二日目、昼の出来事 - 異世界奇譚婚礼祭

2014/04/20から2014/04/22までの、王子王女殿下方の記録です。
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サザフィーラ @szflela

(回想) 昨晩の話である。 「その……寝る前に一つ  一つ聞いてよろしいかな。夫婦で食事を摂ると何か違うのでしょうか」 その記憶が無い。 「嫌ではないです。ただ……」 瞼を伏せる。 「それは、幸せを感じることなのですか?」 だって、団欒の記憶が無い。

2014-04-20 00:10:56
サザフィーラ @szflela

(回想) 獅金の王は、理想の厳格さと勇敢さ、叡智を持ち、質素を好み、国の繁栄に人生を注ぐ気高い存在。父の背はそう語る。 「私は、国益にならないと動かない、悪い獅金人です  国のためになることを望みます」

2014-04-20 00:11:00
サザフィーラ @szflela

(回想) 「獅金人は誇り高き種族です。だから、誓いを守ることは民も臣も喜びます  私達は両国両人を愛し合うと誓ったはず  さて、貴女の望みは、獅金人にとっての国益になります  国の誇りに繋がり、民はその誓いを王が守るたびに胸を張れる」 外交と同じ口調。声色には暖かみを込めた。

2014-04-20 00:11:04
サザフィーラ @szflela

(回想) 「とんでもない悪妻ならば私の軍がすぐに貴女を殺めてくれる……されど、願いがささやかなものであれば、貴殿の願いは国の誇りを大きくしてくれる  だから、願えるだけ願って、ジェネヴラ殿が『私』を国から買い上げてくださいませ」 そんな事を、人の悪い笑みで頼んだ。

2014-04-20 00:11:07
ジェルト @jeltferluo

中天に、日が昇る。婚礼祭に、昼が再び巡ってくる。用意された昼食と共に、広間に、活気が巡り出す。 思い思いの夜を経て、それぞれの朝を迎え、差し込んだ日差しと共に、開いた天窓から、風が巡る。料理の香り、小鳥の囀り、響く、足音。 伸びた背筋。快活な歩調で、空色の髪の青年が、廊下を歩く。

2014-04-20 00:23:39
ニルファタ @Nirfata

睡眠は、十分とはいえない。けれど窓から光が差せば、自然と目が覚めてしまう。残された時間が少ないゆえの、焦りか。 揃って夜更かしをしたことで、誰も、朝は眠っていることだろう。昼の会は正午からなのだから。そう思うと、目覚めても布団から出る気にはならなかった。

2014-04-20 00:28:17
ニルファタ @Nirfata

この部屋は、広すぎる。布団をかぶり直す。眠ったおかげで忘れた孤独感を、思い出さぬように。少しでも狭い場所に閉じこもるように、膝を抱えて、身を丸くした。

2014-04-20 00:28:32
ジェルト @jeltferluo

各王族に充てがわれた部屋から、広間までは、最短距離を通れば一直線になるように趣向が凝らされている。 「実に、長閑なものだな」 故に、ネザーフェミアの王子は、部屋に届けられた軽い朝食を摂り、身支度を整えた後、頃合いを見計らって部屋を出た。別の部屋に寄る事は、しなかった。扉が、開く。

2014-04-20 00:29:48
カメリア @camellia_onibi

幸せな夢を、見た気がする。ゆっくりと目を開けると、そばに顔があった。 一瞬びくりと身体を竦ませるも、それが結婚を約束した王子であるとすぐに頭が飲み込み力を抜く。 「ほぁ」 息をつき、その寝顔を見る。寝息は穏やかで、生きていることがわかる。 じっと見ている内に、少し不安になった。

2014-04-20 00:30:12
カメリア @camellia_onibi

急に、この寝息が止まったら、どうしよう。 他人と一緒に寝たのは何年ぶりか。こういう時にどうしたらいいか、カメリアはわからない。 「ん、リェン」 得体のしれない不安に耐え切れず、思わず肩に手をかけ、揺さぶってしまった。

2014-04-20 00:36:53
リェン @lyenrow

@camellia_onibi 「……ん、」 むにゃむにゃと口が動く。ほつれた髪が顔に掛かっていた。 「かめ、りあ?」 呂律の回っていない、呼び声。少女を抱き込むように引き寄せると、すり、と額を合わせて。 「おはよお」 へらり。眠たげな空色が弧を描いた。

2014-04-20 00:39:37
ミルウェル @mill_well

 窓から差し込む日差しの眩しさに、目を覚ました。 「……──まだ、眠い、けれど。もう、こんなに日が高いのね」  遅くまで刺繍をしていたため、寝過ごしたようだ。  起きなくてはと自分に言い聞かせ、暖かな毛布から出る。慣れた所作で幾重もの衣に袖を通し、帯で強く纏め上げる。  

2014-04-20 00:45:31
カメリア @camellia_onibi

@lyenrow 「おはよーリェン」 甘い声に応える。そのままきゅ、と相手の手を握ったところで、気づく。 「だいぶ外明るい。軽くシャワーさ浴びて、広間行くべ。もしかしたら皆集まってるかもしれねぇ」 カメリアは言いながら着替えを抱え、脱衣所に放り込んだ。 「一旦部屋さ戻る?」

2014-04-20 00:50:53
サザフィーラ @szflela

天井。起き上がると、目が回った。 朝は得意ではない。寝台の横に転がした剣を見やる。 「……もう朝か」 起き上がり、頭を締めつける感覚としばらく格闘してから、白のタオルを掴む。 「……まだ朝なのか?」 何時間ぐらい起きてから経ったか判らないが、感覚的には2,30分ぐらいだ。

2014-04-20 00:51:38
サザフィーラ @szflela

「沐浴の部屋、混んでるな。当然か」 大槍と狩猟弓と矢の満載された木箱を取り出し、沐浴の部屋を空けた。 「それでは痺れるのを一つ、お見舞いして頂く」 木桶に冷水を注ぎ、頭から被った。 もう三回頭から掛けて、全身の汗と汚れを洗い流した。 「薬剤沐浴は、三日後だったな」

2014-04-20 00:51:44
サザフィーラ @szflela

女性の部屋に招かれず行くものではないだろう。 朝食の肉を部屋で食べた。薩摩芋とレタスもだ。 メニューの内容は今後ジェネヴラに色々と勉強しよう。 「さて、警備の手法の観察。それが終わってから広間へ」 扉を開き、自室を出た。

2014-04-20 00:51:54
ニルファタ @Nirfata

日が少しばかり高くなった頃に、寝台から降りた。湯を使ってから、足に包帯を巻く。薬はもう必要なさそうだった。 着替えをし、濡らしてはいない髪をまとめなおす。それから机の上の、飾りを手に取った。 「……何を思われたことだろうの」 飾りが生き物であったなら、訊ねることができただろうか。

2014-04-20 00:52:29
スウォード @swed_wing

朝というには太陽の高い時刻。月と共に眠った男は目を覚ました。 浅黒い上半身は裸で、気だるげに纏っていた掛布を払うとぐーっと背伸びをしてから眠たげに欠伸を浮かべる。 「ねみぃ…がそろそろ起きないとやべえな。」 太陽の高さを眺めながらそう一人語って。

2014-04-20 00:55:46
ブリュイエール @Bruyerre_w

当人いわく、凄くすっきりぐっすり寝ましたというミエルの王女は、時計が7の針を指す頃には起きており、 8を指す頃には許可を貰い、庭園に咲くいくつか開きすぎた花を一部ご飯の代わりに貰っていた。 目の前に広がる庭園は昨日の夜の記憶と違い、明るい光に満ちており空は青い。 花弁、もしゃり。

2014-04-20 00:55:59
ブリュイエール @Bruyerre_w

昨晩、飛べたものの嬉しさで興奮したところ元々とろく不慣れな己は、支えてくれていた妖翼の王女を巻き込んで落下していた。 勿論下で言葉通り巨鎧の王子が受け止めてくれたから大事は無かったが、 冷静に考えれば一国の王女を怪我させたかもしれないのだ。はっきり言って国際問題レベルである。

2014-04-20 00:56:07
ブリュイエール @Bruyerre_w

軽々しい行動ではいけないと。改めて認識する。それでも。 「……楽しかったです。昨夜、すごく」 摘み立ての朝露のついたポピーの花を食べながら思いだせば綻ぶ口元。蜜の甘さが口に広がる。 3人で過ごした夜を、飛んだ感覚を。憑物が落ちた様なすっきりした様子で昨日に、今日に思いを馳せる。

2014-04-20 00:56:15
ブリュイエール @Bruyerre_w

その後部屋で身支度を済ませる。正装のふわふわとしたドレスではあるものの、 昨日の様な無理をしたヒールではなく、ヒールは低めの、柔らかな靴を履いて。 「目標は勿論伴侶の方を探すこと。でもやっぱり今日もいろんな方と、お話を」 そしてゆっくりと広間の扉を、開く。

2014-04-20 00:57:36
デルステラ @Delstella_

昨晩眠りについたのは、ほどほどに遅い時間だったと思ったが。身体はしっかり目覚めるタイミングを覚えていて、きっかり朝日が昇ると同時に目が覚めた。 また衣服を着なければならないと思うと、やはり気分が落ち込む。 「……いっそ蛇で行ってもよいのではないか」 服を目の前にして独り言ち。

2014-04-20 00:58:05
ニルファタ @Nirfata

いつものように角を隠し、木靴を履いて、部屋を出る。廊下に出ると、カツンと足音が響いた。この足音だけを連れて、大きな窓と高い天井の、明るい廊下を歩いて行くのは、憂鬱で、恐ろしい。 カツン、カツン。今日の歩みが遅いのは、足が痛いせいではなく、足音怖さに、駈け出してしまわないように。

2014-04-20 00:58:05
デルステラ @Delstella_

結局きちんと人型で、衣服は身に着けることにして。昨晩ネズミともちなるもののスープを飲んだので食事はそれほど要らない。再び、広間に皆々が集まるまではやるべきこともないだろう、と。 「……暇だ」 あまりにも単純な理由で、頃合いを見計らい広間へ向かった。

2014-04-20 00:58:07
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