Orphe兄貴の艦これ航海日誌~クーデター編(2013年10月)

僕のケツが!
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orphe @orphechin

「ご要望の通りフリッツは揃えました。後はこれと…これですね」「ああ。いくらだ」「これは入手に手間取りまして…そうねお金はいらないわ。変わりにナムでの仕事を仕切らせてちょうだい。後払いでいいわ」「俺のシノギを奪う気か」「復帰の代金としては安いのではなくて?」雌狐が。#艦これ航海日誌

2013-10-15 23:52:31
orphe @orphechin

「毎度ありがとうございます」「口座もほぼカラ、シノギもいいところは大分渡した。随分儲けたじゃねえか」鳳翔は俺の憎まれ口をかわし、「そうね、貴方の大盤振る舞いに対しサービスしないのも少し気が引けますね」何をしてくれるんだ?ドバイのカジノの経営権でもくれるのか? #艦これ航海日誌

2013-10-15 23:59:56
orphe @orphechin

「冗談のおつもり?あそこにカジノはないわ…そう、もう少し連中の背景を探ってあげます。サービスでね。龍田さんをお借りしますけども、よろしい?」少佐共の次は奴らと決めている。殺しやすくなるなら結構だ。「いいとも」「ご期待に添えるよう頑張りますね」#艦これ航海日誌

2013-10-16 00:01:58
orphe @orphechin

最後のミーティング。アパートは既に引き払った。今は川崎の工業地帯の一角にある鳳翔グループの倉庫にいる。俺の目の前には赤城・加賀・天龍。あの雌狐から仕入れた極上の道具、資源、バケツ。こいつらが俺のカードだ。自分の資産のほとんど全てをベットして手に入れた鬼札。 #艦これ航海日誌

2013-10-16 00:06:12
orphe @orphechin

「天龍、奴らに変わりはないか」「大丈夫だ。すでに腹はキメてるってよ」「加賀、あいつは」「問題なしよ。最初から意志は変わってないわ」「だろうな」「赤城、腹は減ったか」「めしぃ」「よしよし、次はクズどもの肉を食わせてやるからな」#艦これ航海日誌

2013-10-16 00:07:44
orphe @orphechin

時間は深夜0時。日常通り、少佐は3つの遠征部隊を出した後、現在はベッドで夜戦中。少数の見張りを除けば大半は寝ている。天候は晴れ。よく月の見える、いい夜だ。作戦実行には最適といえる。 #艦これ航海日誌

2013-10-16 00:10:43
orphe @orphechin

たった3人の艦隊に、俺は命令を下す。「出撃」 #艦これ航海日誌

2013-10-16 00:11:27
orphe @orphechin

鎮守府内、レーダールーム。首を180度曲げた摩耶を傍らに、俺と天龍は機械に細工をしていた。「ちょろいもんだな」「たりめえだろ、俺が一番夜戦上手なんだからよ」作戦を実行するに当たり、まずはここを抑えておく必要があった。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 18:04:22
orphe @orphechin

侵入自体は楽な仕事だった。天龍の腕前もあったが、艦霊どもが鎮守府を襲うことなど殆ど無いため、警戒体制は脆弱だ。当直の摩耶にも緊張感がなく、俺に気づいた時には天龍の手が首に伸びていた。「細工終了、これでレーダーは使用不能だ。こいつには休んでいてもらおう。いつも通り」#艦これ航海日誌

2013-10-17 18:09:50
orphe @orphechin

「こちら提督。準備は出来た。始めろ」大楠山のゴルフ場。俺が今日のために借り上げたその場所で、加賀が応答する。「了解」そして矢をつがえ、曲射する。矢は光となって高度5000mの壁を突き破り、光は鎮守府の方向に向けて分たれる。死の流星、その数46。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 18:17:44
orphe @orphechin

加賀は続けざまに3本の矢を天に向かい放つ。その都度矢は20、20、12と分化する。加賀は矢が鎮守府に向かっていくのを確認すると、周囲を見渡す。この風光明媚なゴルフ場には臨時の航空基地が設けられていた。航空機の夜間運用をするための措置だ。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 18:23:38
orphe @orphechin

加賀の航空隊は警戒ラインを無事に突破。 先発隊が指定の場所にターゲットを定める。胴に抱えるはフリッツX。ドイツの艦娘プロジェクトで先だって開発された、誘導装置付きのロケット。おそらく実戦で使われるのはこれが始めてだろう。最初に使うのがテロリストとは皮肉な話だ。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 18:29:15
orphe @orphechin

最初のターゲットは資源貯蔵庫。10のロケットが正確に弾薬庫と石油タンクを貫く。5桁の資源が一瞬で消え、恐るべき爆発が周囲をなぎ倒す。警備にあたっていたスタッフは、ロケットの奇妙な音に気づいた瞬間に火の海に飲まれ息絶えた。その衝撃は俺のいる監視室にも届く。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 18:34:23
orphe @orphechin

先遣隊の残りは艦娘とスタッフの各宿舎、工廠を粉砕する。ドッグは残しておく。提督の部屋も狙わないでおいてやる。あいつらをロケットごときで殺すなど元より考えてない。 先発隊に続き、第二波、第三波が鎮守府を襲う。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 18:37:35
orphe @orphechin

52の流星が鎮守府の各所にフリッツを撃ちこむ。愛宕は自分の目の前に突き刺さったロケットを見て思わず悲鳴を上げた。が、爆発しない。不発弾か?気を取り直し上空の襲撃者を電探で確認しようとする。だが動かない。 そして自分の身に纏っていた妖精の様子がおかしい事に気づいた。#艦これ航海日誌

2013-10-17 18:41:28
orphe @orphechin

妖精は蒼白の表情で悶え苦しんでいる。鎮守府のあちこちから妖精たちの苦悶の声が響き渡る。艦娘たちの間にパニックが広がった。妖精は自分たちの艤装を管理する上で最重要の要素だ。着弾位置の確認、データ修正、弾薬の装填に至るまで、艦娘たちは妖精に頼っていた。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 18:44:54
orphe @orphechin

「おい聞いてるか?このうろたえぶり」「ええ。航空隊が逐一報告してくれてるわ」「そりゃ良かった。効果は抜群のようだな」後発隊のフリッツに搭載されていたのはガスだ。妖精にのみ作用する神経性の毒。化学兵器の使用はこの時代にあっても禁止されているが、妖精は適用外だ。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 18:47:25
orphe @orphechin

このガスは海軍司令部直属の部隊にのみ配備されている特別品だ。妖精が使えない以上、各種の調整は艦娘自身がしなくてはならない。当然戦闘効率は極端に落ちる。司令部は反逆者の粛清の際にはこれを使う。極めて有効な手段と言えるだろう。#艦これ航海日誌

2013-10-17 18:50:35
orphe @orphechin

そして妖精を失った以上、頼れるものは自身の肉体のみだ。必然的に攻撃手段は近接戦に限られる。そして夜戦であれば…天龍たちの出番だ。天龍は腰のレシーバーから部下に指示を下す。「仕事の時間だ、動け」「天龍、後を頼むぞ」「まかせとけよ」「俺は奴と合流する」「ああ」 #艦これ航海日誌

2013-10-17 18:54:45
orphe @orphechin

混乱の中、金剛4姉妹が襲撃者を探していた。「あのマスク提督、ヴェンデッタしにきたのネー…」金剛が複雑な表情でこぼす。「ああいうことをされたら、さすがにキレるよね」「でもお姉さま、今の提督はあの少佐殿ですよ、じゃけん反逆者はひっとらえましょうね~」比叡が息巻く。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 19:02:08
orphe @orphechin

ふと、金剛は榛名がいない事に気づく。「霧島~榛名はドコ?」「ちょっと、静かにしててもらいました」 「は?」瞬間、霧島の拳が比叡の腹を直撃する。子犬のような呻きを上げて崩れ落ちる比叡。「ベストタイミングの腹パンです。さすが私」「ワッザ!?」 #艦これ航海日誌

2013-10-17 19:05:14
orphe @orphechin

「霧島、貴方まさか」「私の上司は、少佐よりもまず先に天龍さんです。悪く思わないでくださいね」比叡が霧島に倒されたのを見たのか、いつのまにか彼女の周囲には他の艦娘たちが集まっていた。 霧島が眼鏡を外す。 「マイクチェック、しましょうか」 #艦これ航海日誌

2013-10-17 19:08:10
orphe @orphechin

陸奥に火だるまにされながら、右腕の砲を放つ古鷹。陸奥は即座に戦闘不能となった。妖精が使えずとも一発だけなら、それも至近弾なら当てられる。文字通り焚身の攻撃。全身に火傷を負い崩れ落ちる古鷹を、夕立が水で濡らした幌でそっと手当する。この二人も天龍の部下だ。 #艦これ航海日誌

2013-10-17 19:12:59
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