原発避難と自治体――著書で書いたこと・書けなかったこと(今井照)
- myriel_june
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今井「区画というのはやはり大事。その土地の将来計画を考える上で、そこにあった自治体、あるいはそこに住んでいた人びと(その中で戻りたいという人びとでもいい)の意志は不可欠。このあたりについて、十分書き切れなかったかと思っている。」
2014-03-18 19:07:54今井「2つ目。『お前は今の自治体を擁護するのか』という批判。『あんな土地には、もう住めないんだから、早く整理してしまうべき』などと。」
2014-03-18 19:09:00今井「今の自治体のあり方が100%よいと思っているわけではない。それぞれの市町村に不満を持つ人たちがかなりの程度いるのも知っている。だが、その不満は期待の裏返し。基本的に市町村への評価は高い。期待もあるし、だからこそ不満や批判も出てくる。都道府県だけでは対処しきれない。」
2014-03-18 19:12:32■第三部
今井「3つ目の柱。原発避難は史上初めて。自然災害対応を前提とした災害各法の対応範囲をこえている。超長期避難を支える法整備をどうするか。戻る・戻らないというところに焦点が当てられるが、自分は『わからない』にも注目しなければと思う。これが「第三の道」と本で書いたところ。」
2014-03-18 19:18:18今井「国の政策は『戻る』。そのための除染など。『戻らない』、移住という選択もある。期間困難区域については、この選択肢もありという政策になってきている。この場合は補償が十分である必要があるが、今の国のやり方では決定的に不十分。」
2014-03-18 19:20:52「期間困難区域」→「帰還困難区域」です。すいません。
今井「第三の道とは、当面避難は続けるという選択肢。考えていないので、『わからない』なのではない。調査によっては過半数を占める。見なし仮設(借り上げ住宅)などの制度も、一度申請が認められると、次へ移動できない。これは短期的なものしか、制度が念頭に置いていないから。」
2014-03-18 19:24:29今井「たとえば、3年経てば子どもは成長するわけで、生活している人にとっては、今の生活を最善のものにすることが必要になるのだが、そういう観点で考えられていない。」
2014-03-18 19:25:39「子ども」ではなくて、「3年経てば生活は変わるわけで」というような話だったようです。すいません。
今井「2つ目。避難している間の市民権の保障。そのための『二重の住民登録』(福島県の市町村に住民票を置きつつ、避難先にもというやりかた)。」
2014-03-18 19:29:20今井「3つ目。地域の未来を誰が決めるのか。地域の未来は地域の人たちが決めるべきもの。避難している人も含めた意志決定を考えていく必要がある。先に戻った人たちだけではなく。」最後のほう、時間が押したのでばたばたと話が進みました。
2014-03-18 19:31:05■質疑
※セレクトしています。
今井さんの話、3つの柱ごとにそれぞれ3つずつのトピックがあったという話の構造になっています。ここから質疑。司会は真木實彦さん(元福島大学教員)。
2014-03-18 19:32:12質問「ある町村には、全国各地から『集団で移住してこないか』というオファーがあったのが、首長ににぎりつぶされた。住民と自治体との間にはかなりの意識の乖離があるのではないか。そのあたりが、ご報告からは伝わってこないが、どうなのか。」
2014-03-18 19:49:45今井「著書では取り上げていないところ。双葉町の事例は報道もされている。いろいろと住民の動きがあるのは知っているが、自治体単位での合意はできていない。」このあといろいろ言い訳あり。
2014-03-18 19:53:16質問「法制度の問題点について。あと、アカデミズムはどう震災の問題に取り組むべきなのかというあたりは。」今井「最初の問題。原発災害は、自然災害ではなくて事故なので、賠償の問題になる。このままでは20年、30年裁判で戦うことになりかねない。それは避難者の生活の改善につながらない。」
2014-03-18 19:57:06今井「アカデミズムについては、答えきれない。もともとアカデミックな方面の出身でないし。専門家が意見を出して、素人(=住民)が選択するというのが基本線かと思う。」というか、いきなりわたしの名前を出さないでください。(笑)
2014-03-18 19:59:12質問「賠償についてと二重の住民登録について。後者は特に、投票権をどうするかということと関わる。この本でも書かれていたが、あまり納得がいかない。」
2014-03-18 20:01:36今井「賠償については、当面の処置として行われているところがある。だが少なくとも、以前に住んでいたのと同等程度の住居を保障するようなことが必要。あとは精神的賠償をどう考えるか。」
2014-03-18 20:03:10今井「選挙の問題について。避難元と避難先と二つの選挙権を持つだろうと。両方のまちづくりに参加する権利があるので。ただ、それが参政権にまでつながるかは議論があるところ。国政については1つと思っている。」
2014-03-18 20:06:16質問「合併問題について、疑念があると著書で書いておられる。(註:今井さんはいわゆる「平成の大合併」の動きには以前から批判的です。)都路村も合併で田村市のいちばん周辺に位置づけられてしまったと思う。もう一点。なんのための自治体なのかということ。」
2014-03-18 20:10:18今井「合併問題についてはほかに本(共著)にまとめた。 http://t.co/BnRkLEFe2n 合併しなかったほうがよかったのではないかというのが、わたしの結論だが、立証できるのかという批判はある。」
2014-03-18 20:13:21