の・う・こ・れ 農薬これくしょんⅡ

<農薬知識普及計画> -農薬を擬人化し、その歴史と特性を一般に普及せよ!- 前回の作戦結果:『農薬これくしょん』http://togetter.com/li/638131 続きを読む
82
農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

「あ、kurstaki株とはちょっと特徴が違うから、気をつけてねー」

2014-03-10 20:19:55

BT剤はアルカリ性の消化液にさらされると毒性を発揮する。そのため、チョウ目の幼虫に効果を示し、ハチなどには影響を及ぼさない。
aizawai株、kurstaki株などがあり、得意とする害虫種がやや異なる。詳しくは
http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/byogaichu/pdf/news03.pdf を参照。

また、さつまいもなどを食害するコガネムシに効くBT剤もあり、それはブイブイ系とよばれている。

農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

【天敵製剤】 「チリカブリダニです。お腹が空きました。マスター、おっきいハダニが食べたいです」

2014-03-10 20:20:09

元ネタはおそらくfateのセイバーのセリフ。もはや艦これですらない。
チリカブリダニはハダニ類を捕食する天敵であり、農薬として天敵製剤化されている。大量にハダニを食べるが、主食がハダニであるため、ハダニを食べ尽くして食物がなくなり、栄養失調で大量死したりすることもあるため、使うタイミングに十分注意が必要。

農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

【天敵製剤】 「ミヤコカブリダニです。花粉があれば、とりあえず食いつなぎます……でもハダニが食べたいです」

2014-03-10 20:20:31

元ネタなし。これも天敵製剤化された天敵。チリカブリダニと異なり、作物の花粉などを食べて生存可能ため、ハダニがあまりいない時期から予防的に使用できるという利点がある。

農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

【天敵製剤】 「アブラムシは私の産卵場所。私の子どもたちのご飯。うちの子供達は、アブラムシを生きたまま中から食い殺すのよ。あ、ご紹介が遅れて申し訳ありません、コレマンアブラバチと申します」

2014-03-10 20:20:57

元ネタなし。コレマンアブラバチはワタアブラムシ、モモアカアブラムシなど、主要アブラムシに卵を産み付け、幼虫がアブラムシに寄生する寄生蜂であり、天敵製剤化されている。
幼虫は内部からアブラムシを摂食し、やがて死んでミイラ化したアブラムシの体(通称:マミー)からアブラバチの成虫が羽化してくる。

農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

【天敵製剤】 「タイリクヒメハナカメムシです。アザミウマっていう、ネギに白い点々作ったり、いちごにひどいザラザラ作ったりするちっちゃい虫、大好きです。でも寒いのはキライです」

2014-03-10 20:21:18

アザミウマ類だけでなく、、アブラムシ類、ハダニ類も捕食する天敵として天敵製剤化されている。花粉も餌資源に出来るため、害虫を食い尽くしても餓死しにくい。しかし、温度が下がると活動が低下するため、捕食する量も減ってしまう。

農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

【気門封鎖剤】 「ソルビタン脂肪酸エステルです。て、展着剤だったはずなんですけど……なんで私、こんなところにいるんですか?どうして呼ばれたんですか?え、アブラムシとかハダニとかコナジラミとか、窒息させられるから、気門封鎖剤として整えてみた?そんな、いきなり殺虫剤に入れられても…」

2014-03-10 20:22:54
農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

「ヒドロキシプロピルデンプンです。食品添加物です。……居心地の悪さ、前に同じです。小さな害虫類の呼吸孔(気門)を覆って塞ぐだけなので、意外と害虫が抵抗性を発達させにくいのと、『有機栽培でも使える!』って触れ込みで担ぎ出されたんですけど」

2014-03-10 20:23:33
農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

「還元糖化澱粉です。はい、水飴です……有機栽培でも使えて、化学農薬さんたちが効かなくなった虫でも、かかりさえすれば効いて、あと化学農薬さんたちと違って、残留の心配をせず何度も使えるから、そういう意味ではしつこいダニとかアブラムシ対策に需要あるみたい、ですけど、うん……」

2014-03-10 20:24:46

ソルビタン脂肪酸エステルの元ネタは涼宮ハルヒシリーズの朝比奈みくるのセリフ? もはや艦これですらない。
気門封鎖剤の詳細は前回http://togetter.com/li/638131 参照。
一部の気門封鎖剤は食品添加物などで作られているため、有機栽培においても使用可能。
ただし、虫に直接しっかりかけないと窒息死させられない上、窒息死した虫は、死にたてだと生きている虫と見分けがつかないことがある。使用の際は注意が必要。

農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

「マシン油、なんだけど……私、何十年も前から、気門封鎖剤で使われてるんだけど……植物の葉っぱ、油で傷んじゃうことが多いから、だいたい冬にしか使ってもらえないんだけど……農家の人、年取っちゃって、冬の散布サボる人多いんだけど……いつも何度でも使ってもらえる、若い娘、憎い……」

2014-03-10 20:25:03

元ネタ無し。
マシン油乳剤は気門封鎖剤の最古参。
冬眠中のハダニやハダニの越冬卵を、油膜で窒息死させるのに使われることが多い。
しかし本人の言う通り、農家の高齢化が進み、冬季の農薬散布が辛くてできないところも多くなってきており……

農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

(あなたの倉庫の隅にも、拗ねたマシン油嬢がいるかもしれません……)

2014-03-10 20:25:16
農薬ちゃん可愛い(開店休業中) @noyakuchan_cute

(抵抗性発達を防ぐのに一番大事なのは同系統の薬の連用を避けて複数でローテーションすることだろとか、IGR剤やスピノシン系や昆虫寄生菌はどうしたとか、殺菌剤が途中からすっぽ抜けてるぞとか、除草剤の歴史が一切ないぞとか、その辺は全て中の人の不勉強のせいです! スミマセン!)

2014-03-10 20:25:37

補足
IGR系:昆虫成長制御剤とも呼ばれる。特定の虫のホルモンとしてしか働かなかったり、特定の虫のキチン合成酵素にのみ効く事が多く、土着天敵に影響をおよぼすことが比較的少ない。

スピノシン系:ジアミド系と同じく、チョウ目に卓効を示す比較的新しい薬剤。
土壌菌から発見された天然物であるため、有機栽培に使用可能なスピノサドと、スピノサドを改良したスピノシンの2つが発売され、野菜・果樹等に使用されている。

昆虫寄生菌:ペキロマイセス テヌイペス菌などが商品化されたものとしては有名。昆虫体内に侵入・増殖し、死に至らしめる。害虫の抵抗性発達が少ないと考えられており、化学農薬でないため、有機栽培でも使用可能。