一日目、夜の出来事 - 異世界奇譚婚礼祭

2014/04/17から2014/04/19までの、王子王女殿下方の記録です。
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ジェルト @jeltferluo

「……夜半にまで、正装をする必要はなかろう」 自室には、それなりの装飾と設備があった。軽鎧を脱ぎ、髪を適当に梳いたネザーフェミアの王子は、時刻を見計らって部屋を出た。 テラスである。空色の髪の青年は、夜空を見上げていた。 軽鎧は、外してきた。ネザーフェミア調の模様の刻まれた長衣。

2014-04-17 00:20:01
カメリア @camellia_onibi

カメリアは広間に残って、青年を待っていた。 「顔があちいなあ」 近い距離で囁かれるのは、だいぶ慣れたけど。やっぱり胸が、とくん、とする。 嫌ではない。ないのに、身を捩りたくなるような、感覚。 「あげたいもの、って」 なんだろう。

2014-04-17 00:11:15
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 昼間の賑やかさもなくなり、沈黙が漂う大広間。人を待っている鬼人の姫君に、投げかけられる声。「カメちゃーん」遠慮がちな声、開け放たれたままのテラスから。両膝を畳み体を傾いで、窓枠から広間を覗き込む大鎧の姿が見えるはず。「リェンさん、待ってるんだね」

2014-04-17 00:20:26
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「えへへ。様子、見に来ちゃいました。うまくいってるー?」微笑ましそうな響きを含む、甘い声でそう問いかけてくる。

2014-04-17 00:22:57
カメリア @camellia_onibi

@sousaku_asobi 「おー、その通りだ。スウェンは、まだ元には戻れねぇんだべか?腹減ってねぇか?」 見上げ、大鎧の騎士を気遣う。まだ今の姿しか見ていないものの、相手が自分と同じくらいの子供であろうことは何となくわかっていた。 「その姿すげぇなぁ、そいで戦うんだべか?」

2014-04-17 00:26:52
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「うん。いつもならもう元に戻っててもいいんだけどね……戦い続きだったから、体が変な風に馴染んじゃってるのかも」もう敬語で表面を飾ることはしない。素のままの口調で遠慮なく、軽さの中にも親しみを込めて言葉を並べる。

2014-04-17 00:32:04
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 荘厳な姿の騎士が、抱えた両膝の上に顔を乗せている様子は、ちょっと珍妙かもしれない。「だいじょぶだよ。この姿ならおなかも空かないの。へっちゃら!」ぐ、と見えるように拳を握って。「うん、すごい怪物と戦うんだ。ちょっと大変……」苦笑じみた笑い洩らしつつ。

2014-04-17 00:33:45
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「リェンさん、いいひとだよね」穏やかな口調で、そうぽつりと。「カメちゃん、リェンさんのこと好き?」騎士は、ゆるりと首を傾げて、直球の質問を。からかい色も探るような色もない。ただ純粋に気になった、という感じの。透明な声音での問いかけ。

2014-04-17 00:35:42
カメリア @camellia_onibi

@sousaku_asobi 「ふんふん、そんならよかった。だけんど、怪物ってのは恐ろしいなぁ、まだおめさ、若えんだろ?国のために、立派だな!」 感心した風に腕を組み、うんうん、と首を縦に振る。 「ん」 先ほどまで一緒にいた待ち人の話題に触れられ、ぴく、と身体を震わせる。→

2014-04-17 00:41:23
カメリア @camellia_onibi

@sousaku_asobi 「好き、ていうか」 少し言葉に詰まった後、ん、と咳払いをして言う。 「おら、恋ってもんは、大人になるまでするもんじゃねぇと、将来、伴侶が決まったら、そのお人に惚れねばならぬからと、言われて育ったんだ」 そして、まっすぐに鎧の顔を見つめ。→

2014-04-17 00:43:34
カメリア @camellia_onibi

@sousaku_asobi 「だけんど、今この宴に参加すれば、限られた中ではあるけど、好いたお人と一緒さなれる。だから来たんだ。……恋が、してみたかったんだべさ」 そして、にっ、と、食事をして紅の剥げかけた唇を吊り上げる。 「おら、リェンさまが好きだよ。初恋の人だな!」

2014-04-17 00:45:54
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「立派、なのかなあ……あんまり自覚はないや」ゆるい声音で、のんびりと語る。「怖い怪物がほんとに街に出たら大変だし、皆傷ついちゃうし。それだけだよー」その後、視線の下にいる小さな姫君の紡ぐ言葉、こくこくと相槌を打ちながら耳を傾け。

2014-04-17 00:47:41
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「そう、そのお顔っ!」大きな指を器用に動かし、指をパチンと鳴らすような動き。もちろん、人の体と構造は違うから、鉄が軋むような音がしただけだけれど。「リェンさんと一緒にいる、リェンさんのこと考えてる、カメちゃんのお顔ね……すっごく可愛いの!」

2014-04-17 00:51:00
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 口説いているような色合いは微塵もない。相手の表情を素直に褒め称え、うきうきと喜んでいるといった色合い。「ほんとね。抱きしめてほっぺたすりすりしたくなるくらいにね、うんと可愛いんだよ」だから、と。一旦、声を落ち着かせて。

2014-04-17 00:51:35
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「そんなお顔にしてくれるリェンさんって、とっても貴重なひとだと思うんだ。…最後に選ぶかどうかはカメちゃん次第だよ。でも、その…大変でも辛くても苦しくても…向き合ってあげてね。最後にどうなっても、きっとふたりは仲良しでいられる…そんな感じがするの」

2014-04-17 00:54:06
カメリア @camellia_onibi

@sousaku_asobi 「可愛い、かなぁ」 ぽりぽり、と頬を長いつけ爪のついた指で掻く。 「ほっぺすりすりは、元の姿の時でねえと、おら潰れちまうべよ?」 照れ隠しに軽口を叩くも、すぐ真面目な表情になる。 「んだな。最後に選んでもらえるか、まだわかんねぇけども」 おらは。→

2014-04-17 01:02:25
カメリア @camellia_onibi

@sousaku_asobi 「あいや、なんだ、まあおらが一人で思ってるだけかもしんねぇからな!そそ、最後どうなっても、おらはリェンさまが幸せなら、それが一番だべ」 そして、うつむき加減になり、言う。 「ほんとは、国の事さ一番に考えねばならんのにな……おら、おかしいな」

2014-04-17 01:06:56
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「自覚がないうちは、可愛いっていうんだ。自覚が出てくると、綺麗っていうんだよ」自慢というよりは、教えて諭すような口調で。「えへへ、もちろん。元の姿になったら、すりすりさせてねぇ」甘えるような声を、金属の軋む音に乗せながら。

2014-04-17 01:11:11
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「大 丈 夫 だ よ」緩さの中にも凛と響くような色合い、にじませてながら。はっきり一言、そう言い切って。「そうなったら……ひとりじゃなくて、ふたりで考えればいいんだよ。自分達のことも、国のことも。一緒に、ふたりで」

2014-04-17 01:12:16
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 騎士の顔は彫像のように表情がない。けれど、室内を照らす燭台の灯りを反射させる、銀色の片目。優しそうに揺らいで。

2014-04-17 01:12:30
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「…頑張って。何かあったら、言ってね。ぼくはカメちゃんの味方だよー」ほんのりと甘さを含む声で、あったかくそう言い残す。騎士は話を切るように立ち上がり。「カメちゃんの初恋が実るように、応援してるっ」ふわふわの羽毛で撫でるようなあったかい励ましを送る。

2014-04-17 01:13:02
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi 「国がどうとかじゃないの。ぼくっていうひとりの人間として、カメちゃんっていうお友達のこと、大切に想ってるからねぇ」それだけを言うと、気さくな様子で手を一振り。そして背中を向けて、夜の庭園に向けて歩き出す。「カメちゃん、ふぁーいとっ」

2014-04-17 01:13:13
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@camellia_onibi (そして幼い騎士は、逢瀬の邪魔はせぬようにと、速やかに夜の闇へと紛れていった――)

2014-04-17 01:14:22
カメリア @camellia_onibi

@sousaku_asobi 「そ、そか……勉強になる」 幼い声で言い聞かせられ、こくこくと頷くカメリア。そして、大丈夫だよ、の言葉に少し表情を和らげ。 「ありがとう。……うん」 さっきと違い、一回一回、はっきりと、自分に刻みこむような様子で、首を縦に振りながら耳を傾ける。→

2014-04-17 01:21:03
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