ボストン在住科学者のツイートまとめ(4/11-14)

ちょっと長くなってしまいましたが、Natureの論文の作られ方についてなど
4
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ですから、例えば、ノーベル賞になるような論文を、是非、私の雑誌で発表したいという欲望というのは、それぞれの雑誌が持っている。そして、そのためには、一日でも早く発表したい。つまり、投稿した研究者に負担をかけないという意向が働くこともあるのではないでしょうか。

2014-04-11 22:10:58
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

いずれにしても、投稿した研究者は、ピアレヴューのコメントに答える形で、変更したものを送り返す。ここは、普通の専門誌と同じでしょう。そして、それを元の査読者に見せるか、編集部で判断するか、ここも同じでしょう。

2014-04-11 22:12:51
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャー論文の発表のプロセスについて。この続きは明日以降、続けます。今日はこれまで。。

2014-04-11 22:14:34
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

おはようございます(こんばんわ)。ネイチャー論文の掲載プロセスについての続きです。昨日、強調したことは、ネイチャーの場合、普通の専門誌と違って、編集部の判断というのが非常に大きくなっているということです。また、専門誌に投稿した場合と違うプロセスが存在しているということです。

2014-04-12 21:50:42
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

さて、編集部も掲載前向きになり、投稿者は査読コメントに対応して送り返す。場合によっては、この応答、つまり新たな実験をしたりするのに、膨大な時間がかかるということがあります。普通は3ヶ月以内に送り返すことができれば、通常のRevisionになります。

2014-04-12 21:55:05
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ところが、3ヶ月以内にその対応が不可能であるという場合もでてくる。こういったケースでは、投稿者と編集部のニゴシエーションというのがあるわけです。科学研究というのは、競争になっている分野では、その研究が独立した真似研究でないことを示すために、いつ投稿したかという日も大切です。

2014-04-12 21:57:45
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

もちろん、科学研究では、その論文が受理された日が、研究が認められたという正式な日になるので、これが重要なのです。ところが、最初の投稿日というのも記録としては気になる場合もあるわけです。

2014-04-12 21:59:20
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

普通は、3ヶ月以内に送り返すことができなければ、この投稿日は消去されて、「再投稿」という形になります。

2014-04-12 22:00:39
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャーの場合、この編集部、査読者、投稿者のやりとりが、1回だけでなく、何度も繰り返されることもあり、こういうことをやっている間に、半年、1年と経過してしまうことさえある。

2014-04-12 22:01:59
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

これは結構な問題です。特に、時間経過を気にするような人、例えば大学院で学位を取る最終年度の人とか、そういう人が著者だとすると、先に進めなくなってしまうわけです。こういう過程で、ネイチャーは諦めて、別の雑誌に投稿するという人もでてきます。

2014-04-12 22:03:44
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャーはいわゆる「姉妹誌」というのを持っていて、そういう雑誌に、ネイチャーでの査読と対応の経過を利用するということで、編集部の方から紹介してもらえることもあります。

2014-04-12 22:05:28
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

そして、こうした長い査読過程を経て、正式に受理ということになる、わけです。ところが、これで終わりというわけではありません。ここで、またネイチャー独特のやり方というのがある。

2014-04-12 22:07:03
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャーの場合、一般に受理してから、オンライン掲載、あるいは印刷雑誌への掲載、これは普通、投稿者が選ぶわけですが、これは結構速くできます。印刷雑誌の場合は、スケジュールというのもあるので少し時間がかかる。でも、緊急性を要するものだったら、速くもできるでしょう。

2014-04-12 22:09:12
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャーの場合、受理されてからの論文のハンドリングは速いです。あっと言う間に、校正用のページプルーフが送られてきます。しかも、一度、それを受け取ると、数日以内に見て、送り返す必要がでてきます。

2014-04-12 22:11:31
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

忘れたのですが、受理された原稿というのは、校正用の最終原稿になる前に、筆者の方で、再び修正させられるということも多いです。つまり、受理された原稿が更に変わるということがある。

2014-04-12 22:12:44
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

これは、特に、「長さ」を短くせよ、という長さの編集の要求が多いと思います。そして、更に、ページ編集の関係で、図の配置を変えるという要求もあると思います。ここが問題があると思います。つまり、雑誌のレイアウトに合わせるために、査読後原稿も変わるという過程があるんです。

2014-04-12 22:15:07
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

一般の専門誌と違って、ネイチャーはいわゆる一般誌みたいな性格もあるので、このレイアウトに合わせた編集というのが多いのです。スピードが速い受理後の論文の扱いで、忙しいスケジュールの中で対応する必要がでてくる。

2014-04-12 22:17:06
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

雑誌では、掲載内容をその雑誌に合ったようにする「コピーエディター」という人がいます。ネイチャーの場合、このコピーエディターの権限も強いです。英語がネイティブの人が書いた論文なら、それほど変更されることはないですが、そうでない場合は、英語だけでなく、論旨も変えてしまう。

2014-04-12 22:19:47
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

つまり、英語の文法とか、そういう問題でなくて、ロジックも変えてしまうというコピーエディターがいるということです。これは、普通の専門誌ではないと思います。そして、日本人の書いたものとかなると、場合によっては、大幅な添削みたいな形になる場合もあると聞いたことがあります。

2014-04-12 22:21:37
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

何を言いたいかというと、ネイチャーの特質は、一般誌みたいな部分があって、レイアウト、コピーエディターなどが、専門誌と違う部分があるということです。短期間で急かされて行うこの過程で、油断していると、ミスがでてしまうことは十分考えられます。

2014-04-12 22:23:38