのような無益さを覚える。多少のダメージはある。まったく多少の。たとえばオムラのロボニンジャは鋼鉄装甲の中に精密なUNIX回路やエンジンを隠しており、継ぎ目を狙ったり、装甲ごと内部を損壊する事で、最終的には破壊が可能だ。だがこれは勝手が違う。3
2014-03-05 18:57:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「虫ケラァ……虫ケラァ」マントラじみた呟きを吐きながら、コーナラーは張り手を振り上げた。「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは側転を繰り出す。コンマ2秒後、彼が居た空間を、致命的な張り手攻撃が抉り取った。勢い余って、張り手はアスファルトにめり込み、亀裂と震動を生み出した。アブナイ！4
2014-03-05 19:01:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「イヤーッ！」「グワーッ！」ニンジャスレイヤーは斜め後ろからコーナラーの脇腹をジゴクめいて蹴った。コーナラーは振り向きざまの裏拳で襲いかかる！「イヤーッ！」「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはバック転を繰り出し、危うくこれを回避！「虫ケラァ……虫ケラァ」コーナラーが接近！ 5
2014-03-05 19:05:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「イヤーッ！」右張り手！ニンジャスレイヤーはスウェー回避！「イヤーッ！」左張り手！ニンジャスレイヤーはスウェー回避！「イヤーッ！」右張り手！スウェー回避！「イヤーッ！」左張り手！スウェー回避！「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」右！左！右！左！ 6
2014-03-05 19:09:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ヌゥーッ！」ニンジャスレイヤーは路上角に追い詰められた己を見出す！「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」右！左！右！左！ニンジャスレイヤーはワン・インチ距離でスウェーし続けるしかない。木人拳めいた打ち合いはこれほどの硬度と質量の持ち主には危険な策だ。 7
2014-03-05 19:12:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
燃える紫の眼光は嘲笑うかのようだ。ニンジャスレイヤーは過去の似たタイプの敵とのイクサの記憶を呼び起こそうとする。(((フジキド。後がないぞ。なんたる不甲斐なさ！)))（黙れナラク）(((オダ・ニンジャのジツを忘れたか)))（ケイビインのジツか。私もそれを考えていた。だが……）8
2014-03-05 19:18:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
かつてニンジャスレイヤーが戦ったケイビインというニンジャは、命持たぬカラテゴーレムを自在に操る強敵であった。だが、（此奴はニンジャだ。知性を備え、カラテで攻撃してくる。人形使いのニンジャ存在感も付近に無し！）(((ジツには亜種が常にあり、イクサには謎が常にあるものよ))) 9
2014-03-05 19:25:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「イヤーッ！」更なる張り手！ニンジャスレイヤーは上体を屈めて躱し、回し蹴りで反撃した。狙い澄ました攻防一体のカラテ、メイアルーアジコンパッソだ！「グワーッ！」切れ味鋭い蹴り技がコーナラーの顎先を捉える！並のニンジャならば脳震盪を起こし致命的な隙を作っただろう。だが……。10
2014-03-05 19:30:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ドッソイ！」「グワーッ！」ナムサン！強引なケリ・キックがニンジャスレイヤーを襲う！ニンジャスレイヤーは腹を蹴られ、背中から角に叩きつけられる！ニンジャスレイヤーは腹筋に力を込め、嘔吐を堪える。(((ブザマな状態を脱せ！話はそれからぞ！)))「イヤーッ！」「グワーッ！」11
2014-03-05 19:34:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「イヤーッ！」再び張り手が襲いかかる！ニンジャスレイヤーは両腕をクロスし、ブレーサーでこれを受ける！張り手、右！左！右！左！もはやニンジャスレイヤーは地面から数インチ浮き上がった状態に置かれて、打撃を強制的に受け続けるばかりだ！「ヌウウウーッ！」「イヤーッ！」まだ張り手！ 12
2014-03-05 19:39:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャスレイヤーは耐える！耐える！背中を衝撃が伝わり、石壁を震動させ始める。「イヤーッ！」更なる張り手！ニンジャスレイヤーはカッと目を見開く！彼は張り手をクロス腕で受けながら、瞬間的に両脚を上げ、胎児めいて身体を丸めた。そして、「イヤーッ！」コーナラーの胸を両足で蹴った！13
2014-03-05 19:42:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
KRAAASH！「グワーッ！」ナムサン！？何が起きた！？石壁が破砕し、粉塵がコーナラーを包む！「虫ケラァ……虫ケラァ！」コーナラーは煙を振り払う。ゴウランガ！角の石壁がぽっかりと失われ、石材が散っていた。壁穴の向こう側には、受け身を取るニンジャスレイヤーの姿あり！ 14
2014-03-05 19:47:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
壁穴を挟んで両者は対峙する。いったい何が起こったのか？ニンジャスレイヤーはコーナラーの張り手ガード時のベクトルと、胎児姿勢からバネ仕掛けめいて胸を蹴ったベクトルを二乗の推進力として、背後の壁に渾身の両肘打ちを叩き込んだのである。厚い石壁とてこれではひとたまりもなし！ 15
2014-03-05 21:47:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
やがてニンジャスレイヤーは未練なく踵を返した。「ARRRRGH！」コーナラーが吠え猛り、壁穴周囲の石材を引き剥がし始める。その巨体が通過するにはいささか狭い穴なのだ。ニンジャスレイヤーは石段を駆け下り、バラックに左右を挟まれた路地へ逃れた。戦略的撤退である！ 16
2014-03-05 21:49:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
(((グググ……己が無力を噛みしめよ)))ナラク・ニンジャの念話がニンジャスレイヤーのニューロンをざわつかせる。（戯言は不要）ニンジャスレイヤーは陰から大通りの様子をうかがう。（謎も要らぬ。オヌシの知見を言え）(((精密ではあるが、あれもまたカゲムシャだ。原理は同じぞ))) 17
2014-03-05 21:56:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
大通りを飛行無人機が横切る。「スウーッ……ハアーッ」ニンジャスレイヤーはチャドー呼吸を深め、そのまま、もうしばし待った。（カゲムシャだと？あれは紛れも無きニンジャだ。拳を合わせればわかる。高みの見物を決め込むオヌシには……）ニンジャスレイヤーは眉根を寄せた。精密なカゲムシャ。18
2014-03-05 22:03:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
（操作対象を一体に絞る事で力と距離を得ている）(((左様！要はジツの資質を修行の中でいかに伸ばしたかだ。わかったか？ともあれ一旦イクサを避けたはチョージョー。オヌシ自身の救いがたい弱さを自覚した今、オヌシは儂無くばいまだヒヨッコに過ぎぬという謙虚な……)))「本体を叩くか」19
2014-03-05 22:13:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
(((実際、あれほど強固に仕上げたカゲムシャにかかずらうは徒労が勝つ)))ナラクが認めた。(((アイサツするほどの礼儀作法と意志力。過去においても例無し、何となればバカバカしい無駄な努力ゆえ！左様くだらぬ真似に修行を費やす暇があればチョップのひとつでも多く打つべし))) 20
2014-03-05 22:23:47