二日目、夜の出来事 - 異世界奇譚婚礼祭

2014/04/23から2014/04/25までの、王子王女殿下方の記録です。
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スウォード @swed_wing

本当は初めから酔ってなどいなかった、ただあの場に居続けるのはさすがのスウォードでも辛かった。 風通し良い廊下を歩く、吹き抜ける風がいつもなら心地良いのに今日は素直に喜べなかった。 「はぁ…馬鹿だよなぁ俺。」 それだけ誰も居ない廊下で呟くと約束のために自室へと戻った。

2014-04-23 00:31:29
スウォード @swed_wing

自室へと戻る。アラベスク模様の絨毯が床に敷かれ、床に座せるように幾何学的な模様が描かれたクッションが置かれている。素足になりその上にあがるとゴロンと寝転がった。「あーやばい…。嫁探しすっかり忘れて商談しちまった…。」頭を抱えた。「いやフラレたんだけどさ…うんあれはあれでいいんだ」

2014-04-23 01:31:25
スウォード @swed_wing

「命が長かろうが短かろうが、できるなら一緒にいたい奴の側にいたほうがやっぱいいよな。」心を吐き出すようにそう吐露した。 「一度っきりの生なんだからそれぐらいの我儘は許されるだろ。」 誰に対してかわからない言葉を吐きながら心を鎮めるように瞼を閉じた。

2014-04-23 01:36:26
ミルウェル @mill_well

 蜜花の姫君、鬼人の姫、獅金の王子。それぞれの交渉は後日に詳細を、と話は〆られた。  記憶ごと部屋に持ち帰り、戻るなり手に取ったのは針と糸。 慣れた手つき相応の速度で、絵柄の下地のみを数枚の布へと残すと、そのうちの二枚を抱え込む。  ひとつはたたみ、ひとつは物を包んで部屋を出た。

2014-04-23 16:37:49
ミルウェル @mill_well

@Delstella_  自身に宛がわれた部屋のドアノブに、布を一枚、掛け置く。布の縁には、緑の糸で宛て名が縫い取られている。  今宵、他との約束の取り付けがなければ話そうと、言っていた相手にあてたものだ。

2014-04-23 16:38:40
ミルウェル @mill_well

@Delstella_ 「デルステラーシャ様へ  小用で、少しばかり出て参ります。もしお待ち頂けるのでしたら、こちらを回収し、部屋でお待ち頂ければ幸いです。  待てぬ場合は、其の侭でお願い致します」  様々な色糸で縁取った象牙色の布地には、糸でそう文字を綴って置いた。

2014-04-23 16:40:39
ミルウェル @mill_well

@Delstella_  戻るまでに待たてしまう可能性と、予定の随意を報せる文。  相手の今夜の予定の確認はしそびれたが──見た時には気持ちよさそうに眠っていたので邪魔するのは気が引けた──、無いだろう場合に、入れ違う可能性を危惧した故。  一報を残し、扉を後に。

2014-04-23 16:44:06
ミルウェル @mill_well

@swed_wing  それから、布に包んだ物を丁寧に抱えて、届け物をと伝えた相手の部屋の前へと訪れた。  ゆっくりと三度、扉を叩く。 「スウォード様、ご在室でいらっしゃいますか? ユルスリウのミルウェルです、お届けしたいと言った物を、持って参りました」

2014-04-23 16:44:54
スウォード @swed_wing

@mill_well 入り口から声が聞こえる、体がひどく重い。気だるい身体を無理矢理動かすと起き上がって。「ああ今行く。」軽く乱れた服を整えると扉を開いた。

2014-04-23 18:13:21
ミルウェル @mill_well

@swed_wing 心なしか覇気の無い声に、同一人物の声か一瞬、悩んだ次第。 「今晩は、殿下……お疲れの所、恐れいりますこと」 開いた扉に相手を見上げ、様相を見るなり苦笑した。腕に抱えて居た包みを両手に持ち直す。 「少しだけお話を……とも思いましたが、後日の方が宜しいかしら」

2014-04-23 19:02:12
デルステラ @Delstella_

@mill_well 自分が居眠りをしている間に、姫は他の者となにがしかの約束ができたかもしれないが。少なくとも此方は居眠りをしていたおかげで何もなく、昨晩も訪れた姫の部屋を再び訪った。 見れば、ドアノブには一枚の布地がかけてある。そこに糸で取られたメッセージ。さら、と目を通し。

2014-04-23 20:16:10
デルステラ @Delstella_

@mill_well 「部屋、とは……私の部屋だろうか、それとも此処だろうか」 文脈から考えて、おそらく姫の部屋なのだろうが。主のいない女人の部屋に勝手に入っていいものか、いやしかし主の許可はこの場合得ていることになるのかと、無駄に生真面目な思索が意識を駆け巡った。

2014-04-23 20:16:19
デルステラ @Delstella_

恐る恐る布地のかかっていたドアノブを回せば、かちりと軽い音がしてドアは開いた。鍵はかかっていない。 「やはり此処で待てばよいのか」 待つのは全く苦にならないが、主のいない部屋にひとりというのは妙にそわそわしてしまう。 どこか落ち着かない仕草で、部屋に入り。椅子に腰を落ち着けた。

2014-04-23 20:16:44
ミルウェル @mill_well

@Delstella_ 其の文脈が、完全に綴り手の記載不足である事は、今は明かされようも無い。 ともあれ、施錠されて居なかったのは、部屋に訪れる心当たりは他に無いと、無意識の油断も有ったのだろう。室内は幾らか雑然としていた。

2014-04-23 22:22:01
ミルウェル @mill_well

@Delstella_ 内装は昨晩から、ほぼ変わる所は無い。針仕事の為に願い出た大きなテーブルには、色の異なる紐が数種。片隅に押しやられたような小さな寝台。 仄かに香る部屋の隅には、水に満たされた甕、そこに浮かぶ蓮の花。 急いだ名残に、文字の刺繍を途中とした布が散らばっていた。

2014-04-23 22:22:34
デルステラ @Delstella_

そわそわ。そわそわ。椅子に座ってさえ、落ち着かない。もとからあった調度品以外に、物がないに等しい自室と違う。昨日も訪れた部屋だというのに、ひとりぽつんと部屋にいると否応なく、女人の部屋にいるということを妙に意識してしまう。

2014-04-23 23:20:21
デルステラ @Delstella_

ざわつきをごまかすように、手の甲の鱗を撫でさする。ぺり、と軽い音がした。 「…………あ」 鱗の表面、薄皮一枚がぺろりと剥がれたように、落ちる。

2014-04-23 23:20:24
スウォード @swed_wing

@mill_well 「あーちょっと寝不足なだけだ気にすんな。」気恥ずかしそうに頬を掻いて。「話しならできるうちにやっとこう、時間は有限だからな。中の方がいいか?」包みを見てから相手を招くように身体を引く。

2014-04-23 20:39:13
ミルウェル @mill_well

@swed_wing 「然様でございましたか。それでしたら、調度よかったかしら。良い眠りを促す花を、お持ちしましたの」 頬を掻いた仕草を見、少し安堵したか声が和らいだ。 「恐れ入りますわ。できるだけ、手短に致しますので……少しだけ、お邪魔いたします」 一礼ののち、室内へ。

2014-04-23 22:26:19
スウォード @swed_wing

@mill_well 「そうなのか?ありがとうな。」そう笑いながら室内へ案内し。「靴を脱いで入ってくれ。」先に部屋の中へと入ると相手が座る場所にクッションを用意して。自分は対面へと胡座で腰を下ろす。「楽にして座ってくれ、作法に関してはあんまり気にするな。」

2014-04-23 22:30:19
ミルウェル @mill_well

@swed_wing 「ええ。本日、隅にて眠っておいででしたから、眠れていらっしゃらないのかと思いまして……まぁ、かしこまりました」 靴を履いたまま上がりかけて、いそいそと脱いだ。 椅子の無い場所に座ったのは昨晩もだが、クッションに膝を下ろしてみて、少し落ち着かない侭。

2014-04-23 22:36:15
ミルウェル @mill_well

@swed_wing 「慣れない、もので。おそれいります」 作法を気にするな、との言葉に丁寧に頭を下げた。裾を広がらぬ様に足に添わせて。持って来た物を目前に置いた。水に浮かべた蓮の花。 「……交易に携わる貴方様ならば、何処に流れた品が如何様な結果を齎すかも、ご存知かと思いまして」

2014-04-23 22:40:29
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