パースとは、複雑な人の目で見た認識を投影する技術の一つだ

松田氏によるパースとパースのみならずの対象観察
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松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

TL上で話題になってた「プロの現場で使えるパース講座」買ってみました。ちょっと想像してたのと違った…中途半端な本になってる気がする(^^;

2010-11-03 21:26:41
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

アニュアルとして作られているから仕方ないかもしれないけど、漫画として面白くない。こういうハウツー本って読ませる努力が必要だと思う。特に理論を教えるのであれば。難しい話をまじめに語っても読むのは辛い。

2010-11-03 21:35:19
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

理論と実践の割合が8:2というのもとっつきにくい。菅野博士先生の「漫々快々」なんかがそうだけど、実践を例に出す事をメインにした方が、初心者には読みやすいです。

2010-11-03 21:37:42
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

説明するキャラクターがまったく無個性で、単独で淡々と説明するのも読んでて飽きてしまう。しかもこの説明役のキャラ、殆ど同じ表情で真正面なんだorz

2010-11-03 21:40:38
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

もうすこし、実際の現場のエピソードなんかをお題にして語っていくスタイルかと思ってたのでちょっと残念だなあ。この本はパースの事がまったく分からない素人のアシ初心者が読んでも分かりづらいし、かといってパースを理解しているレベルの人が読むには現場レベルの具体例が少ないので参考にし辛い。

2010-11-03 21:49:24
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

パースの話で思い出したけど、やっぱり初心者の頃は最初に消失点をとったり、パースの補助線をびっしり描いたりという「理屈では正しいけれどよくある間違い」をやっていました。

2010-11-03 21:51:25
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

そうやって描いたものはどうしても、ガチガチで不自然な背景になってしまうんですよね。これは件の本でも触れていました。

2010-11-03 21:52:44
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

それを克服できたのは、ある仕事場のチーフアシさんからもらったアドバイス。アドバイスと言うよりは考え方の逆転ですね。「正しいパースを取るのではなく、自分が描いた絵のパースが不自然ではない見極めるほうが重要」と言う理屈です。

2010-11-03 21:57:47
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

つまり、パースを補助線代わりに使って絵を描こうとするのは、いきなり定規を当ててキャラのあたりを取るぐらいおろかな事で、フリーハンドでとった下書きに矛盾や狂いがあるか判定する道具、ぐらいの使い方をしたほうが自然な絵(背景)が描けると言う事です。

2010-11-03 22:01:52
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

勿論そのためには、理論ではなく肌でモノの形のとり方を習得しなければならないのですが。そこで必要なのが「目を鍛える事

2010-11-03 22:03:58
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

日常生活レベルのモノを見る目を養う訓練です。単に歩いているときでもモノの形・量感・ディティールに至るまでじっくりみると言うやり方ですが、いざやってみると今までの自分がいかに世界をいい加減にしか見ていなかったかが分かり愕然とします。

2010-11-03 22:06:58
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

例えば素人同然のアシスタント志望者が来たとしましょう。このとき彼の腕というか「目」を判断にするために「電柱」を描いてもらいます。そうすると、それだけでその新人さんの「世界を見る解像度」が如実に分かります。電柱って、ただの棒ではなく、かなり情報量の多い物体なんですよ。

2010-11-03 22:09:47
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

こういうのは普段の視点の豊富さと観察力がものを言います。それが分かってからは、普通に歩いていても立ち止まって嘗め尽くすように建物や施設、乗り物などを見るようになりました。

2010-11-03 22:12:26
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

自分のようなボンクラでも、5分もじーっと見ていると、今まで気がつかなかった対象の形やディティールに気がつけるようになります。資料写真は大切なものですが、写真をとるだけでは得られない情報が吸収できるのです。

2010-11-03 22:14:26
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

メカなんかが顕著なのですが、人間の目は正確には「標準レンズ」の見え方をしていません。標準と広角のいいとこ取りのような複合情報としてモノを見ています。ですから、観察する事によって「その人だけの○○像」が出来上がります。

2010-11-03 22:17:23
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

例えば、同じ飛行機を描いてもそのプロポーションは結構違います。スピード感が前面に出るために前後に引き伸ばされて細身になったり、量感を重視してボリュームのあるシルエットになったりします。

2010-11-03 22:20:33
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

そういった「その人ならではの世界観」が形成されると、他にも応用が利くのでパースとか関係無しに絵が描けるようになります。勿論それは今まで見てきた観察経験値がモノをいうのです。ある対象を自分の目で見るとこうなる、と言うシミュレーションを積み重ねているとでも言いましょうか。

2010-11-03 22:25:14
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

当然そのシミュレーションにも間違いはあるので、そこでパース理論の出番ですね。確認のために使うなら、パース理論は害になりません。あくまでも理論なので、こう見えたほうがカッコいいと思えば曲げる事もあります。そこは理論に溺れてはいけない部分です。

2010-11-03 22:29:37
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

3DのCG画像を見て、なんか落ち着かない不自然さを感じたことはないでしょうか。CGなんだからパースは完璧なはずなのになんかしっくり来ない。それこそがパース理論の弱点であり、観察経験値でしか補えない部分なのです。

2010-11-03 22:32:21
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

ぜひアシスタントの新人さんには観察経験値を積んでいただきたい。きっと自分の絵を描くときにも役に立ちます。世界の見え方が変わってきます。

2010-11-03 22:40:47
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

観察で補足が一つ。じーっと、まじまじと対象を見るときに「素材」や「構造」について考えながら見ると情報量が上がります。対象が何で出来ているのか、構造はどうなっているのか、気をつけながら見ていると「質感」が見えてきます。

2010-11-03 22:47:24
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

例えば車やバイクを苦手とする人は多いですが、車がどういう構造をしているのか分かろうとする人は少ないです。構造が分かると何故この位置にタイヤがついているのか、曲がるときにタイヤの向きがどう変わるかと言う事が絵に反映できるようになります。

2010-11-03 22:49:55
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

また、車の表面を覆っているのが鉄板であると分かっていると、また描きかたが変わってきます。タイヤにしても、それがゴムで出来ていると言うだけでなく、断面がどういう構造をしているか理解していれば、ぶつ切り大根のようなタイヤを描く事はありません。

2010-11-03 22:53:45
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

素材感はリアル感を演出するのに大切な要素です。これが出来ていないとアングル・パース的には完璧なものを描いても魅力半減です。鉄で出来ているか、木か、石か、布か、全然描きかたは違います。

2010-11-03 22:58:30
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

素材感を意識するには「触ってみる」のが一番確実です。硬いか、柔らかいか、熱いか、冷たいか。そういった感覚を体験しているものを描くと説得力はグッと上がります。なぜなら、その感覚を再現するために色々工夫するから。

2010-11-03 23:08:40